在日米軍
在日米軍(ざいにちべいぐん、United States Forces
Japan、略称USFJ)は、在日アメリカ軍、または条約などでは
日本国における合衆国軍隊ともいい、日米安全保障条約第6条により日本国内に駐留するアメリカ合衆国軍の総称である。
なお、日本には、キャンプ座間などに常駐している数十人の国連軍駐日武官や、各国大使館の駐在武官、係争中の領土(竹島、北方領土等)を除き、米軍以外に駐留する外国軍はいない。
在日米軍司令官は第5空軍司令官を兼務しており、現任はオーヴィル・ブルース・ライト空軍中将。
2009年2月にエドワード・ライス空軍少将(現在は太平洋空軍司令部副司令官)と交代予定であると、在日米軍から通知された。
2 在日米軍の駐留
1 在日米軍の駐留の意義
米国は、日米安保条約に基づき、その軍隊をわが国に駐留させている。
日米安保条約では、第5条において、米国の対日防衛義務を規定する一方、
第6条において、わが国の安全と極東における国際の平和と安全のためにわが国の施設・区域の使用を米国に認めることにより、
総合的に捉えると、日米双方の義務のバランスが取られている。
なお、この点は、締約国による共同防衛についてのみ規定されている北大西洋条約とは異なっている。
また、米軍による施設・区域の安定的な使用の確保は、わが国に対する武力攻撃があった場合、
安保条約第5条における日米の共同対処を迅速に行うために重要な役割を果たすこととなるものであり、
日米安保体制において極めて重要である。
また、先述のとおり、相手国は、自衛隊のみならず米軍とも直接対決することとなることから、
在日米軍は、わが国に対する武力攻撃を未然に防ぐ抑止力としても機能することになる。
さらに、米軍のわが国防衛のための行動は、在日米軍のみならず、適時の兵力の来援によってもなされる。
在日米軍は、そのような米軍の来援のための基盤ともなる。
在日米軍は、このような機能を有しており、わが国の安全の確保において、極めて重要な役割を果たしている。
また、このような米軍の軍事的プレゼンスは、地域における米軍の関与の基盤となるものであり、
地域の平和と安定を維持するために不可欠なものとなっている。
(図表III-2-1-2参照)
また、同文書においては、これまでの検討の成果として、在日米軍とこれに関連する自衛隊の部隊の
態勢の再編についての具体的な方向性を示した
1。
(2)再編案の最終取りまとめ
昨年5月の「2+2」会合において、「再編実施のための日米のロードマップ」(「ロードマップ」)という形で、
在日米軍再編の最終的な取りまとめがなされ、具体的施策を実施するための詳細が示された。
その概要は、図表III-2-2-8および・III-2-2-9のとおりである。
これらの再編案の実施により、同盟関係における協力は新たな段階に入り、地域における同盟関係の能力強化につながる。また、今後実施される措置は、日米安保条約の下での日米双方のコミットメントを強化すると同時に、沖縄を含む地元の負担を軽減するとの日米双方の決意を示すものである。
参照>資料39
この再編案の実施のための施設整備に要する建設費そのほかの費用は、「ロードマップ」において明示されない限り日本国政府が負担し、米国政府は、これらの案の実施により生ずる運用上の費用を負担するとされている。在日米軍の再編は、沖縄をはじめとする地元の負担軽減と抑止力の維持に資する重要な課題であり、わが国が負担すべき経費の内容を精査した上で、適切に予算上の措置を講じることとしている。
(3)再編案の着実な実施
本年5月の「2+2」会合においては、昨年5月の「ロードマップ」について、この1年の作業の進捗が確認されるとともに日米合意に従った着実な実施の重要性が確認された。
1)共同文書において取り扱われなかった米軍施設・区域および兵力構成における将来の変更は、
日米安保条約および関連取極の下での現在の慣行に従って取り扱われることとされた。
都道府県別の米軍施設
平成16年(2004年)現在で27都道県に置かれている。施設の70パーセントは沖縄県に集中する一方で、
四国・近畿・中京・日本海側にはほとんど置かれていない。
また、首都圏では東京都の首都中枢を取り囲むように設置されているが、陸上戦力はほぼ皆無である。
思いやり予算
思いやり予算 日本側が負担する在日米軍駐留経費。接受国支援(HNS)とも呼ばれる。
昭和53年度から在日米軍に「思いやりをもって対処する」
(当時の金丸信防衛庁長官)ため、基地従業員の福利費などの負担を開始。
62年度以降は両国政府で特別協定を締結し、日本側が日本人従業員の給与、米軍基地の光熱水料、訓練移転費などの
負担に応じるようになった。
今年度予算では、特別協定分1416億円、隊舎や家族住宅整備などの地位協定分667億円の計2083億円が計上されている。
横須賀米海軍基地
キテイフォークが停泊中
米軍提供施設・区域の概要
戦後60年を経た現在もなお、国土面積のわずか0.6%に過ぎない狭い沖縄県に、
在日米軍専用施設面積の約75%に及ぶ広大な面積の米軍基地が存在しています。 米軍基地は、県土面積の約11%を占めています。 とりわけ、人口や産業の集積する沖縄本島においては約19%を占めています。
施 設 数 |
37 |
施 設 面 積 |
23,681.2ヘクタール
(県土面積の約10.4%) |
うち米軍専用施設面積 23,312.4ヘクタール
(全国の米軍専用施設面積の約74.7%) |
軍人・軍属・家族数 |
45,354人
軍人: 22,339人
軍属: 1,503人
家族: 21,512人 |
※ 施設数・面積は、平成16年3月末現在、軍人数等については、平成16年9月末現在の数字である。
沖縄における在日米軍基地
沖縄の米軍基地問題
1,基地の島「沖縄」
青い海と美しいサンゴ礁など、豊かな自然に恵まれた沖縄は、日本有数の観光地である。
かつては琉球王国が栄え、いまなお独特の文化を残している。沖縄を訪れる観光客は年間約400万人を数える。
しかし、観光地である沖縄は、同時に米軍の基地の島でもある。
1972年、沖縄が日本に返還されたが、米軍基地は撤去されることなく、残されたままだった。
そのため、沖縄の人々は日本復帰後も、基地によるさまざまな被害に苦しまねばならなかった。
現在、日本にある米軍基地の実に約75%が沖縄に集中しており、日本にいる約4万人のアメリカ兵のうち、60%以上が沖縄に駐留している。
県下53市町村のうち25市町村に米軍基地があり、米軍基地は沖縄県の面積の約10%、沖縄本島に限ればその約5分の1を占めている。
中でも嘉手納町には東アジアで最大の基地があり、町面積の約83%が基地で占められている。
基地には嘉手納飛行場があり、その周囲には基地を囲うフェンスが延々と続いている。
まさしく「沖縄の中に基地があるのではない。基地の中に沖縄があるのだ」という表現がぴったりである。
2,なぜ沖縄にあるの?
