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(治療)頬袋の掃除


ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。

 

2012.06.26

 

数日前から父親の様子がおかしくなっていた。体がやせてきて、体毛につやがなくなっていた。

給水ボトルの水に、小動物用の栄養ドリンクを2滴ほど入れ、様子を見てきたが、具合は悪くなるばかりだった。

 

よたよたしながらも、大好物のミルワームを与えると、すぐに食いついてくるが、すぐに落として見失ってしまう。目は半開きの状態で、見えていないのかもしれないかも。元から視力は悪いはずであるが、それにしても、落としたミルワームを見失うことは、これまではなかった。

 

何度かミルワームを与えて観察してみると、食いついても食いついても、ミルワームは元のピンピンした状態のままで、かじった気配が全く無い。

食べたくても、食べられない状態なのかもしれないと、頬袋を触ってみると、ものがびっしり詰まり、パンパンに膨らんでいる。

 

頬袋にものがたくさん入っているということ自体は、地下型巣箱に食料を貯蔵する習性があり、たまに見かける状態であるが、しかし地下型巣箱を覗くと、全く貯蔵されていない。

数日前の地下型巣箱の掃除の時、貯蔵していたヒマワリの種の何割かにカビが出ていたので、巣箱の中の物を全て取り出し、新しい砂と、ティッシュを割いたものを入れておいたが、その後、食料を貯蔵した気配がない。

 

これまでであれば、貯蔵したものを全て破棄しても、またすぐに新しく貯蔵を始めるのだが、今回はそれがなく、頬袋に溜まりっ放しとなっている。

 

以前、母親の頬袋に溜まった物を吐き出させるのに、頬袋の外側からコネコネと触わり回し、そのあとケージに戻すと、自分から溜まった物を吐き出した、ということがあった。

 

同じことをやってみて、1時間ほど静かに置いておいたが、吐き出した気配はなく、それで、耳かきを使って掻き出してみた。

 

仰向けにして握ると、起き上がろうと必死に抵抗するので、体を垂直に近い状態に立てて握り、そして、耳かきを口のところに。

手足が変な姿勢のまま強く握ると、関節が外れたり、骨が折れたりする危険性があるので、ほどほどの強さで。

 

軽く唇に当てていると口を開くので、そこでさっと、頬袋の方に耳かきを少し突っ込み、耳垢を掻き出す要領で、中に溜まったものをほじくり出す。

無理して、ほじって出す必要はなく、耳かきという異物を感じてか、幾らか自分で吐き出すので、それを掻き出す。

その時、頬袋から出てきたものが喉に詰らないように、体を仰向けにし、頭を体より低くしてやると、ポロポロと溜まっていたものが出てくる。

 

図1 唇に軽く耳かきを押し付けると、口を開く

 

図2 口を開いたら、耳かきを唇の端に寄せ、口の内側から頬をやや膨らます要領で

奥に少し入れると、頬袋の入口が見つかる。

頬袋に大量に物が溜まっていたら、入り口にそれらが見える。

吐いたものが喉につまらないように、体より頭をやや低くし、

耳かきで軽くしごくと、ポロポロと自分で吐き出す。

 

ヒマワリの種の殻を取った中身とか、松の実などが出てきたが、野菜の漬物のようなものも出てきた。野菜はキャベツしか与えていないが、それが頬袋の中に 固まって溜まりっぱなしになっていたようだ。

 

体が少し弱りかけているということもあり、数分でぐったりしてきたので、まだ半分くらい残っていたが、休ませて様子をみることにした。

 

数時間後、地上部・地下型巣箱の中を覗いてみるが、残りを吐き出した様子はない。

少し元気が戻っていたので、また耳かきでの掻き出しをやってみた。

 

ヒマワリの実とか松の実のほか、前回同様、野菜の漬物のようなものが出てきたが、どうも野菜のくずが頬袋の奥に溜まり、出なくなっているようであった。

 

少しコツもつかめてきたということで、もう少し奥まで耳かきを突っ込み、ほじくり出してみると、大きな野菜くずのかたまりが出てきた。発酵しているのか、けっこう臭いもある。

 

まだ頬袋の一番奥には、かたまりらしいものが残っていたが、体がくったりしてきたので、巣箱に戻し、休ませることにした。

 

一度は地下型巣箱の中に入れたのだが、自分から出てきて、エサ皿の中に入り、そこに目を閉じてちじこまって動かない。相当に体が弱っているように見えた。

別の小さな皿を用意し、そこに水を数滴入れ、父親を起こして、口を水につけると、しばらくペロペロと舐め、またエサ皿の中でウトウトしはじめた。

地下型巣箱に入れ、割いたティッシュで暖かく体を包んで、休ませることにした。

 

さらに数時間後、地下型巣箱を開けて点検すると、割いたティッシュの一ヶ所に、直径2mmくらいの、赤い点。口の中が切れての出血か。ただトイレの砂にも赤く着色したものは入っており、それが濡れたティッシュに触れると赤く染まることがあるかもしれない。

 

巣箱の中をくまなく点検すると、父親がいる部屋の隅に、ヒマワリの種などが幾つか、転がっていた。数時間前の点検では無かったもの。

頬袋を触ってみると、どこにも物が残っている形跡はない。どうやら、残りは全部吐き出したようだ。

 

動きは普段ほどではないが、ミルワームをねだる様子を見せたので、いったん、地上部を元に戻し、それから地上部でのエサ交換を行ってみると、普段のように、巣穴から顔を覗かせ、ミルワームをねだったので、与えてみた。

 

ここ数日、口でくわえても食べることができなかったのが、今回は普段どおり、手に抱えて食べ始めた。

完全に食べ切ったかどうか、新しく交換したエサを食べたかどうか、確認のため、少し時間を置いて様子を見ることにした。

 

約1時間後、様子を見ると、ミルワームは少しかじっただけで大部分が残っていた。ただ、幾らかミルワームの体液は舐めたようで、ややカラカラ気味になっていた。多少なりと、食べ物が胃に入ったことで、希望がでてきた。

 

ペレットを2つ、水で少しふやかしたのを別の小皿に入れておく。

 

翌朝、ふやかしたペレットの1つがなくなっており、もうひとつも少しかじったあとがあった。

 

地上部の前面カバーを開けると、父親が顔を出した。ミルワームを与えるといつものように地下型巣箱の中に戻って、ミルワームを食べている様子で、地上部を外して観察してみると、ミルワームを1匹完食。

目の具合も、ほとんどいつもと同じくらいに大きく開いていた。

 

夕方、目はもう普段と変わらない状態にまで回復していた。

ミルワームを与えると、いつものように完食。

少しやせてしまっているが、動きはずいぶんよくなってきた。