The Notorious B.I.G.

97年にザ・ノトーリアスB.I.G.(以下ビギー)は『ソウル・トレイン・アワード』へ出席のため出向いたロサンゼルスで銃撃されてしまう(2パックとの抗争が原因ではないかと噂されている)。それは、まるで『レディ・トゥ・ダイ』『ライフ・アフター・デス』とアルバム・タイトルに示された、"死"というキーワードが予告していたかのように……享年24歳。また何かと話題にのぼっていたのが2パックとの類似点―――波乱に富んだ生き様、悲劇的な死(彼も96年、凶弾に倒れた……享年25歳)、そして遺作が2枚組アルバムであったこと……。
ビギーの人を威圧する巨体やギョロリとしたヤバイ目つきは、とても堅気でない雰囲気を漂わす。粘りつくようなラップや巧みなライミングに込められたリリックは、ストリート・ヴァイオレンスやセックスといったハードなテーマをリアルに描写。一方サウンドは、パフ・ダディを始めとしたさまざまなプロデューサーを起用し、明快なソウル/ファンクのサンプルを使用した親しみやすいもので、コア/マスのファンを獲得するのに成功した。
R.ケリー、スーパー・キャット、果てはマイケル・ジャクソンに至るビッグ・アーティストからの客演依頼を呼び込んだビギー。また、"元妻"フェイス・エヴァンス、"愛人"リル・キム、"弟分グループ"ジュニア・マフィアといった面子をフック・アップした、ボス的な存在としても多大なるリスペクトを受けた。

Discgraphy

TITLE

YEAR

Born Again

1999

Life After Death

1997

Ready To Die

1994