中国人民解放軍(ちゅうごくじんみんかいほうぐん Zh?ngguo renmin ji?fangj?n)は、
中国共産党中央軍事委員会(主席:胡錦濤)の指揮下にある中国共産党の軍事部門、
即ち党軍であり、国家の軍隊(国軍)ではないものの、対外関係においては中華人民共和国の事実上の国軍として扱われる。
1927年8月1日設立。1946年6月までは赤軍と呼ばれた。
名称は中国を侵略者や封建勢力から解放するという共産党結党時から抗日戦争当時の理念に基づいている。
月25日、米国防総省は中国の軍事力の2006年における変化に対する評価を報告した)
要約
・中国軍は、短期間のハイテク戦争に勝ち、資源や領土をめぐる地域紛争に対処できる軍事力を持ちつつある。
中国は軍事力強化の速度と規模を拡大しており、これまで米国が保持してきた軍事的優位を逆転できる可能性が最も大きい国になった。
・対衛星攻撃兵器の実験成功とDF-31 ICBMの移動型化、高性能化にみられるような戦略的な軍事力の向上は
アジア太平洋地域をはるかに越える意図を示している。
・中国はグローバルな意図に基づいて政治的、経済的、軍事的に急速に台頭している。
米国は平和的に繁栄する中国の台頭を歓迎する。
しかし、軍事力の強化と行使を含んで中国の将来は不確実性、不透明性に覆われている。
当然のこととして国際社会に警戒心を生じさせ対抗策を講じさせている。
中国の指導者は軍事力強化の狙いと最終目標を適正に説明する必要がある。
基本戦略
中国は国家の基本戦略を明らかにしていない。指導者の間で意見の相違があり、これを隠すのがその理由の一つである。
安全保障
・2006年7月の北朝鮮による日本海へのミサイル発射と8月の核実験に対応して安保理決議に賛成投票し、
朝鮮半島非核化6カ国協議に貢献した。
10月日本近海で中国海軍のディーゼル潜水艦が米空母キティホークに接近浮上した以後、米中の軍事力の間の安全を確保するために
2度の米中軍の捜索救難協同訓練を実施した。
上海協力機構参加国と年間2度の対テロ演習を実施した。これらは中国の姿勢の改善である。
・日本と中国の関係については、11月の安倍首相の訪中により日中間の緊張は幾分か緩和されたが、
尖閣諸島、日本の安保常任理事国入り等は日中間の摩擦として残っている。
・胡錦濤とプーチンは、12ヶ月の間に5回も会談し、2006年を「ロシアの年」と宣言した。
2005年の合同軍事演習に加えて、2007年には軍事交流を拡大して8回の協同軍事活動を行うことに合意した。
・アジア‐太平洋経済協力機構(APEC)、南西アジア諸国(ASEAN)、およびASEAN地域フォーラム(ARF)における役割を増大しており、
米国はこれを歓迎する。
しかし、2006年10月のASEANサミットで中国首相が中国とASEANの軍事協力を提案したこと、
2006年11月、胡主席がトップとして10年ぶりにインドを訪問し、
パキスタンとの関係を維持する一方でインドとの関係改善の意欲を示したことは注意を要する。
エネルギーと資源
2006年11月の北京サミットには53のアフリカ諸国中48カ国、40人の国家首脳が参加した。
中国はアフリカ諸国との新規契約を大幅に増加した。
中国のアフリカ諸国への大胆な急接近は警戒を要する。
軍事戦略
・2006年版で重視した中国軍将官による対米先制核攻撃論の項目を削除した。
しかし中国国防白書2006は従来と同様に軍事力強化の目的と最終目標を記述せず、1993年制定の軍事戦略と部隊強化の指針を2006年に改定したが、その内容を知ることができない。軍事の不透明に対して不信を覚える。
・中国の宇宙の軍事利用の拡大と衛星攻撃兵器の開発には特別の警戒が必要である。中国の宇宙活動報告2006は、宇宙の軍事利用と宇宙対策に触れていない一方で、2007年1月、地上発射の衛星攻撃ミサイルの試験を成功させ、各国の宇宙資産を危機に曝し、破片をばら撒いて人類の宇宙飛行を危険にした。
国内情勢
中国の国内の暴動は2006年には22%減少したものの、財産権、労働権、強制移住、住宅、環境汚染、役人の堕落と残忍性等に関して民衆の不満は根強い。
軍事戦略とドクトリン