第二次世界大戦で沖縄は、日本国内で唯一戦場となったところである。1945年4月1日、アメリカ軍55万人が沖縄本島に上陸した。沖縄全島を基地化し、日本本土攻略の足場を築くためである。
これに対して旧日本軍は、本土決戦に備えるために時間稼ぎをし、また本土の兵力を温存するために沖縄を「捨て石」にした。
約2ヵ月間の地上戦で日本人犠牲者は約19万人に達した。
この中には一般の県民約94000人が含まれている。
これは当時の沖縄県民の4人に1人に相当する。犠牲となった人々 の中には、集団自決に追い込まれたり、避難している壕(ガマ)の中から日本軍によって追い出されたり、泣き叫ぶ赤ん坊を捨ててくるよう日本兵に言われた人もいた。
「ひめゆりの塔」は従軍看護婦の女子学生が、米軍のガス弾攻撃で亡くなった地に建てられたもので、
沖縄戦の悲劇を象徴している。
第二次世界大戦後、沖縄はアメリカに占領され、1951年のサンフランシスコ平和条約締結後、アメリカの施政権下に入った。
そして、中華人民共和国の成立(1949年)、朝鮮戦争の勃発(1950年)を契機に、沖縄米軍の役割はますます重要なものとなり、
共産主義勢力に対抗するアジアの拠点として、基地の拡充・強化がなされた。
1972年、沖縄はようやく日本に返還されたものの、ほとんどの米軍基地は残されたままであった。
3,基地による生活破壊 アメリカ軍基地の存在は、地元の人々にどのような影響を与えているのだろうか。利益と被害の両面から考えてみる。
まず利益の面であるが、第一に基地は地元の人々に職場を提供している。
現在約8500人が基地で働いており、500億円余りの賃金が支払われている。
第二に、土地を基地に貸している地主に地代収入をもたらしている。
現在、基地に用地を提供している地主は約3万1千人いるが、地代として約800億が払われている。
そのほか、米軍とその家族が使う約500億円の消費を含めると総額1800億円、
沖縄県民所得の約5%が基地経済に依存していることになる。
しかし、一方では基地による被害もまた甚大である。
第一に軍用機の騒音や墜落事故がある。嘉手納基地や普天間基地のように、ほとんど1日中離着陸がなされるところでは、事態はとくに深刻である。また、米軍の戦闘機やヘリコプターによる事故も少なくない。誤って照明弾を落としたり、燃料補助タンクを落としたり、「沖縄の空は雨ではなく物が降ってくる」といわれるほどである。そのほか、実弾演習によって引き起こされる山林火災の被害もある。
第二に、米兵による事故や犯罪も深刻である。復帰以降のこれまでの検挙件数は殺人・婦女暴行などの凶悪犯罪も含め5000件を越えており、地域社会をおびえさせている。しかも、こうした犯罪者の中には、日米地位協定があるために日本で裁かれることもなく、密かに本国に送還されてしまうケースもある。
第三に、沖縄全体の1割を米軍用地が占めるため、周辺集落間の交通が遮断され、望ましい都市形成や交通網体系の整備の妨げとなっている問題がある。そして町のゾーニングもできないまま無秩序な開発が進み、交通渋滞を引き起こす一因となっている。
4,アメリカの世界戦略と沖縄
アメリカにとって沖縄の基地がどのような意味をもつかは、沖縄の地政学的位置を考えれば容易に理解できる。沖縄を中心にアジア全体を見ると、台湾まで640q、ソウルでも1400qしかない。戦闘機なら台湾まで1時間弱、ソウルでも2時間弱の
距離である。もし、作戦可能空域を半径4000qとすると、東南アジア全体、中国、南ロシアまでが含まれてしまう。ベトナム戦争のとき、アメリカの最大の出撃基地として、沖縄からさかんに爆撃機が飛び立ったことはよく知られている。まさに沖縄は「太平洋の要石」なのである。
それだけではない。在日米軍を統括しハワイに司令部を置く太平洋軍は、実はインド洋からアフリカ東海岸までニラミをきかしている。現在アメリカは
総兵力140万人のうち26万人の兵力を海外に展開しているが、「アジア10万人体制」(在日米軍4万人、在韓米軍3万7千人)は、最大の受け入れ国ドイツの7万人と並ぶ世界戦略の要なのである。しかも、在韓米軍は、韓国の安全を担保するために身動きがとれず、有事に際して機動的に動けるのは沖縄の海兵隊だけといってもよい。
5,基地問題の解決をめざして
1995年、沖縄の小学生がアメリカ軍の兵士に暴行されるという事件が起きた。しかも、アメリカ側が日米地位協定を根拠に、起訴前の身柄引渡しに応じなかったことから、沖縄県民の激しい怒りを呼び、ついには本格的な基地撤去運動にまで発展した。沖縄の軍用基地の99.7%は国が契約をして民間から借り上げ米軍に提供している。残り0.3%は反戦地主の土地であり、
これについては強制使用の手続きの一環として、知事が代理署名をすることになっている。ところが、沖縄県民の基地整理・縮小を要求する声を受けて大田知事は代理署名を拒否し、国との対決姿勢を鮮明に打ち出した。この結果、1996年4月、日米は市街地に隣接し飛行機事故の多い普天間飛行場を返還することに合意した。そして、その代替施設として名護市の海上にへリポートを建設することで一応決着した。
日本やアジアの安全保障という大きな問題を、沖縄の人々にのみシワ寄せする現在のあり方でよいのだろうか? 今、沖縄の基地問題を、自分の問題して取り組む姿勢が求められている。「学問をやるうえで一番大切なことは、ある問題を「他人ごととして見る」のではなく、「自分のこととして見る」態度である、と大田沖縄県元知事が書いておられた。全くその通りである。われわれはしばしば、自分に直接関係ないことや目の前に見えないことについてはあまり関心を示さない。しかし、沖縄の米軍基地問題で今問われているのは、まさにこのような多くの人々のとっている態度ではなかろうか。
|
日本に展開する米軍基地や部隊の見直す在日米軍再編協議が3月末にまとめられる予定なのも、こうした世界的再編の一環である。
世界的な配置見直しの主な項目は以下の通りである。
・在独陸軍2個師団約3万人を米国カンザス州とテキサス州に帰還計画
・機動性の高い装甲兵員輸送車旅団先頭チーム1個を在独陸軍に配備予定
・ルーマニアに4カ所の基地を提供する協定。中東・アジアへの前進基地。
・欧州海軍司令部がロンドンからナポリへ移転。
・在韓米軍の1万2500人削減が進行中
・第3海兵遠征軍司令部を沖縄からグアムへ移転計画。沖縄の海兵隊約7000人を削減。
・改編した陸軍第1軍団の司令部をワシントン州フォート・ルイスから日本のキャンプ座間に移転計画
