ビデオカメラのウィンドジャマー自作

内蔵マイク用

ここでのウィンドジャマーは、マイクロホンの風切り音を減少するウインドスクリーンのこと。

野外で撮影していると、ちょっと風が吹いても、本体マイクの集音部に風が当たって、ボーボーという風切り音が入る。その対策としてマイク部に毛皮を着せてやる。

 

ネットで検索するとたくさんの自作談が出ている。それらを参考に自分でも作ってみた。

 

ちなみにジャマーであるが英語での綴りが分からない。英語でjammingは妨害するといった意味なので、そこから新たにjammerという言葉ができたのかなと。

   

毛皮といっても本物の毛皮はよろしくなく、合成化繊のアクリルファーが最適らしい。

また毛皮の裏面の網目は粗い方が良いとのこと。

そして定番であるが、この手の素材は百円ショップで調達する。

 

購入日は11月29日で、この頃には冬物とかクリスマスものが出てきているので探しやすい。

 

条件に合いそうなものとして、耳あてで何種類かあったが毛並みが揃っており、市販のウインドジャマーっぽいものをと探し回って、サンタのキャプの中の1種類に該当品があったので、購入。

合わせて両面テープも購入。

 

写真のビデオカメラに取り付ける大きさなら、ハサミでジョキジョキ切っても良かったが、とりあえず解体ということで、カッターナイフを使って丁寧にキャップの縫い目を解いて行った。縫い目は、釣りの道糸の細いもののような透明な糸で縫いつけてあった。かなり細いのだが、見掛け以上にしっかりした糸だった。

 

扇風機(USBファン)を用意し、カメラにヘッドホンを取り付け、ジャマーなしとありとで比べてみると、確かに効果あり。

 

そしてカメラ本体のマイク部周辺、両面テープを貼れる位置を確認し、毛皮をハサミでカット。

ハサミで切ったとき、毛がそれを編み込んでいる網布から、手編みのセーターを解くようにダラダラと解けてこないかと心配だったが、それは問題なかった。切り口の毛が幾らか抜けるが、それ以上には広がらない。

 

ジャマーを両面テープで取り付け、そして再度、扇風機でテスト。

 

取り付け前と同程度の効果は得られたが、風向きとか扇風機との距離をいろいろ変えてみると、効果は絶大ではないと分かった。

特に自分で近くから息を吹きかけると、風切り音がかなり入る。

 

ジャマーを手で触れると、ゴワゴワとした音が強烈に入る。恐らく毛をなでた振動が毛から本体カバーへと伝わっているのかと思う。

 

また、貼り付けたジャマーの上からもう一枚かぶせてみると、息を吹きかけた時の風切り音はかなり減る。

毛の振動が本体カバーに伝わらないようにすることが重要と分かった。

 

ただ、ジャマーを表・うら・表と3枚重ねにすれは効果は上がると分かっていても、重ねるだけ音の拾いも悪くなる。また結局は両面テープで貼り付けているのだから、とこかでジャマーとカメラのカバーは密着していて、そこから振動が伝わることになる。

 

ある程度の風までであれば、効果は十分あるが、それ以上に強い場合には毛の振動音をマイクが拾う。

 

TV局が野外撮影に使っているマイクは恐らく、毛皮を張った外筒からの振動がマイクに伝わらないように、マイクが中空にゴムバンドか何かで浮いているような構造になっているのかと思う。

 

手持ちのビデオカメラには風切り音カットのモードがあり、マニュアルでの撮影時には有効になる。

ただ、弱い風の場合にはやや効果ありといった程度で、また低音がカットされるようで楽器のベースとか相当の音程の音はあまり拾わなくなるようだ。

 

ウィンドジャマーの場合は周波数でのカットは顕著でなく、扇風機のモーター音などもよく拾っている。

 

ジャマー自体の音が本体カバーに伝わりにくいようにするには、ジャマーと本体との間に振動を吸収する緩衝物を入れてやればよいのだと思うが、どんなものがよいか、どんな構造にしたらいいのか、もっか思案中。

 

歌をマイクで拾うときによく使われるポップスクリーン、これはストッキングでも代用できるということで試してみたことがあるが、割と息の吹き付け音はカットしてくれる。ジャマーの上にストッキングのカバーを掛けるのも、一定の効果はあるかもしれない。

 

あるいはネットで検索すると、台所の換気扇につけるフィルター(シート)も効果があるようだ。

これに相当するものとして、昆虫ケースのコバエシャット用のフィルターが百円ショップでも売られているが、目が細かく、また水にも強いので、使えるかと思う。