・米軍の「不朽の自由作戦」、「イラク自由作戦」、ソビエットとロシアの軍事理論、及び人民解放軍自身の戦史から教訓を得て軍全般の改革を進めている。中国の国境から遠い距離で精密な作戦を可能にする戦力倍増要素として情報技術を特に重視し、「情報化の環境下での地域戦に勝利」するための軍事改革を推進している。その速度と規模の拡大は注目に値する。
・情報化環境下での作戦能力の向上を焦点にして、陸・海・空軍を一体化した統合作戦、統合兵站、及び長距離機動に重点をおいてドクトリンの改革を進めている。
・2006年6月、実戦的訓練、作戦シミュレーションと対抗部隊の採用を拡大する新しい訓練指針を発表した。
・2006年12月、第2砲兵軍団、海軍、空軍、および陸軍の各指揮大学校校長は軍事専門分野の統合教育の協同実施に合意した。
・2006年12月、国防動員委員会は国民全体の国防教育を標準化するために「全人民のための国防教育の概要」を発行した。教育の目標は「愛国心を高揚し、・・・市民の国防義務意識を向上すること」としている。
・しかし中国の上級シビリアン指導者は直接の軍事経験を持たない。加えて中国軍の指揮官も現代戦を体験していない。
軍隊指揮官のアドバイスも、「科学的な」作戦シミュレーションも、いずれも現代戦の実態に適合しないと推測され、
国家の危機における意思決定を誤る可能性が大きく、
このような誤算は致命的なものになるであろう。
軍事力の強化
・短期的には台湾海峡において攻勢能力を保持するために最新鋭の戦力システムのほとんどを台湾の対岸に配置している。
長期的には地域とグローバルな国家目標を達成する戦力を強化するために幅広く軍事力の改革を推進している。
2010年までの第1段階で基礎を構築し、2020年までの第2段階で大幅に近代化し、
21世紀半ばまでの第3段階で情報化戦争を勝ち抜く戦力を持つとしている(中国国防2006)。
・情報化のもとでの統合作戦能力を向上するために、2004年以降、統合作戦構想を研究し、
戦法、自動化指揮システム、及び新兵器を展示するための多くの演習を実施した。
各軍レベルにC4ISR(指揮統制、コンピュータ、情報、監視及び偵察)、
新しい統合指揮系統と統合兵站のための統合ネットワークを整備しようとしている。
しかし中国が中級レベルの相手に打ち勝つ情報化戦力を構築するには今後約10年を要すると中国自身が見積もっている。
これまでのところ情報化は統合作戦面においても各軍の内部においても成功していない。
・したがって当面中国は相手国の脆弱性に着目して中国を有利にする手段として非対称戦戦略を重視しており、
2007年1月の衛星攻撃試験も非対称戦戦略の一環である。
・一方で中国の軍事近代化が進捗するにつれて、二つの誤算の可能性がある。
第1に外国が中国軍の進歩を過小評価する可能性、第2に中国の指導者が新しい戦力システムが
完全な戦力を発揮すると誤算して自国軍の戦力を過大評価する可能性がある。
これらの二つの誤算が危機を招く可能性がある。
弾道ミサイル及び巡航ミサイル:
攻撃ミサイルの開発試験、ミサイル部隊の新編、既存のミサイルの性能向上、対弾道ミサイル防御手段の開発を行っている。
・2006年10月までに、約900基の移動式CSS-6とCSS-7短距離弾道ミサイル(SRBM)を台湾対岸の部隊に配置し、
年ごとに100基の割合で増加している。
これらの新型は射程と精度を向上している。
・長距離弾道ミサイルの残存性を向上するために近代化しつつある。
道路移動式の固体推進薬ICBM DF-31は2006年に開発を完了し近い将来に実戦配備を達成するであろう。
米国は中国のICBMに対する対抗策を強化する必要がある。
2007年には長距離化したDF-31Aが、2007-2010年には新型JIN級(094型)弾道ミサイル原子力潜水艦用として
開発中の新型潜水艦発射弾道ミサイルJL-2が、それぞれ開発を完了する。
・対テロ用及び対地上戦用を含み、介入拒否のための弾道・巡航ミサイル、指揮統制、ターゲッティング及び偵察・通信システムを開発している。
海軍:
72隻の戦闘艦、約58隻の攻撃潜水艦、約50隻の中型・大型水陸両用揚陸艦、及び約41隻の沿岸ミサイル巡視艇を保有している。
・2006年末、2隻目のロシア製ソブレメンヌイU誘導ミサイル駆逐艦を受領。