・朝鮮半島を除く太平洋全域の空軍作戦の指揮を執る戦闘司令部をハワイに新設
・中国などを意識し、太平洋の海軍力を増強。空母11隻のうち常時6隻以上と潜水艦の60%を展開させる計画
2004年時点で約3万7500人いた在韓米軍は、2008年までに陸軍を中心に1万2500人削減し、
基地総面積を3分の1に減らす計画であり、すでに米国太平洋軍エリアの中では在日米軍が35,571人と在韓米軍を上回っている。
(2006年3月6日収録)
日米地位協定
正式名称日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく
施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、
1960年(昭和35年)1月19日に、新日米安保条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)第6条に基づき、
日本とアメリカ合衆国との間で締結された条約。
主に在日米軍の日米間での取り扱いなどを定める。
1952年(昭和27年)2月28日に、旧・日米安全保障条約3条に基づいて締結された
日米行政協定(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定)を承継する。
今回のテーマは、2004年6月14日から20回にわたって連載したものです。
今日から20回にわたって、「自衛隊」について書きます。どうして今、自衛隊かと
いうと、2004年ほど自衛隊が話題になっている年はないのに、私たちは自衛隊につ
いてほとんど知らないからです。
考えてみると、自衛隊の誕生のキッカケになったのは北朝鮮であり、日本人がその自
衛隊を本当の軍隊にしようと考えるキッカケを作ったのも北朝鮮である――皮肉な話で
す。
歴史を簡単に振り返ってみましょう。
1950年6月25日午前4時のことです。朝鮮半島を二分する38度線付近に集結
した北朝鮮軍は、なだれをうって韓国領内に攻め込んだのです。ここに、以後3年1ヶ
月にわたる朝鮮戦争の火蓋が切られたのです。
このとき北朝鮮軍の主力兵器は、ソ連から供与された当時最新鋭のT34戦車で、こ
れによって韓国軍を次々と撃破し、開戦4日目にして首都ソウルを陥落させてしまった
のです。
この状況をみて米極東軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥は、6月30日に米
地上軍の投入を決断したのです。その命令を受けて、日本に駐留していた米陸軍部隊は
次々と朝鮮半島に送り込まれていったのです。
当時日本に駐留していた在日米軍は約8万3000人――そのほとんどが朝鮮半島に
投入され、日本本土に残された米軍兵力はごくわずかとなってしまっていたのです。
1950年7月8日――国連の安保理理事会は、マッカーサー元帥を国連軍最高司令
官に任命したのですが、ちょうどその日にGHQ(連合国軍総司令部)は日本政府に対
して「警察予備隊」の創設を命令したのです。これは、日本本土の防衛の穴を埋めるた
めの緊急措置であったのです。
当時の日本政府としては、GHQに異を唱えることなどできるわけはなく、直ちに設
立準備委員会を設置して編成準備に取り組んだのです。GHQからの命令は次のような
内容だったのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1.7万5000人の警察予備隊の編成
2.海上保安要員8000人を増員せよ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1950年8月10日、警察予備隊令が公布施行され、その3日後から隊員募集が開
始されたのです。そのとき7万5000人の募集に対して、38万2003人が応募し
てきたといいます。
これからお話ししていくとわかりますが、敗戦の1945年からわずか5年で警察予
備隊が創設されたことによって、ある意味において日本は救われたといえるのです。
なぜなら、それまでの日本軍を支えた人たちの多くが警察予備隊に結果として参加す
るようになり、高度な実戦体験を持つ事実上の「日本軍」が存続することになったから
です。
そして、1998年8月31日に北朝鮮は、テポドンを発射し平和ボケしていた日本
に活を入れ、それまでタブーとされてきた憲法改正論議を巻き起こす結果となったので
す。つまり、日本の再軍備のキッカケを作ったのは北朝鮮であり、現代の日本人をして
憲法改正論議に走らせるキッカケを作ったのも北朝鮮ということになるのです。
もともと朝鮮半島の安定は、日本の安全保障上最大の関心事であったのです。それが
ゆえにかつて日本は清国の朝鮮半島進出を阻むために日清戦争を戦い、さらにロシアの
朝鮮半島進出に国家存亡の危機を訴えて日露戦争を戦ったのです。けっして侵略のため
の戦いではなかったのです。
1951年1月――警察予備隊の誕生からわずか5ヶ月後のことです。米国からダレ
ス特使が来日して、吉田首相と話し合いをします。その内容は、その次の年のサンフラ
ンシスコ講和条約締結後に日本が再軍備してはどうかというものだったのです。もちろ
ん米軍は、継続して日本国内に駐留できることが条件だというのです。
ちょうどその時点の朝鮮半島では、再び連合軍はソウルを放棄せざるを得ない状況に
陥っていたのです。中国軍が参戦してきたからです。米国は苦しい状況に陥っていたの
で、日本に再軍備を要請してきたのです。
しかし、吉田首相は、日本の再軍備を断ってしまったのです。そのためには、憲法改
正が必要であるし、多くの国家予算も必要になること――そして何よりも当時の国民感
情に合わないと判断したからです。
このときの吉田首相の判断については賛否両論があります。それでよかったという人
もいますが、このとき再軍備に応じていれば、少なくとも今日のような国防をめぐる不
毛の議論をしないで済んだことになります。
ここで考えるべきことは、当時の状況が現在の日本の状況に酷似していることです。
苦しい経済状況において顕在化した北朝鮮の脅威、それに加えて米国の日本に対する軍
事的要請――そっくりではないでしょうか。まさに歴史は繰り返すのです。ここで、日
本は判断を誤らないようにするべきです。
もとより当初米国は、日本を再軍備させないようにあの憲法を作ったのです。しかし
米国は、朝鮮戦争に苦戦して、日本に警察予備隊を作らざるを得ない状況に陥り、日本
に再軍備まで求めたのです。
