クラシック音楽館

シューマン

(Robert Schumann,1810〜1856)

データブック

系統 ドイツ系前期ロマン派
作風 情熱的な,思慮深い曲が多い。時には気難しい曲も。
作曲ジャンル 交響曲(4曲),協奏曲(2曲),序曲,ソナタ,ピアノ曲,声楽曲などで,劇場作品は作曲していない

作風

 シューマンは,まさにロマン派を思わせる作曲家である。シューマンはメンデルスゾーンと仲がよく,作曲に当たる態度も似ている。
 しかし,メンデルスゾーンがハイドン的な作曲をしたのに対して,シューマンはベートーヴェンを強く意識した作曲をしているといえよう。メンデルスゾーンが古典的な楽式を重視していたのに対して,シューマンは時には古典的な楽式を壊すような作曲を行っている。また,ベートーヴェンの後期の曲と同様に,自分の世界にのめり込んでなりふり構わぬ進行をすることもある。
 しかし,シューマンはあまりに敏感で繊細な精神の持ち主であったせいか,最終的には精神病院で一生を終えることになった。それゆえ,曲にはときどき近寄りがたい気難しさを感じさせる面もある。


シューマンの掲示板


シューマンの交響曲

 シューマンは4曲の交響曲を残している。しかし,初演の順序は番号通りではなく,第1番「春」,第4番,第2番,第3番「ライン」という順番である。第4番については,晩年に書き直しが行われているのでこの番号がついている(なお,第4番の出版はシューマンの没後である)。
 4曲の交響曲は,曲の構造も内容も大きく異なっている。これは,それぞれの曲を作曲した年代が離れていることが原因と思われる。しかし,どの曲もどこかピアノ風の造りをしており,他の作曲家の交響曲と比べると,よく言えば独特で,悪く言えば洗練されていない響きがする(特に,交響曲第1番はそんな印象を受ける)。