これらの駆逐艦は対艦巡航ミサイル(ASCM)と広域防空システムを装備し、既に保有している旧型のソブレメンヌイ級に比べて戦力が向上している。
・JIN級(094型)弾道ミサイル原子力潜水艦とSHANG級(093型)原子力攻撃潜水艦を基に第2世代の原子力潜水艦を建造し試験中。
2005年に試験航海を開始した。
・2002年に8隻を契約したうちの2隻のKILO級潜水艦をロシアから購入。
この新型艦は超音速SS-N-27B ASCMと有線誘導と音響ホーミングの魚雷を装備。
・最新艦、LUZHOU級(051C型)(旅洲型)駆逐艦は対空戦用に設計。
フェーズドアレイレーダーを備えたロシア製SA-N-20 SAMシステムを装備すると思われる。
海軍の艦艇の対空戦能力が向上しつつあり、SA-N-20は有効射程を2倍以上に改善する。
・LUZHOU級(旅洲型)駆逐艦は、現在開発中のLUYANG I ( 052B型)(旅洋I型)及び LUYANG II( 052C型)(旅洋II型)駆逐艦.を補完する地位にある。LUYANG I(旅洋I型)はロシア製SA-N-7B GRIZZLY SAMとYJ-83 ASCM.を装備。
LUYANG II(旅洋II型)は国産HHQ-9 SAMを基礎とする防空システムを装備。
・2006年、誘導ミサイルフリゲートJIANGKAI II(江凱級II)(054A型)を生産開始。
JIANGKAI II(江凱級II)は開発中の海上垂直発射中距離SAM HHQ-16を装備する予定。
・2006年、Zhuhai航空ショーで空母建設に関心を示した。
空軍:
700機以上の作戦機を燃料再補給なしで台湾に到着できる距離内に配置し、さらに増強可能な飛行場を持つ。
多くは旧式の改造型(例えばB-6爆撃機の長距離化型)であるが新型が増えつつある。
・今世紀の中国の主力機になる第4世代多用途戦闘機F-10を配備中である。
・Su-27SK(F-11)に続いて多用途Su-27 SMK/FRANKER(F-11A)をライセンス生産中。
多用途Su-30 MKK/FRANKER戦闘爆撃機とその海上型Su-30 MKK2の配備を増加しつつある。
・作戦機は精巧な空対空、空対地兵器、衛星応用とレーザー誘導精密弾頭、巡航ミサイルを装備しつつある。
・始めての国産攻撃ヘリコプター Z-10を実用試験中。
Z-10はレッドアロー8E対戦車誘導ミサイルを搭載しユーロコプタータイガーと同等の戦闘性能を有する。
しかしAH-64アパッチよりは劣る。
・旧式機FB-7戦闘機を改良して夜間洋上攻撃性能を付与するほか、
Kh-31P(AS-17)対レーダーミサイル、KAB-500レーザー誘導弾頭のような新しい兵器を装備する。
防空:2、3年のうちに、ロシア製S-300PMU-2 SAMシステム大隊を受領する予定。
S-300PMU-2は公表射程距離が200kmであり、戦術弾道ミサイルに対する迎撃力を向上し、電子戦能力を向上している。
国産HQ-9防空ミサイルシステムとして、有効距離150kmのフェーズドアレイレーダー方式SAMを開発中。
既述のように、洋上型(HHQ-9)はLUYANG II DDGに装備、垂直発射洋上SAM (HHQ-16)はJIANGKAI II FFGに装備。
陸軍:
兵力は約140万、うち40万を台湾に面した3軍管区に配置。これらの部隊を戦車、装甲人員輸送車、及び増強歩兵部隊で強化しつつある。
2006年4月、新しい第3世代戦車ZTZ-99を北京、上海軍区に初度配置した。
水陸両用戦力の分野において新型水陸両用突撃艇(AAV)を装備。
既存の艇を改良した新型艇は浮上タンクと外部搭載エンジンを含み外洋での安定性と性能が向上している。
この1年の間に広範な訓練改革のもとで水陸両用訓練を増加して水陸両用戦部隊の練度が向上しつつある。
軍事力強化のための資源
・2006年、世界銀行は中国が世界で第4位の経済大国であると発表した。
国防費の増大、国内兵器産業の発展、及び外国兵器技術の取得が軍事力強化の資源になっているが、
15年来の高度経済成長がこれらの全てを可能にしている。