もちろん警察予備隊の創設に当たって米国は、かつての帝国陸軍色を排除しようとし
ています。その内容は、警察予備隊の応募に当たっては、旧軍の出身者は下士官と兵隊
に限定され、元将校は対象から外されていたのです。
しかし、軍隊だけは経験豊富な将校がいないと組織はまとまらないのです。警察予備
隊も当初まったく組織として機能せず、訓練もロクにできない状況だったといいます。
そこで、1951年6月になって、ようやく陸士(陸軍士官学校)・海兵(海軍兵学校)出身者が指揮官要因として採用されるようになったのです。
このようにして、警察予備隊は、旧軍人に率いられて成長していったのです。それは
日本軍の存続そのものだったのです。 ・・・[自衛隊の実力/01]
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自衛隊の実力
2007年05月28日
軍隊――それはもともと国防のためのものです。自衛隊の英語名称をご存知でしょう
か。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
自衛隊――Japan
Self Defense
Force
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直訳すると、「自己防衛軍」ということになります。国防ということを意識するあま
り、かなり強引な英語訳になっている感じがします。しかし、「攻撃軍」(Offense
Force)
なるものは世界中どこを探してもないのです。
日本には変なロジックがあります。外務省が東アジアの諸国に対して、使うロジック
です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
かつての日本の軍隊は他国を侵略しましたが、自衛隊は軍隊
ではないので、他国を侵略いたしません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「日本が他国を侵略したか」については議論があるところですが、それはさておき、
このロジックによると、次のおかしな考え方に導かれます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
軍隊は他国を侵略するものである
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
これは奇妙なロジックです。もとより軍隊というものは「自らの国を守る」ために武
装集団を保有するのであって、他国を侵略するために保有しているのではないのです。
したがって、日本だけが「自衛隊」なのではなくて、どの国の軍隊も「自衛隊」なので
す。それに、日本政府のロジックは「旧帝国陸海軍は悪」という前提に立っており、警
察予備隊の創設から現在の自衛隊にいたるまで一貫して、旧帝国陸海軍とは完全に別組
織であることを強調してきています。しかし、本当にそうなのでしょうか。
警察予備隊発足から、現在の自衛隊発足までの流れをまとめると、次のようになりま
す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1950年 8月10日 警察予備隊発足
1952年 4月26日 海上警備隊発足
1952年 4月28日 対日講和条約・日米安保条約発効
1952年 8月 1日 保安庁発足
1952年 8月15日 保安隊と改称・改編
海上警備隊保安庁警備隊に改編
1953年 7月27日 朝鮮戦争休戦協定
1954年 3月 8日 MSA(日米相互防衛援助)協定
1954年 6月 9日 防衛庁設置法・自衛隊法公布
1954年 7月 1日 陸上・海上・航空自衛隊発足
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
警察予備隊が隊員を募集するとき、旧軍の下士官と兵隊しか採用しない方針をとり、
うまくいかないことがわかると、陸士・海兵出身者を指揮官要員として採用したことに
ついては既に述べましたが、これによって旧陸軍の将校が数多く警察予備隊に入ってい
るのです。
これは、敗戦から5年の空白期間はあったものの、実戦経験豊かな歴戦の将校が指揮
官となった結果、表面上は旧軍を否定しながらも、警察予備隊は旧帝国陸軍がそのまま
存続するのと何も変わらない「軍隊」として成長していったのです。
この傾向は、海上警備隊(海上自衛隊の前身)ではもっと顕著だったのです。海上警
備隊の指揮官要員は、ほとんどが旧海軍将校で占められ、最初から「帝国海軍の再建」
を目指していたのです。つまり、現在の海上自衛隊を作り上げたのは旧海軍軍人の貴重
な実戦経験と日本海軍の伝統を受け継いでいるのです。
それでは、航空自衛隊はどうなのでしょうか。
もともと旧日本軍には、空軍という航空戦力の独立組織はなかったのです。航空戦力
は、陸軍航空隊と海軍航空隊に分かれていたからです。そのため現在の航空自衛隊は、
旧陸海軍の航空関係の経験者が力を合せて、日本初の空軍である航空自衛隊を育てたと
いえるのです。事実、航空自衛隊には、太平洋戦争を最後まで戦い抜いた空軍パイロッ
トが多数参加しています。
かつて、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦に航空参謀として参加し終戦直後には局地戦
闘機「紫電改」で編成された343航空隊を率いて日本航空部隊最後の底力を見せつけ
た源田実大佐は、第3航空幕僚長(大将)を務めていますし、その部下であった山田良
市大尉も第15代航空幕僚長を拝命しているのです。
このように、現在の自衛隊は表面上は旧日本軍とは、別組織であることを強調しなが
ら、実際には旧日本軍がその土台となって発展してきているのです。ちなみに防衛大学
校1期生の幕僚長が登場するのは、平成2年になってからなのです。
軍隊を作るというのは一世紀近い長い期間がかかるのです。日本軍の場合も永年にわ
たる数々の実戦経験を積みながら、多くの犠牲者の上に貴重な経験がストックされてき
ています。
もし、敗戦後、10年も20年も軍隊を廃止して、それから作れといわれても、とて
も日本という国を防衛できる精強な軍隊などできるはずはないのです。しかし、日本の
場合、旧帝国陸海軍の貴重な経験を持つ旧軍関係者によって、事実上旧日本軍が再建さ
れていたのです。これは日本にとって幸いなことであったと考えます。とくに海軍の場
合は、むしろ米軍が精強な日本海軍をこのまま滅ぼしたくないとして積極的に協力した
