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ペットボトル 地下型巣箱のクーラー


ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。

 

2011.07.15 書き込み

「ハムスターの地下型巣箱」

http://ham-ham-ham.com/

を自作したが、窓を開けて風通しをよくしていても室温が30℃を越え、32℃の日もあったので、巣箱を冷やすクーラーを自作した。

先のページで紹介しているクーラーがほしかったのだが、これまでにけっこうお金を使ってしまったので、自作してみることにした。

 

500mlのペットボトルの水(麦茶)を凍らせて、それをクーラーに使う。

ネットでも沢山の人がペットボトルを利用してクーラーにしているが、そうした記事をみていって気になったのが、ジャンガリアンの適温に保てるかどうかということ。

それはともかく作って試してみるしかないということで、作ってみた。

 

3日分のデータなので記録回数が少ないのだが、結果、室温からおよそ7〜8℃低く、クーラー室を保てることが分かった。

 

(表1) 温度

室温℃

クーラー室℃
32 23
30 22
27 20

 

保冷時間は、8時間くらい。

湿度対策も含めて、ペットボトルはよく乾いたタオルでくるんで使用。 氷が解けて取り出すときも、タオルの内側はしっとりと濡れているが外側は乾いたまま。

巣箱の透明板の露結は温度差が大きくないためか起きていない。

 

ところが、赤ん坊が6匹生まれてからは、赤ん坊たちの体温で地下型巣箱の温度が上がり気味なのか、

 

(表2) 温度

室温℃

クーラー室℃
28 23〜25
27 22〜24

※ 生まれた日の測定分のみ。ペットボトルの氷の持ちが短くなった。およそ6時間くらい。

 

【地下型巣箱用のペットボトル・クーラー】

 

地下型巣箱の底や周囲(下部)を外部から冷やすので、結露した水分が巣箱に流れることはない。

ペットボトルの氷を長持ちさせるために、凍ったペットボトルを置く部屋を2重構造にしている。

 

【 構造 】

 

上から順に、

 

地下型巣箱(茶色)

アルミ板(2mm) ・・・ 冷気を巣箱の下部全体に伝わりやすくする。また、湿気がなるべく巣箱に寄らないために。

               実際の大きさは巣箱と同じくらい。

               位置を変えられるので、巣箱の片面だけ、あるいは片隅だけ当てることができる。

中箱/発砲スチロール 中 ・・・ 箱の底をひっくり返す。これまではタオルでくるんだペットボトルを1本入れて

                     いるが、最大3本入れることが可能なサイズ。

                     ひっくり返した天井部分に2ヶ所、四角い穴を開けてある。

                     この穴の大きさで冷気の量を調節。

外箱/発砲スチロール 大 ・・・ 蓋付きのもの。蓋を巣箱の大きさで切り抜いてある。

 

  

 

外箱と中箱の一方には、タオルでくるんだ500mlのペットボトルを出し入れできるように穴を開けているが、斜めにカットすることで、それぞれ外側からはめ込むことができるようにしてある。(はめ込みの断面が台形)。

 

中箱のペットボトル出し入れ口の切り抜いた板の、取り付け・取り外しでも冷気の量が調節できる。中箱の入り口を外すと、巣箱の周囲側面(下から35mmほど)を冷却 できる。

 

表1、表2の温度は、中箱の出し入れ口の板は外し、外箱だけの口だけ取り付けた状態でのもの。

 

写真1 外箱と中箱

中箱の4隅はストッパを取り付けている

 

写真2 中箱の上にアルミ板

外箱の蓋には巣箱の大きさで四角い穴。一度セットしたらクーラーを

やめるまでは巣箱を外すことはほとんどないので、ピッタリの大きさで

開けると、冷気の逃げが少なくなる。

銀についで銅が熱伝導率が良いが、共に高価。銅には劣るがアルミも

そこそこの熱伝導率があり、板厚を上げると板全体への伝熱が多くなる。

 

 

写真3 クーラー室の上に地下型巣箱をセット

巣箱の上には今回はやや厚手の黒い紙を敷いた。

巣箱を持ち上げられるように、蓋の上から25mm出している。

また、この部分を細長い布で巻いて、冷気の逃げを少なくする。

巣箱より大きい厚手の黒っぽい布を敷くのが良かったかも。

 

 

写真4 飼育セットも装着しての全体像

エサ皿、野菜皿(給水器の水滴受けも併用)はまだ置いてない

飼育セット中の左下は地上用1匹用の木のハウス。直径35mmほどの

厚紙で作ったパイプを付けているが、使ってくれないので、

現在は取り外した。

 

 

【 覚書 】

 

ペットボトルの水を凍らせる時は、凍ると体積が増すので、水を8分目くらいにしてキャップを外し、立てて凍らせる。

内部まで完全に凍ったものが持ちが良い。

よく乾いたタオルでぐるぐる巻きに包むと、ペットボトル表面の結露はタオルの内巻き部分で吸収でき、外側は乾いたままになる。

 

中箱の出し入れ口を塞ぐのと開放するのとでは、中箱の内外での温度差が大きくなる。

 

統計ではなく1回だけの測定値。ペットボトルは1本。

中箱の

出し入れ口

室温 中箱の外側 中箱の内側
開放 30℃ 23℃ 21℃
25℃      
塞ぐ 30℃ 28℃ 18℃ 持ちが良い
25℃      

 

巣箱の温度がどのくらいになっているのかは、まだ測っていないが、中箱内側18℃というのは、野生の巣穴の温度が17℃ということを考えると、低すぎる温度ではない。

 

その後の測定では、巣箱の温度は23℃付近を示すことが多い。大雑把な計算では

(室温+中箱外側+2×中箱内側)÷4

 

※ ペットボトルに巻くタオルはよく乾いたものを使わないと、タオルの水分を冷やすのに氷が使われ、氷の持ちが悪くなり、冷え方も悪くなる。 ペットボトルの氷が完全に解けるまでの結露で出た水分は、乾いたタオル1本で吸収できるので、周りに水がたまることはない。

 

※ ペットボトルは麦茶を凍らしている。途中、水道水だけを使ってみたところ氷の持ちが悪く、また麦茶に戻した。

 

【 ひと夏の使用感 】

 

最も暑い日だと、巣箱を置いてある廊下の温度が、日中、38℃にも上ることがあった。

早朝で27〜28℃、日中の暑い時間帯は34〜36℃という日が10日ぐらい続くこともあった。

こうした日にはペットボトルを2本入れると、氷が8〜10時間ほどもった。

 

秋になり、クーラーを取り外したところ、地下型巣箱の裏底の一部にしみが出ていた。氷での結露の影響かと調べてみると、しみが出ていたのは巣箱のトイレのところから。 トイレの床のオシッコの濡れは乾いた砂を入れ、それを掻き出すことで対処していたが、時々は巣箱の木材を日光で乾燥させる必要があったようだ。

 

2回目の出産で生まれた子ども達は、ペットボトルクーラーで冷やされた地下型巣箱で育ったが、問題は全くなかった。

 

冷やすのは地下型巣箱だけでよく、地上部は開放状態で大丈夫であった。

 

中箱には2ヶ所穴をあけているが、子どもがいない1匹だけの飼育であれば、地下型巣箱の奥の部屋だけ冷やせばよいので、その下だけ穴をあけておけばよい。その方が氷が長持ちする。