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母親の赤ん坊食い


ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。

 

出産時に人に覗かれると強いストレスを感じ、産んだ赤ん坊を食べてしまう、といった話をネットでよく目にします。

本当に赤ん坊を食べたという実例があるのかもしれませんが、赤ん坊食いと勘違いしそうな出来事は、普通の出産でもあります。

 

ジャンガリアンの赤ん坊はおよそタバコくらいの太さ、長さ25mmくらいですが、生まれるときは1匹ずつ、半透明の膜に包まれて母親の胎内から出てきます。ブタや猫の出産も、同じように1匹ずつ、膜に包まれて、最初は少しずつ、そして3分の1から2分の1くらい母親の体外に出てくると、あとはヌルッと一気に出てきます。

 

母親は口でその膜を、赤ん坊の顔の近くから切り開き、呼吸ができるようにし、それから膜を食べ、また子どもを舐めてきれいにしてやります。

ブタの出産の場合は人間が立ち会うことが多いので、人間が膜を破り赤ん坊を出してやります。

 

そのあと、胎盤が出てきます。赤ん坊が母親の胎内に居る時に、母親から栄養・酸素などもらっていた、生命維持装置のようなもの。これは柔らかい肉の塊のようなもので、ジャンガリアンの場合、長さが赤ん坊の半分くらいで太さ・色などは赤ん坊と同じです。ちょっと見た目には、頭のない赤ん坊に見えます。

 

母親は胎盤が出てくるとすぐに食べて始末します。

1匹目を産み、2匹目(実は胎盤)の時は産んですぐに食べてしまったと、見間違える可能性は十分あるように思います。

 

胎盤を食べるのは出産での消耗を栄養補充するためという説もあるようですが、そのままにしておくとハエなどが集まってきたりして、育児室の衛生環境が悪くなるというのが大きな要因ではないかと私は思います。

 

あるいは、死産で生まれてきた赤ん坊とか、自分で息をすることができずに亡くなってしまった赤ん坊を食べてしまう、ということは、同様にありそうに思えます。

 

もしかしたら、母親の赤ん坊食い伝説は、赤ん坊にそっくりな胎盤を食べるという生態を知った人が、他の人にも観察して事実を知ってほしいという意味を含めて、茶目っ気で書いたのが始まりあたりかも。それに尾ひれがついて、出産時に人が覗くと、母親がストレスを感じて赤ん坊を食べてしまうという話に。

 

私が経験したジャンガリアンの出産では、1回目は6匹で、このときは出産時の血のあとが少しあるだけでしたが、2回目の出産は8匹で、出産時の血のあとと、胎盤の欠片らしき肉片が数個、残っていました。

6匹分の胎盤はなんとか食べたが、8匹分ともなると食べ切れなくて、残したのではと思います。