のですが、これについては明日述べます。
しかし、表面上は「自衛隊は軍隊ではない」という不可思議なロジックを展開し、軍
隊をイメージする用語などを一切使わず、表面だけを糊塗しようとすることに汲々とし
てきたのです。
今どき、自衛隊を軍隊ではないと考える日本人がいるでしょうか。世界第3位の軍事
費を注ぎ込んで、世界最高水準の兵器を保有する組織である自衛隊がなぜ軍隊でないの
でしょうか。 ・・・
[自衛隊の実力/02]
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自衛隊の実力
2007年05月29日
戦後まもなくのことです。戦前の米英協調派を中心とする旧海軍指導層は日本海軍再
建を企図し、吉田英三という元海軍大佐を中心とするスタッフにひそかに「海軍再建計
画」を纏めさせ、米側と折衝を重ねていたという事実があります。
1948年5月に海上保安庁が発足した当時ですら、日本の占領行政を監督する対日
理事会や極東委員会の席上において、ソ連が真っ向から反対し、英国、中国、オースト
ラリアの諸国も強い警戒感を示していたのです。
しかし、戦後日本に進駐した米海軍は一貫して日本の海軍人脈に好意的であったので
す。とくにその中心となって米側と話し合いをしたのは、開戦前夜に駐米大使を務めた
野村吉三郎元海軍大将だったのです。
旧日本海軍は敗戦後解体されたのですが、終戦直後から日本周辺海域にばら撒かれた
機雷を除去するため、海軍省軍務局、第二復員局を経て海上保安庁の掃海隊が一日の休
みもなく、掃海作業を行っていたのです。つまり、海上保安庁の掃海隊には、戦後はな
かったのです。
もとより掃海作業には危険がつきものであり、1951年の対日講和条約締結の時点
で戦後の殉職者は77人人を数えているのです。これらの人々は太平洋戦争終結後も機
雷戦を戦い、倒れた戦没者といえます。その慰霊塔は四国の金比羅宮に建立されており
、毎年かつての海軍記念日である5月27日(日本海海戦戦勝の日)に海上自衛隊によ
って慰霊祭が行われています。
この海上保安庁の掃海部隊は、GHQの命令によって朝鮮戦争中には朝鮮半島に派遣
され、米軍の上陸作戦にも寄与しているのです。つまり、実戦体験があるわけです。こ
の経験豊富な掃海部隊が海上自衛隊の基礎となっているのです。
この掃海部隊の活躍を高く評価し、日本海軍の復活を一貫して支持し、「海軍再建計
画」を推進しようとする野村吉三郎元海軍大将を中心とする海軍良識派の力になったの
は、米国のアーレイ・バーク提督だったのです。このアーレイ・バーク提督については
実は感動的な話があるのです。
アーレイ・バーク提督については阿川尚之氏の著書に非常に詳しく書かれています。
ちなみに、阿川尚之氏は、作家阿川弘之氏のご子息です。
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阿川尚之著
『海の友情/米国海軍と海上自衛隊』
中公新書 1574
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実は、このアーレイ・バーク提督は「31ノットのバーク」といわれる太平洋戦争の
勇者であり、日本海軍は彼によって痛い目にあわされているのです。
後に「あれほどまでに日本海軍を痛めつけたあなたが、なぜ日本海軍の復活に手を貸
すのか」と問われたアーレイ・バーク氏は次のように答えています。
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オーシャン・ネイビー(外洋艦隊)を建設するには1世紀と
いう長い時間がかかるものなのですよ。あそこまで建設された
日本の海軍が滅びてしまうのは、海軍の軍人として、あまりに
ももったいないという気持ちがあるのです。
――アーレイ・バーク氏
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アーレイ・バーク氏をして「これほどの海軍をむざむざ滅ぼすのは同じ海軍軍人とし
て忍びない」とまでいわせた日本海軍――彼のおかげて海軍だけは、何もかも昔のまま
にそっくりと残っているのです。
いくつか例をあげましょう。
日本海軍の軍艦旗は、自衛隊に軍艦がないため名称こそ「自衛隊旗」とは呼ばれるも
のの、そのままの姿で艦艇の艦尾に翻っていますし日本海軍を象徴する「軍艦マーチ」
は、そのままの名称で海上自衛隊では頻繁に演奏されています。
それから国旗掲揚のさいのラッパ吹奏のメロディーも旧海軍と同じです。ちなみに陸
上自衛隊では、創設当時の事情からか日本陸軍のラッパ譜は使用されていないのです。
それから、出港前の「レッコー」という掛け声は、英国海軍から近代海軍の運用を学
んださいに伝えられた「レッツ・ゴー」がなまったものをそのまま使っています。また
操艦時に艦橋で発せられる「ヨーソロー」は「それでよし」という意味ですが、それも
そのまま使われています。ちなみにこの「ヨーソロー」は、「宜しゅう候」がなまった
ものといわれています。
まだあります。旧海軍では、金曜日の昼のメニューはカレーライスと決まっていたの
ですが、これも海上自衛隊に受け継がれているのです。
さらに、旧海軍と海上自衛隊は、広島の江田島という同じ戸籍を持っており、かつて
の海軍兵学校の建物をそのまま幹部候補生学校として使っています。そもそも海上自衛
隊の主要基地である横須賀、呉、佐世保、舞鶴などは、そのすべてが旧海軍の軍港であ
り、基地内の建物の一部は、旧海軍のものが現在でも使われているのです。
なお、海上自衛隊には航空部隊がありますが、かつて旧海軍の基地であった鹿屋、大
村、厚木、岩国などはそっくりそのまま海上自衛隊の航空部隊が引き継いでいます。な
かでも特攻基地として知られる鹿屋航空基地には、いまも零戦のシェルターが滑走路脇
に残されており、また司令部庁舎も当時のままで、司令官室まで、戦前・戦中を通して
同じ部屋が使われているのです。
どうでしょう。信じられますか。このように、旧帝国海軍は、海上自衛隊として、そ
っくりそのまま温存されているのです。しかもそのお家芸である掃海技術は世界一とい
われています。明日は、日本の恩人アーレイ・バーク氏について述べます。
・・・
[自衛隊の実力/03]
イージス艦やF15戦闘機は米国で開発した兵器です。日本はこれを「ライセンス生
産」しているのですが、この「ライセンス生産」とは何でしょうか。
「ライセンス」とは生産許可です。自衛隊における「ライセンス生産」とは航空機、