・一方で中国は、ロシアから新兵器と新技術を取得し、民需部分における外国からの投資と合同ベンチャー企業、帰国留学生の技術知識と経験、及び国家が計画する産業スパイにより兵器技術を習得している。
EUの武器禁輸解除は中国の新兵器取得と将来兵器の国産能力を高める。これらには注意が必要である。
台湾の抑止戦力
・2006年初頭に台湾の陳総統が、国家統一委員会と国家統一指針の一時棚上げを宣言した際に、中国は責任ある冷静な対応を示した。
・米国政府は、台湾海峡の現状のどちらの側からの一方的な変更にも反対し、台湾の独立を支持せず、平和的な解決を支援することを明らかにしてきた。
今後も台湾関係法に基づき、地域の平和を維持する施策を重ね、北京による台湾の支配を拒否する力を保持し、台湾に対する兵器及び各種支援を提供し続ける。
・中国のグローバルな経済力、政治的な影響力の増大、及び空・海・ミサイル戦力の強化が台湾の孤立を深め、
海峡の軍事バランスを中国の有利に推移させている状況のもとで、
台湾はこの10年間を通して国防費を削減してきたが、一転して2008年までに国防予算をGDPの3%に増加すると発表したことは評価できる。
・台湾は、統合作戦能力の向上、指揮組織の強化、予備役の編成、及び危機管理能力の向上などの重要な政策を実行している。
2006年9月には4隻のキッド級駆逐艦の最後の2隻を購入して抑止戦力を強化した。
しかし、米国が2001年に承認しているパトリオットPAC-3防空システム、P-3Cオライオン対潜航空機、
及びディーゼル電気エンジン潜水艦等の重要な装備を未だに購入していない。台湾側の努力が必要である。
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昨年の中国の国防支出は前年比18.4%増の1220億ドル(14兆7600億円)であることが予想される、
と英国の有力シンクタンク国際戦略研究所(IISS)が先月31日、発表した。
IISSは同日、各国の軍事力と地域情勢を分析した年鑑「2007年版ミリタリー・バランス」を公開し、このように述べた。
年鑑は、中国の2006年の実質的軍事費が英国の国防白書で示された2838億人民元(約35兆5000億ウォン=約4兆6100億円)の3倍以上に上る、と指摘した。ちなみに日本の昨年の防衛費は411億ドル(約4兆9700億円)。
こうした中、中国の国防予算は、ここ10年間にわたり前年比2ケタ以上の伸びを見せてきた。
最近、中国が衛星攻撃兵器(ASAT)の実験を断行したことで、中国の軍事力に対する懸念が高まりを見せる中、
このように中国の軍事費が急速に増えていることが明らかになったことで、
日本や韓国など周辺国との間に緊張をもたらすのはもちろんのこと、軍拡競争に拍車が掛かる可能性も取り上げられている。
同時に中国軍事情報の透明性を拡大するよう求める国際社会からの要求も、よりいっそう激しさを増すことが予想されている。
【ワシントン=山本秀也】米太平洋軍(司令部ホノルル)のキーティング司令官(海軍大将)は11日、昨年5月に中国を訪問した際、会談した中国海軍幹部から、ハワイを基点として米中が太平洋の東西を「分割管理」する構想を提案されたことを明らかにした。上院軍事委員会の公聴会で証言した。同司令官はこの「戦略構想」について、「中国は影響が及ぶ範囲の拡大を欲している」として警戒感を示した。
キーティング司令官によると、この海軍幹部は、「われわれ(中国)が航空母艦を保有した場合」として、ハワイ以東を米国が、ハワイ以西を中国が管理することで、「合意を図れないか」と打診したという。
同司令官は「冗談だとしても、人民解放軍の戦略構想を示すものだ」との解釈を示し、中国の軍事、対外政策について「きわめて注意深く監視している」と語った。また、これまでの米中軍事交流が米側の期待を裏切るものだったことを報告。不透明な国防費の実態に対する不満も述べ、「とてもクラブで一杯飲もうという関係ではない」と語った。
中国軍幹部による太平洋の東西分割提案は、昨年8月に米紙ワシントン・タイムズが米軍関係者の話として報じていた。米側は提案を拒絶したとしているが、同紙は情報機関を含む米政府内の親中派内でこの提案に前向きな姿勢を示す向きもあったとしている。
