<角皆さんとの出逢い&MOGUL>
97年冬、偶然TVで“W杯MOGUL飯綱大会”を観た
MOGULという言葉を聞いた事はあった
何年か前、やはりTVで、海外の大会の模様を放映していて、ビデオに撮って観た記憶がある
デュアルで、エドガーやモノが勝っていた時代だった
TVでは、来年が長野五輪で、これがプレ大会だという事をしきりに云っていた
長野でオリンピックがあるんだぁ、、、気にも留めていなかった
札幌五輪のことははっきり憶えている、当時、ボクは中学生だった
ジャンプで日本が1〜3位独占したあの日
ボクも北海道の、リフトが2本しかない小さなスキー場から流れるラジオでその事を知った
ブラウン管の中の選手達の滑りは、今までボクが見たことのあるターン、スタイルとはまるで違ってた
まったく違った何か、とてつもない、そうカルチャーショック
J‐リュック、S‐ローション、D‐ゴーチェらカナダ選手を筆頭とする
その洗練された滑りはボクの眼を奪った、カッコいい、あんなターンできるのかなぁ
その滑りをしてみたかったが、どうすればいいのか情報は0だった
あるのはたった1本のW杯のビデオだけ...
半年程経っただろうか、夏、いつも通ってる図書館で偶然1冊の本が眼に止まった
青い表紙で板をXにして空を飛んでいるスキーヤーが映ってる
‘モーグルテクニックバイブル’というタイトルだった
いつも借りているノンフィクションの人生論の本に紛れて
何となくこの一冊を一緒に借りた、な〜んとなく偶然、、、
どうすれば人は明るく、楽しく、充実した人生を送ることができるのだろう
今より少しでも幸せになりたい、明日はもっと自由になりたい、そう考えませんか?
ヒントは本の中によくある、他人や唄もパワーをくれるけど
本は誰かの失敗や成功を疑似体験できる
本当に転んで怪我をしなくても、倒れた痛みがわかり
どうすれば、そうならないか学ぶ事ができる
‘モーグルテクニックバイブル’は単なる技術解説書ではなかった
人生如何に生きるべきか、、、著者の持論をスキーとクロスした参考書だった
とにかく著者角皆氏の事が頭の何処かにこびりついて、離れなかった
そして2ヶ月に1回、ボクはSSAWSで練習を始めた
次に月に1度、さらに週に1度、出来る限り滑った、もっと自分自身を知るために
半年か1年経っただろうか、同じ本を図書館で何度も借り、繰り返し読んだ
メモをとり、自分なりの言葉に変換し、解読しようと努力した
どうしてもボクは、あの本を書いた角皆優人という男の事が気になっていた
当時まだネットやメール、、PCすら持っていなかったボクは手紙を書いた
長野県○×村の角皆氏に、、。
とにかく、本を読んで心が揺り動かされたという事を伝えたかった
数日後、返事が返ってきた
F‐styleスキースクールのパンフレットと一緒に、是非スクールに来て下さいとの誘いが書いてあった
その年の正月、朝5時、真っ暗な街をボクは独りスキーを持って電車に乗った
中央線、新宿〜松本行きの‘あずさ○○号’
だいたい今時、スキーを持って電車に乗っている人は何処にもいない、中央線や上越新幹線...
とにかくボクは、1歩、また前へ歩き出した
そこに何があるのだろう、誰が待っているのだろう
ただ、あの本を書いた角皆氏に逢ってみたかったのだ
元全日本チャンピオン、オリンピックナショナルチームコーチ、そして今はモーグルスクールの校長
そうすれば、きっと何かが見えてくる、そう信じていた、、、つづく
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