車両、火器、電子機器などを海外のメーカからライセンスを取り、国内メーカによって
生産します。
もっとも海外のメーカといっても兵器の場合、そのほとんどは米国に限定されていま
す。ライセンス生産で問題となるのは、国産化率です。一口にライセンス生産といって
も、その国産化率はものによって違ってくるのです。
とくに日本の場合は技術力が高いですから、ほとんど100%国産で生産できるので
本来であれば国産化率は高くなるはずです。しかし、戦闘機やジェットエンジンのよう
に国産化率が制限されるものがあります。それは政治的理由によるものです。
おそらく日本はどのような兵器でも、生産許可とその設計図を渡されれば、国産化率
100%で生産し、その品質は元のメーカのそれよりも高くなる――それが日本の技術
の凄いところです。
部品自体の品質は日本の方が優れているので、国産化率は高くなる傾向にあります。
しかし、それではライセンス生産とはいえ日本製品になってしまうので、兵器について
は、日本側に技術情報が開示されない「ブラックボックス」の機器が一部必ず搭載され
るのです。
そして、この機器は日本で修理することができないようになっています。
イージス艦やF15戦闘機にもそのブラックボックス機器は搭載されています。
つまり、兵器の肝は完全に米国に握られているのです。
EJ第1378号で、F2戦闘機は日米共同開発であり、その開発分担比率は日本6
:米国4であると書きました。この開発において、日本独自の複合材による主翼の一体
形成技術とアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー技術は米国に吸い上げられてい
るのに、日本が米国から得た最新技術はほとんどなかったといいます。それでいて米国
は、開発分担比率は4しか負わないのですから、米国にとっては大変有利なわけです。
しかも、米国は日本から吸い上げた最新技術を転用して兵器を生産し、海外に輸出し
て莫大な利益を上げているのです。
ところが開発元である日本は武器輸出を禁じられて
いるので何もできない――米国としては、兵器市場において日本は絶対に競合相手にな
らないのですから、こんな有難いことはないのです。
また、このようにして開発した兵器の重要な一部――長距離ミサイルや長距離砲、地
対艦ミサイル、多連装ロケットシステムなどは日本国内で試射ができないので、日米安
全保障条約に基づいて、米国の演習場を借りて行っているのです。
このように自衛隊はいろいろな面で不本意な対米従属を強いられており、安全保障面
においては、米国なしには何もできないシステムになっているのです。いわば、現在の
自衛隊は、米軍の補完部隊となのです。つまり、自衛隊は米軍と一体化してはじめて完
結した戦力になれるのです。こうしておくことで、自衛隊が自立することをむしろ防い
でいるといってもよいと思います。これは、米国の安全保障の戦略なのです。
自衛隊が米軍の補完部隊であることは、在日米軍の戦力の配備状況を調べて見ると納
得できます。
米軍の総兵力は137万人――そのうちアジア太平洋地域に海外展開する兵力は9万
人、そのうち4万人が在日米軍です。これに対してオーストラリアに駐留する在豪米軍
は188人、フィリピン、タイ、シンガポールなど東南アジア諸国のそれをすべて足し
ても500人を切るのです。このことから考えても米軍の世界戦略上、日本がいかに重
要な拠点であるかがわかります。
ところが意外なことに、在日米軍の総兵力のうち、陸軍戦力はわずかに1800人程
度であり、装備にしても米陸軍の主力戦車M1はおろか戦闘車両(FV)は1両もなく
上陸してくる敵を迎え撃つ米陸軍主力戦闘ヘリ・AH64アパッチもないのです。
これに対して、米海軍は、艦載機を含め作戦機約200機を日本各地の地上の米航空
基地に展開させ、さらに第七艦隊を主力とする艦艇40隻を横須賀・佐世保に停泊させ
ています。海軍は陸軍とは比較にならない規模の兵力を配備しています。
しかし、基地防空を担当するはずのパトリオットミサイルを配備していないうえに、
周辺海域の安全航行を確保するための掃海部隊も置いていないのです。
さらに日本の北の守りである北海道には米軍は一切の兵力を置いておらず、その代わ
り、沖縄には1万9000人の米海兵隊が駐留しています。このように考えると、非常
にちくはぐな感じがします。
しかし、このちくはぐ感は、そういう地域に置かれている自衛隊や各種装備を見ると
納得がいくのです。パトリオットミサイルについていうと、米軍基地のある三沢、横田
、横須賀、岩国、沖縄については、航空自衛隊のパトリオットミサイルのカバーエリア
に入っています。つまり、在日米軍基地の防空は、航空自衛隊がその任務を負っている
のです。
米軍が1兵もいない北海道に関しては、陸上自衛隊がその戦力の大半を割いて防衛し
ていること、さらにF15戦闘機で編成された航空自衛隊の二個飛行隊(約40機)が
空を守っているのに対し、米海兵隊が1万9000人もいる沖縄では、陸上自衛隊の第
1構成団が配置されているものの、戦闘の主力となる普通科部隊(歩兵)は1個連隊に
相当する人数しか配備されていないといった具合です。
要するに、日本という国を米軍と自衛隊がうまく役割分担して守っていることになり
ます。そのためにこそ、米軍と自衛隊はかなり頻繁に共同訓練を重ねてきており、その
息はぴったりと合っているのです。米国は、極東の重要拠点である日本列島を自衛隊の
戦力に合わせて、米軍を効率的に配備している――そのようにいえると思います。自衛
隊は在日米軍と一体となって日本列島を守っているのです。
・・・
[自衛隊の実力/12]
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在韓米軍と日本
在韓米軍とは1954年発効の米韓相互防衛に基づき設置されている。
その戦略内容は冷戦期の南北対立、対共産圏への一つの前線として機能であろう。
在日米軍は日米安保条約にのっとり設置され、初期は内乱条項を含むなど日本統治的性格があり、
後に「瓶の蓋理論(cap in the bottle) 」として米軍が日本の国防をするかわりに日本の自主的防衛を遮るに至っている。
また在日米軍としては台湾有事発生時に迅速に行動できるようになっているはずである。
世界的な米軍の再編成の一貫として在韓米軍が大幅に削減される。
在外米軍の削減については2004年8月16日にジョージ・W・ブッシュ大統領が
