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熱計算

 

重要 2012.08.02追加


ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。

 

 

 保冷ボックスの冷却能力が仕様の消費電力相当の45Whと思って今回の計画を進めてきたが、8/2になって冷却能力はその内の20%程度、つまり9Wh程度しかないことがわかった。これは500mlのペットボトルの氷での氷解熱による冷却での20数%でしかない。

 

 大幅に冷却能力が不足していたことが分かった。

 

 幸いにも本システムで改造した保冷ボックスには500mlペットボトルを4本入れることができるので、その氷を利用して冷房を続行することができている。

 

 500mlのペットボトル4本の氷を6時間持たせる状態だと冷却能力は27Whであり、保冷ボックの9Whと合わせて、36Whとなる。これで外気(廊下の温度)34℃までならアパートを28℃以下にできるので、 もし保冷ボックスの冷却能力が45Whであったのなら、本システムのクーラーで35〜6℃くらいまでは対応できたのではと思う。特別暑い数日にだけ氷を追加するということで済んだかもしれない。

 

 安全サイドを見込めば、60〜70Whくらいの冷却能力があれば足りたように思う。しかしそれをペルチェ素子での冷却で行うなら、消費電力が300〜350Whくらいのものになる。 その内、発熱量は240〜280Whにもなるので、かなりの放熱対策が必要になり、廊下あるいは室内での使用は難しい。

 

 結論を書けば、ペルチェ素子利用でのねずみアパートの冷房は、難しい。

 

 このような悪条件の下であるが、今後もよりよい断熱の方法を探ってみることにする。

(2012.08.07)

 

 

(2012.08.02追加)

ペルチェ素子の熱効率

WikiPediaによれば、ペルチェ素子を使った冷蔵庫のエネルギー効率は数パーセントにとどまる、とのこと。

 

CPUクーラーでの説明によれば、使用状態で30〜50%。(36〜48Wのもの)。

 

ネット検索によれば、ペルチェ素子のメーカーHPによれば、冷却で20%、発熱で80%を消費するらしいとのこと。100Wh消費する場合の、冷却能力は20Wh。

 

(2012.08.02追加)

保冷ボックスの冷却能力をcalに換算すると

 

熱量と電力との換算式は

860kcal=1kWh

であるので、直流時での使用電力45Whは

45Wh=38.7kcal

となる。

 

しかし、これは効率を入れていないので、効率が20%であれば、冷却能力は

45×0.2=9Wh

38.7×0.2=7.7Kcal

しかないことになる。

 

これは衝撃の事実。保冷ボックス利用のアパートクーラーは、絶対的に冷却能力が不足していることになる。

 

45Whの冷却能力で、毎秒どれくらいの空気を冷やせるか

 

空気の比熱は0.24[kcal/kg ℃]で、比重は1.2[kg/m3]。

保冷ボックスの能力は45Wh。

0.86kcal/h=1W。

温度差5度の場合、

 

0.24×1.2×V×5×0.86=45Wh

V=36.3m3/h=0.61m3/min≒10L/sec

 

熱効率が100%なら、毎秒10リットルの空気を5度冷やすことができる計算。

 

(2012.08.02追加)

効率が20%の場合、9Whしか冷却能力がないので、

V=2L/sec

となる。

 

(2012.08.14 追加)

今回の場合、氷なしの状態で、循環戻りと送りの温度差が約5度である。

0.24×1.2×V×5×0.86=9

V=7.3m3/h=2L/min

毎秒約2リットルの空気の循環となる。

 

USB角型ファンの手前、保冷ボックス内仕切り、あるいはダクト部などで順路を絞り、風量をかなり落として運転している。

 

発泡スチロール板の伝熱量

今回のケースでは、断熱材を通して外部に放熱される冷気

 

厚さ2cmの発泡スチロール板で囲んだ箱の表面積が3uとすると、

発泡スチロールの熱伝導率は0.04Wh/m2・Kなので、内外の温度差を5度とすると、

 

(0.04÷0.02)×3×5=30Wh

 

1時間あたり30Whになる。

 

2cmの断熱板を2重にすると、半分の15Whになる。

 

(2012.08.02追加)

効率が20%の場合、冷却能力は9Whとなり、厚さ2cmの発泡スチロール板で囲んだだけでは、外部からの熱の流入の方が多くなることになる。

 

逆計算で、熱の出入りがゼロとなるときの温度差を求めると、

(0.04÷0.02)×3×T=9

T=9÷3÷2=1.5度

となる。

 

今回の冷房システムは構造が複雑なので、場所場所で異なると思うが、全体としては外気より1.5度マイナスにしかできないということになる。

 

500mlペットボトルの氷の氷解熱での冷却能力

 

1gの氷が水になる時の氷解熱は80cal/g。

 

水が氷になるとき、約11%体積が膨張する。従って、500mlのペットボトルには85%くらいに水を少なくしておくのが爆発の危険がなく安全。

 

500×0.85×80=34Kcal=39.5Wh≒40Wh

 

(2012.08.03 追加)

ペットボトルの氷4本を保冷庫に入れ、送風を逆循環して氷の持ちをよくしたばあい、およそ6時間持つ。時間当たり

40×4÷6=27Wh

の冷却能力を持つ。これは保冷ボックスの3倍。

 

ジャンガリアンが発する熱量

 

人の冷房設備で人体が発生する熱量は132Wh/人くらいらしい。

ごく大雑把にジャンガリアンの体重が人の千分の1であるとすると、0.132Wh。

 

体温が人より高く39℃なので、多めにその倍で見積もると0.263Wh。

6匹で1時間に1.58Wh。

 

アルミ板のクールプレートとしての熱伝導

 

アルミの熱伝導率は237W/m・K。

 

厚さ1mm、幅10cmのアルミ板を地下型巣箱に敷き、同じ厚さ・幅で巣箱外に延長して放熱する場合に、伝熱長さを10cmとする。

 

ジャンガリアンの体温は39℃で、アパートは28℃に保たれているとすると温度差は11度。

 

(237÷0.1)×(0.1×0.001)×11=2.607Wh

 

ジャンガリアンの発熱量を0.263Whくらいだとすると、体を冷やす能力はあることになる。

 

 

ホームセンターでは加工しやすい、0.1mmのアルミ板が置いてある。これだと、ほぼジャンガリアンの発熱量に見合うが、余裕を見て、2重か3重に重ねたものにすれば、冷やせる。

 

USBファンの送風量

12cmの角型USBファンを使っているが、類似品から風量は30CFMくらいと推定。

1CFM=0.09m3/min

30CFM×0.09=2.7m3/min=45リットル/sec