中国海軍は、原潜を含む潜水艦の活動をここ数年、日本や台湾、米領グアムの近海など西太平洋海域で活発化させていた。「ハワイ以西」との線引きは、中国が従来の国防圏としていた沖縄以西を大きく踏み出す野心的な構想といえる。
キーティング司令官は提案者を明らかにしていないが、司令官就任後初の訪中だった昨年5月には、中国海軍では呉勝利司令官と会談している。
【ワシントン=古森義久】米国防総省は3日、2008年度の「中国の軍事力」報告書を発表した。同報告書は中国が不透明な体制で軍事力を大幅に増強し、台湾制圧の能力を短・中距離ミサイルの1000基以上の配備で高めるほか、海軍力の強化で尖閣諸島の領有や東シナ海の権益をめぐる紛争への対処能力を高めている実態を伝えている。中国は米国本土に届く長距離核ミサイルの強化や航空母艦の開発にも着手しているという。
毎年、米国議会に提出される同報告書は、中国が近年、一貫して軍事力の大幅な増強を進め、2007年の公表国防費は前年より19・47%増の約500億ドルだが、実際の軍事費は年間1400億ドルにも達すると述べた。
中国の軍備拡張の目的について同報告書は「自国防衛の消耗戦から遠隔の地での領有権や資源の獲得を争う戦いを遂行する能力の保持を目指す」とし、東アジア地域からグローバルな規模へと向かう「台頭する軍事パワー」と特徴づけ、「東アジアの軍事バランスを変え、アジア太平洋を越える意味を有する戦略的能力を向上させている」と評した。
同報告書はまた、中国の軍事態勢が秘密にされ、その増強や背後にある戦略の実情が不透明のままだとし、こうした実態が国際社会での中国への懸念を強めていると述べた。
同報告書は中国の軍事力の目的として台湾攻略や米国との競合、その他の国家主権の発揚をあげ、日本との尖閣諸島の領有権紛争や東シナ海でのガス田開発をめぐる排他的経済水域(EEZ)の権益争いの軍事的解決をもその主目的の一つとして指摘した。
同報告書は中国のこうした目的の下での具体的な軍備増強行動として(1)
福建省地域で短・中距離の弾道ミサイルCSS6やCSS7の配備増強を続け、その数は合計1000基を超えた(毎年合計100基の割で増えてきた)(2)米国本土に届く大陸間弾道核ミサイルのDF31などの質を向上させ、数を増やしている(3)航空母艦の自国での建造に着手しつつある(4)昨年1月の自国の宇宙衛星破壊実験で成功したように、宇宙への軍事がらみの進出に積極的になってきた(5)「宋」や「元」などの新鋭潜水艦の開発から建造に力を注ぎ、海軍力増強のペースを高め始めた(6)空軍でもSU30MMKやFB7Aなどの攻撃機にB6機を加え長距離の爆撃や攻撃の能力を高める−などという諸点を報告した。
中距離ミサイルの射程と配備数です。
適正なわが国の防衛力を考える上で重要です。
様々なコメントを頂いた中国の軍事力に関する米国防省年次報告書(05年7月19日公表)のポイントは、以下の通りです。
現在、資料を収集中ですので、また、続編を掲載します。
○ 台湾対岸の短距離弾道ミサイル配備(650基〜730基)、
大陸間弾道ミサイル(DF-31、DF-31A)及び潜水艦発射型ミサイル(JL-2)の開発に要注目
○ 中国は、途中給油なしで台湾に到達できる作戦機を700機以上保有(但し、多くは旧式のもの)。
ロシアからSu-30の導入を継続しているほか、国産第4世代戦闘機(F-10/J-10)を配備開始。巡航ミサイル、無人機にも要注目
○ 対艦巡航ミサイルを搭載可能な駆逐艦(ソブレメンヌイ級)、潜水艦(ソン級、キロ級)を導入中。
また、新型ディーゼル潜水艦(ユアン級)を昨年進水。更に、093型次世代原子力潜水艦は本年中に配備見込み
○ 中国の実際の国防費は、公表されている数値の2倍から3倍(最大で900億ドル)。
2025年までには、中国の国防支出は現在の3倍以上に増大
○ EUの対中武器禁輸解除の影響は深刻かつ大きなものであろう。
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1949年 ウイグル侵略
1949年 東トルキスタン占領
1950年 朝鮮戦争参戦
1951年 チベット侵略(チベット大虐殺)
1959年 インド侵略(中印戦争)アクサイチン地方を占領