オハイオ州シンシナティにおいての退役軍人への演説内容にアジアと欧州に展開中の米軍20万人を今後10年で6万人から7万人を削減すると述べている(*1)。
在韓米軍については2008年までに現在4万1000人(*2)から1万2500千人が段階的に削減される予定だ。
だが、対北朝鮮の長距離兵器のために多連装ロケット二大隊は残留し、北朝鮮への抑止力としての力は残るとされる。
また情報収集能力が低下しない限り在韓日軍削減によって空白にはつながらないとの意見もあり、
特に防空体制強化のためにアメリカ国防総省は高性能イージス艦を日本海に常置させ、北朝鮮などからの弾道ミサイルに対抗する予定。
この世界的な米軍の再編成は冷戦期の勢力配置からテロリズムなど非対称戦力への対応をしやすくするためであると予想され、
また「不安定の弧 (Arc of Instability)」と呼ばれる中東から北東アジアの地域にいかに素早く兵力を派遣できるかという目標があると予想される。
この「不安定の弧」という言葉は2001年10月1日にアメリカ国防総省が出した「4年ごとの
国防戦略見直し (Quadrennial Defense Review)」にのっている言葉の一つである。
ほかに考えられる原因としてイラク戦争が予想以上の長期化したことによって兵員不足になっているということもあろう。
在韓米軍から削減予定の兵員で2003年にアメリカに休養中だった兵員約5700名は次期派遣ちはイラクで、
また別の4000名もイラクに派遣されるという。
米軍は基本的には戦地派遣期間は6ヶ月だが、すでに1年以上派遣されているという兵員も少なくなく、こちらが意外と本命かもしれない。
韓国から見てみるとこの在韓米軍の削減とはどう映るのか。
北朝鮮を敵とみなした場合は、在韓米軍の削減は事実上の勢力減といえる。
その場合は困るのは韓国である。
田原総一郎氏は「盧武鉉大統領は今、必死になってアメリカとよりを戻したいと努力している。
アメリカ軍の撤退をもっともおそれているのは盧武鉉大統領ですよ。」(*3)と述べている。
韓国にとって北朝鮮が脅威であるなら在韓米軍の削除はなんとしても避けたいはずだと考えることも間違ってはいないと思う。
ワシントン州にあるアメリカ陸軍第一軍司令部を日本の座に移転することなどの在日米軍は幸か不幸か強化される見通しである。また在韓米軍削減は日米の一体化傾向、在日米軍の機能強化につながるとの観測もある。またこれにより「巻き込まれ論」が出てくる可能性も高くなろうが、それは平和ボケというものであろう。危険を引き受けなくして権利なしである。そのほか米軍は台湾に近い場所に位置する下地島の空港を「協力的安全保障拠点」とするなど、台湾有事に備えての再編もふくまれよう。日米同盟重視でいくのならここでより日米の結束を揺るぎ無いものにする機会であろうが、はっきりいって日米同盟なるものを現実に重視しすぎていると思う。日本はこれを機に自主防衛へと歩むべきである。ここでいう自主防衛とは単独防衛は違い日米協力など国際的に適切な協力のもとに行われるものである。つまり親米派たちが批判材料としていう単独防衛と混合しないでもらいたい。
朝鮮半島の勢力均衡は以前は「相互抑止」によって大規模戦争は抑制されてきたが、
今後はアメリカ主導の「片務的抑止」に変化しようとしている。
相互抑止とは北朝鮮の勢力と韓国・米国の勢力が均衡バランスとして成り立っていたということであり、
片務的抑止とは北朝鮮の勢力は以前と相対的に退化し、アメリカのみの勢力という状態になっている。
つまり超大国アメリカの存在によってアメリカから攻撃するという事態が発生しえないからにはそこに
有事がある可能性は理論的に少ないということだ。よって朝鮮半島での南北衝突による戦争は当分は起こらないと予測できる。
北朝鮮は常に在韓米軍削減を叫んでいたが、在韓米軍削減について「米国は先制攻撃の最終準備段階へ入った」と表明している。ここに北朝鮮としても在韓米軍のプレゼンス認めている。これは北朝鮮として在韓米軍になんらかの価値があることを示している。つまり、北朝鮮は在韓米軍は実は北朝鮮への抑止力ではなく中華人民共和国への抑止力であると認識している可能性が高い。また軍事アナリストの志方俊之氏は「南北が統一して統一朝鮮ができたら、その統一朝鮮が最も脅威と感ずる存在は中国のはずだから、金正日はそれを読んでいて、米軍がいてくれた方が中国に対する安全弁としてよろしいと、そう思っているのかも知れない」(*4)北朝鮮としたら、在韓米軍が攻めてこない限り在韓米軍を大きな勢力とは認識しても大きな脅威とは認識しないので、その在韓米軍の利用価値は対中国であると考えることも出来る。北朝鮮の金正日としてはルーマニアのチャウシェスクの例をみればわかるようにあのような独裁体制にあっては軍を掌握しなければ政権維持はできないので軍を手放すことはなく、軍が自分の手を離れたときに自分の命もなくなるとの不安もあろうから軍の存続、つまり北朝鮮の存続を願うであろう。このことから北朝鮮が短期的には自ら南北統一へと歩むことはないであろう。
日本の道としては、日米同盟を重視しようが、しまいが一つ確実にいえることは中華人民共和国への防波堤としての朝鮮をどう考えるかである。北朝鮮が崩壊し統一朝鮮が韓国を中心に成り立つと予想され、統一朝鮮が中国へと傾く可能性が非常に高い。理論どうこうではなく、歴史的に朝鮮は事大主義のご都合主義であるので大きくぶれるとは思うが最終的には反日イデオロギーそれすなわち朝鮮人のアイデンティティとなるであろうから、親日に傾くことはまずなかろう。よって日本としては北朝鮮が存在していてくれるほうがよいのである。また韓国の民主平和統一諮問会議が2004年の5月19日から22日まで実施した世論調査では中国がもっとも友好的な国で(38.3%)、アメリカがもっとも敵対的な国(49.1%)で日本は2番目の敵対国(35.7%)である。軍事政権を経て民衆主義(democracy)
になりつつある韓国がこのような世論を無視して親日米・反中になるとは思えない。また朝鮮人にイギリス人のように高度な対外政策が打ち出せるとはその歴史をみればわかるので、統一朝鮮が中国陣営とアメリカ陣営の間をうまく渡ることは出来なさそうだ。それは戦後の腐敗した日本とて同じであることもここで付け加えておく。極論を言えば日本が自主防衛へと歩めるまでは朝鮮の南北対立は日本に被害が出ない範疇でなら激化してくれたほうがよいともいえる。
