“ゆうじ”の家に行ってから、いったい何日経ったんだろう
ボクの部屋にもフォークギターが、、やってきた　＾_＾

おもちゃの次に親にねだるのは、多分スポーツ用品じゃぁないだろうか
例えば、グローブ、靴、自転車、スキーやスケート
そして洋服も欲しくなる、ジーンズやバイク　etc．．．
ボクが始めてジーンズを履きたいと思った時
町には、サイズの合うものは、未だ売ってなかった
身長は160cmを越えていたはずだ
都会にも売ってなかったのだろうか、大きくなるのを待つしかなかった

ギターと一緒に1冊の教本を買った、内容はよく憶えていないが
“ふるさと”って曲があった事だけ、何故か記憶に残っている
♪〜うさぎ追いし　あのやまぁ〜・・・って歌だ
もしかすると、最初に弾けるようになった曲かも知れない、、。

少し時が経ち、どんな曲が弾きたいか、段々わかってきた
よしだたくろうって男の“元気です”や“人間なんて”に入っている曲達だ

ビブラートしない唄い方が、ダイスキになった、
　叫んだり、ガナる唄い方が、ダイスキになった、、
　　メロディーが、ダイスキになった、、、
　　　ギターがダイスキになった、、、、
　　　　髪を、伸ばしたくなった、、、、、
　　　　　たくろうに、なりたくなった、、、、。

今聴いても、これらのアルバムの中のアコスティックギターの音はゾクゾクする
30年で、ボクらの生活環境、身の回りの電化製品
テクノロジーがこんなに進化したのに、ギターの音は変わっていない
さらに、古い物の方がいいとされている
所謂、オールドとか、ヴィンテージってやつだ！
あまり機械化されてなかた少量生産時代の、それらの物達

年に数回モデルチェンジするコンピュータ
4年に1度モデルチェンジする自動車
ボクらは常に新しい物を追いかけ、古い物を葬り去ってきた
古くなった物は、まるでゴミ、いやそれ以下に扱われる現代
世の中には変わりゆくものと、変わらぬ何かがあるのだろうか、、、

とにかくボクは、たくろうになりたかった、あの日。
どんな事でも知りたっかた、何でもマネをしたかった
けど、彼の情報は、恐ろしく少なかった
TVやマスコミの前には、殆ど顔を出さない
雑誌の中の僅かなモノクロームの写真と、レコードジャケットのみ
年齢も素性も何もわからない、動いてるところを見た事もない

少ない情報を手繰るように、彼の事が知りたかった
髪型、着ている服、ポーズ、話し方、唄い方、ギター、、、
全てをマネた、、。

いつしかボクらは数人集まって、ギターを弾きまくり、歌を唄いまくるようになった
そうするうちに、ほんの僅かづつ、わかってきた事がある
先ずは、ギターの他にベースってものを入れると音楽らしくなるって事を
しかし、メンバーは皆、全員たくろうになりたかった
チューニングもあまり合わないギターで、全員サイドギター＆リードヴォーカル
そんなレベルだった、それでも楽しかった　＾_＾　。

当時、フォーク、、シンガーソングライターって言葉があった
歌謡曲の歌手とは少し違う、、、自分で詩と曲を作って、自分で唄う
そんなスタイルが魅力的だったのだ
自分の身近な問題や出来事を、歌にしてしまう

ボクにもそんな事、できるんだろうか、、、いや、やってみたい！
ジーンズを履いて、髪を伸ばし、自分の歌を歌いたい

13歳だったボクは、ギターを買ってもらって間もなく、
そんな気持ちになっていた、、、つづく　＾_＾
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002．8．25　　　　　

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