1969年 珍宝島領有権問題でソ連と武力衝突
1979年 ベトナム侵略(中越戦争)
1992年 南沙諸島と西沙諸島を軍事侵略
1995年 フィリピン領ミスチーフ環礁を軍事侵略
2005年 日本EEZ内のガス資源を盗掘
米国国防省は25日に発行した「中国の軍事力に関する報告書2007年版」の中で、中国が原子力潜水艦や、
核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイルなどの戦略核兵器の開発を進めていることに対し、強い懸念を表明した。
英国紙フィナンシャル・タイムズが入手した今回の報告書によると、
中国は米国全域を射程距離に収めた大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)‐31A」を今年から実戦配備する予定だという。
中国はまた、排水量8000トンの「晋型原子力潜水艦」5隻を開発中で、既に1隻は試験運航を終えている。
晋型潜水艦は、核弾頭の搭載が可能な射程距離8000キロの弾道ミサイル「巨浪2号」を16基まで搭載できる。
中国がこれまで保有していた、核弾頭の搭載が可能な約400基のミサイルは、移動できない地下のミサイルサイロ(格納庫)からしか
発射することができなかった。
このため米国は、核ミサイルや一般のミサイルでサイロを先制攻撃することができ、また仮にミサイルが発射された場合でも、
米国のミサイル防衛(MD)システムによって迎撃できる可能性が高かった。
だが、移動式ミサイル「東風」や、長期間にわたって世界各地へ移動できる晋型潜水艦から
発射されるミサイルは、発射される直前まで探知することができない。
従って、中国が有事の際、自国の核戦力に対する米国の先制攻撃を避けるとともに、
米国本土に対する「報復攻撃」も可能になるというわけだ。
このため、中国が「核による先制攻撃はしない」という既存の戦略を変更するのではないかと懸念する声も出ている。
実際、2005年には中国人民解放軍の朱成虎少将が「台湾と対峙している状況下で米国から攻撃を受けた場合には、
米国に対して核兵器を使う準備ができている」と発言し、後に中国政府が発言を取り消したことがある。
米国国防省は「中国の新たな核戦略は、米国の核による抑止力に影響を及ぼしかねないレベルだ」と話している。
ロバート・ゲーツ国防長官は「今回の報告書は、中国の安全保障戦略について、誇張することなく現実的な評価をしている。
米国は中国政府が最先端の兵器を開発する意図について、包み隠さず説明することを望んでいる」と述べた、とブルームバーグ通信が25日に報じた。
中国政府はこれまで、米国政府が毎年中国の軍事力に関する報告書を発行するたびに、
「米国は中国を冷戦時代の敵国のように扱っている」と非難してきた。
フィナンシャル・タイムズによると、中国の軍事専門家らは「圧倒的な軍事力を持つ米国が
中国の核戦力を恐れるというのは根拠がない」と話しているという。
主要国・地域の正規軍及び予備兵力(概数)
国名など | 兵役制 | 正規軍(万人) | 予備兵力(万人) |
米国 | 志願 | 155 | 96 |
ロシア | 徴兵・志願 | 103 | 2000 |
英国 | 志願 | 22 | 24 |
フランス | 志願 | 25 | 2 |
ドイツ | 徴兵 | 28 | 35 |
イタリア | 志願 | 19 | 6 |
インド | 志願 | 133 | 116 |
中国 | 徴兵 | 226 | 80 |
北朝鮮 | 徴兵 | 110 | 65 |
韓国 | 徴兵 | 69 | 450 |
エジプト | 徴兵 | 47 | 48 |
イスラエル | 徴兵 | 17 | 41 |
日本 | 志願 | 23.9 | 3.6(0.6) |
(陸) | 14.8 | 3.4(0.6) | |
(海) | 4.5 | 0.1 | |
(空) | 4.6 | 0.08 |
泥水・鉄条網・女性兵士―米海兵隊司令に演習を披露
中国人民解放軍は12日、約20カ国の駐在武官を招き、女子空てい部隊の演習を公開した。
