「明治〜昭和初期における国産金管楽器についての考察」

平成20年度、洗足論叢 第37号 深石宗太郎 著

Investigation into the history of Japanese brass instrument from the Meiji and early Showa periods Sotaro Fukaishi

主な内容

戦前に設立され、現在では消滅してしまった複数の国産楽器製造メーカーが製作した楽器、特に中低音域を担当するピストン式の金管楽器については、第2次大戦の敗戦による消失等により、その資料となる楽器が殆ど存在していない状況である。
 筆者は昨年度の洗足論叢「日本におけるユーフォニアムの歴史」を執筆し、この部分に触れたが、今回、今まで確認出来ていなかった国産のメーカー「田辺」「小椋」「日管」製と思われる数台の楽器を新たに確認する事が出来た。
 この事は小さな発見ではあるが、特に資料が少ないこの分野においては大変意義のある事である。
 これらの楽器と各資料との比較を行い、今回の論叢は明治〜昭和初期における金管楽器、特に中低音域を担当するピストン式の国産の楽器について考察を行う事にした。