【ワシントン=古森義久】中国政府は東シナ海での尖閣諸島の領有権やガス田開発の権利をめぐる日本との紛争は元来、解決の意図はなく、国家主権の発動として対立のままにしておくことが基本方針なのだという見解が27日の米国議会の公聴会で発表された。
米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」が同日、開いた「中国の主権に対する見解」についての公聴会で証人として登場した米海軍大学「中国海事研究所」のピーター・ダットン教授は中国が領土や領海の拡大主張によって国家主権の積極的な発動を図ることを国策にしていると証言し、その実例に東シナ海での中国の主張をあげた。
ダットン教授はまず(1)中国は大陸棚の延長を自国領とみなし、沖縄海溝までの領有権を主張しているが、「大陸棚は長江や黄河からの沈泥の堆積(たいせき)」というのも氷河時代の現象であり、いまの世界でこうした主張をする国は他にない(2)尖閣諸島も合法的領有権主張の根拠となる中国の実効的な統治や支配の歴史的証拠はない−と述べ、東シナ海での日本との領土領海の紛争での中国側の主張の根拠が薄弱であることを明言した。
同教授はさらに東シナ海でのガス田開発に関して小泉政権下の日本が対中交渉の進展がなければ、独自でも開発を進めると言明したのに対し、中国側が「そうした行動は戦争とみなし、軍艦をすぐ送り込む」と言明したことは、中国が領土紛争では国家主権の発動のために、軍事力を使っても断固、対抗してくるという姿勢の表れだろう、と述べた。
中国の動向
<漢民族の人口併呑政策について>
日本では積極的な移民の受け入れを行っていませんまた、
就労ビザにしても厄介な審査(受け入れ先の会社の財務状況が健全かどうか等色々な条件)や、
就労期間が定められているので、中国が積極的に大人数を送り込もうとしても簡単にはいきません。
現在、日本での外国人登録者数は約208万人おり、そのうちの中国人は約56万人だそうです。
1億人をこえる日本の人口の脅威となるのは、難しいでしょう。
ちなみに移民を積極的に受け入れている国でも、1年あたりの受け入れ人数を定めている国や、
一国からの大量の移民を規制している国もあり、一民族の移民・移住による国の併呑は難しいものがあります。
<軍事的侵攻について>
中国軍は数は多いですが、その装備の大半は旧式で近代化に遅れており西側諸国に比べ20年は遅れていると言われます。
この事について中国首脳部が「あと10年で追いつきたい」と発言したとも伝えられています。
また、イラク戦争でアメリカが見せた「高性能な精密誘導兵器」「情報収集伝達技術」「火力及び機動力」は中国軍に欠けているものであり、
中国軍幹部が切実に欲しがっていると伝えられています。
中国もロシアなどから最新兵器を購入したり、自国で開発を行い軍の近代化につとめていますが、まだ、その数は十分とは言えません。
特に電子技術においては、なかなか高性能な物が開発できずにいるようです。
中国が日本に侵攻する場合、海を渡らねばなりませんが、中国軍には大規模な渡海侵攻能力がありません。
数年前に台湾の軍部が発表した数字では民間船まで利用しても2万人が限度だそうです。
そもそも上陸作戦専門の艦艇である揚陸艦が旧式艦を除けば、64隻しかありません。
それも大型の揚陸艦は1隻が建造されたばかりであり、他の揚陸艦は中型が殆どです。
ちなみにその中型艦ではユテイン2型戦車揚陸艦が一番多く建造される予定(16隻)ですが、
その能力は戦車10両、兵員250人を輸送できる規模です。
また、水上戦闘艦艇としては駆逐艦29隻、フリゲート艦55隻(ウィキでは45隻となっていますが)がありますが、
駆逐艦のうち16隻は非常に旧式な51型と呼ばれるもので退役が始まっています。
フリゲートも旧式なために退役が始まっている型のものがあります。
潜水艦にしても大半が旧式艦です。
南沙諸島など重要な海域への戦力配分などを考慮し、さらには自衛隊の海空戦力を考えると、この中国海軍の戦力では充分とは言えません。
さらには中国本土から日本へは距離がある為、制空権を取る為にも空母が必要ですが、中国軍は未だ空母を持っていません。
ただ空母に関しては、ウクライナから旧ソ連製の未完の空母「ワリヤーグ」をマカオの民間会社(中国のダミー会社で現在は消滅。
ワリヤーグ購入の名目は海上ホテルに改装。契約には軍事目的への転用は禁止ともありました)を通じて購入しており、現在、再生中という話です。
また、85型と呼ばれる新型空母の建造を始めており2010年に進水予定だという事です。
この85型は2隻建造予定だそうです。
さらには原子力空母も2020年には完成予定だそうです。
空母への発着を想定した訓練の為の基地も作られ、既に訓練が開始されているそうです。
空母の他にも、戦闘艦艇や潜水艦も次々と建造されているので、こうした戦力が揃ってくれば、それなりの作戦が可能になりますが、
それでも最大の問題であるアメリカ軍がいる限り、日本への直接の侵攻は難しいでしょう。
アメリカは空母を12隻も保持しておりその海軍力は世界最強、最大です。
ましてや中国は石油輸入国になっています。
現在、中国で消費されている石油の半分以上は外国からのそれも海路を利用しての輸入だそうです。
もし、アメリカと敵対した場合、当然その海上輸送路は脅かされるでしょうが、中国にはそれを守るだけの海軍力はありません。
中国が日本に対し軍事行動を起こすならアメリカ軍が中立の立場にならない限り、勝ち目は非常に小さいものとなります。
一説によると中国は、日本とアメリカの間に亀裂を作るために、アメリカの中国系政治団体を通じてマイク・ホンダ議員に献金を行ったと言われています。
マイク・ホンダ議員に従軍慰安婦批難決議出させ、可決させ、それがこじれて日米の間に溝を作ろうとしたというのです。
最終的には日米安保の解消を狙ったとも言われています。
もし、日米安保が解消された場合、中国は尖閣諸島に手を出すつもりだったという話です。
尖閣諸島周辺の海域には1000億バレルの油田(イラクの油田と同規模)がある事が判明しており、中国は1971年に領有を宣言しています。
日本はこれを認めておらず、自国領だと主張しています。
日本本土への侵攻は無理でも、尖閣諸島ならば、アメリカ軍が出てこないならば占領の見込みがあるという判断のようです。
竹島のように占領の既成事実を作ってしまえば、弱腰の日本政府は強くは出てこないという見込みもあったようです。
これには似たような前例があります。
1992年、フィリピンはアメリカとの軍事協力をとりやめ、アメリカ軍をフィリピン本土から撤退させました。
その結果、中国がフィリピンが領有を主張するミスチーフ礁を占領し領有化を図ったのです。
中国軍に対抗できる軍事力のないフィリピンは慌ててアメリカに泣きつきましたが、アメリカは何を今さらと相手にせず、ミスチーフ礁は今も中国の勢力下です。もしアメリカ軍がいたならミスチーフ礁をむざむざ奪われる事もなかったでしょうし、中国も手を出してきたとは思えません。
だから中国が日本に手を出す場合は、まずはアメリカとの中を裂くように動いてくるでしょう。
なお、従軍慰安婦問題と絡めての尖閣諸島の話はそういう話もあるという事で、事実として確定された話ではありません。
また、中国は世界の工場と呼ばれるほど輸出大国です。
当然、日本へも莫大な輸出をしており、日本と敵対して困るのは中国の方だという見方もあります。
中国軍がこれからいかに増強されたとしても、最大の問題は国内要因だと思います。
中国国内での格差社会は酷い状態です。
特に都市部と農村部の格差は酷く、さらには役人の汚職や腐敗で農民が痛めつけられています。
中国で潤っているのは2割程度で、9億の農民は貧困の中にいると言われています。
その為、中国全土で農民の暴動が頻発しています。
不当に土地を奪われた農民が大量に出て都市部に流入し、失業者は2400万人もいるそうです。
また、現在、中国は経済成長を続けていますが、オリンピックもしくは2010年の
上海万博後にバブル崩壊が起こるのではないかと言われています。
これまで、中国に投資してきた外国企業もバブル崩壊を警戒し、ここらで一度利益確定を行い、
中国からいったん資金を引き上げるのではないかという推測もあります。
もし、バブルが崩壊した場合、中国社会には深刻な事態が起こるのではないかと懸念する人もいます。
経済が破綻し会社や工場が潰れ、失業と貧困に拍車がかかり、
暴動が今以上に多発し、社会が混乱したなら、軍を外国に向けている余裕などなくなるでしょう。