アメリカとしても統一朝鮮が誕生することは望んでいないだろう。このような統一朝鮮が中国よりになって損をするのは日本だけでなくアメリカも同じでよりアメリカの主張をとうしにくくなるだけだからだ。この点では日米の利害は対立しない。つまりアメリカは確実に北朝鮮の存続を望んでいる。また世にも奇妙な「悪の枢軸」という良識をもった日本人、ドイツ人、イタリア人には賛成の出来ない発言の中に北朝鮮が入っているが、これはイラク・イラン・シリアとした場合はすべて中東の国になってしまうので人の目をごまかすために北朝鮮をもってきたと考えれば察しがつく。イスラエル寄りのネオコン勢力の存在なのかと一種の陰謀論も出てきそうだ。また北朝鮮を利用している証拠に一つとして北朝鮮が核武装するなどの態度にでているのにイラクの場合と大きく違いなにも大きな行動にでないということである。イラクの場合は大量破壊兵器などなかった上に、テロリストとのつながりも結局なかったにもかかわらずアメリカは有無を言わさずイラクを侵略したが北朝鮮は自ら核の査察中止、核兵器保有宣言までしているのに攻撃する意図はない。これは北朝鮮が核武装すると日本と韓国がアメリカ同盟から距離をとりづらくなるのである。アメリカは北朝鮮が危険な存在でいてくれればいてくれるほどよいのである(無論アメリカに直接的な被害を出さないという前提が存在するが・・・)。また日韓が危険意識をもっているのならアメリカは日韓に武器を輸出しやすくなるというものだ。ただし北朝鮮が自力で存続可能になり、大量破壊兵器などの売買で国が成り立つようになるとさすがに北朝鮮をつぶさなければならなくなると思うが。そのほかにアメリカが北朝鮮に対し言うほど強硬な態度に出ない一つの原因はもし北朝鮮が日本、韓国などに対し戦争を開始した場合はそれらの国の経済状態が悪化し米国債を購入しずらくなるなどの金融方面で理由もあるだろう。アジア諸国は商品をアメリカに輸出することによって利潤を得ているが、その利潤を米国債や米国株にまわしている。特に日本は米国債のお得意さんであり世界一アメリカ国債を買っているのも日本で橋本政権時にアメリカ国債を売ろうとしただけでアメリカ国債の大幅下落が起こったことは記憶に新しい。
アメリカの対中国政策であるが、以前にくらべアメリカから中国へのチベットの人権、宗教団体の弾圧などへの批判の声はジョージ・W・ブッシュ大統領からは聞かれなくなり、むしろ戦略的競争相手(strategic
competitor)としてむしろ親しみを表し、911の同時多発テロ以後のパートナーであるとあらわした。その上台湾の独立を歓迎しない方向を容認するなど親中国に以前よりも相対的になったといえる。台湾を容認しないということはないだろうが、もしアメリカが台湾は中国の一部であると宣言されれば日本とすれば困ったことになる。それは日本の重要なシーレーンの一つである台湾海峡が敵国中国に握られてしまうからだ。確かに核兵器を使用しないという条件で戦ったならば中国は台湾を占領することはできないだろう。台湾はフランスからミラージュを60機、アメリカからF16を150機買って制空権を握っている。李登輝氏も「台湾海峡の制空権は我々が握っている。中国は台湾に侵攻できませんよ。」(*5)と述べている。だからといって中国が台湾に核兵器を含む大量破壊兵器を使用しないとは限らないので油断はならないし、中国は台湾は一度も中華人民共和国の領土になったことはないのにもかかわらず自分のところの領土だと主張している。台湾が憲法改正などの行動をすると侵攻すると述べている。確かにアメリカは台湾関係法をもっていていざというときに台湾海峡に軍隊を派遣できるようにしているのの、アメリカが中国の台湾侵略を認めると日本としては台湾が占領されなくても困った事態になってしまう。
アメリカが中国を敵視している可能性を伺わせる一つとしてフィリピンの数百人しか構成員がいないといわれるテロリストグループ、アブサヤフ(*6)を手ごわいテロ集団とみなし米軍を派遣したということから考えると、その派遣の目的はクリントン政権時代に撤退したフィリピンにもう一度米軍の拠点をつくり中国封じ込めの一貫ではないか。ちなみに1995年に中国はアメリカ撤退後のフィリピンからミスチーフ岩礁を奪っている。そしてあまり中国にたいし批判しなくなったということは現在中国包囲網を構成中だから逆説的に表向きをつくろっているだけではないのかと考えることも出来る。そのほか、米軍の世界的再編成を台湾人の林建良氏は「公式には、中国にむかって再編するものではないとされているが、誰の目から見ても、中国の台湾出兵に対する布石である」(*7)とのべ、米軍の再編は対中国戦略だとの意見もある。だがやはり日本にとっては安心はできない。日米同盟の存続意義が冷戦中は対ソ連、冷戦後は対中国であることを考えればアメリカは反中国ではなくても最低限親中国であられては困る。アメリカが親中国となるような事態がでてから日本が自主防衛をするようでは遅い。先手をとって日本は自主防衛路線を歩むべきでアメリカはアメリカの国益を追求しているのであって、日本の利益を追求しているのではないのであるから過剰にアメリカに頼る姿勢は崩したほうがよかろう。だが、朝鮮政策については日米の利害は北朝鮮が当分の間存続するということで一致しているのであるから在韓米軍の日本へのある程度は意義もあろう。
ここで、アメリカの意図することを踏まえ正しい日本の歩むべき道を省察しようと思うしだいである。在韓米軍のプレゼンスは北朝鮮への抑止力ではなく中国への抑止力であると考え、また米軍の世界的再編成によって日本にも自主防衛への道が開けたと考えるとどうするか。まず、北朝鮮外交であるが、あの国は拉致という国権を侵している国である。本来ならば戦争も辞さない態度で挑むべきであり、国交正常化など論外である。また”北朝鮮は、過去の交渉では突然前後をひるがえしたり、予想のつかない行動に出たことがなんでもあり、日本側はそのたびに立ち往生させられた”(*8)と北朝鮮は日本に対し誠意ある行動をおこなっているとは思えない。拉致問題は人権問題でなく国権の問題であり国際法違反であると認識すべきである。文明国と野蛮国の差とはルールを守るか否かであるはずで、ルールとは破られたならばなんらかの罰が必要なのである。ルール違反者に罰を与えるということが道徳というルールである。よって一国の首相というものがわざわざ自ら頭を下げて、国権侵害国つまり敵国または準敵国にあたいする国に参るとはなんということであろうか。このような侵略国の存在を強調し日本の核武装は侵略的なものではなく消極的な防衛であるという理由を諸外国に納得させるということが必要であるはずだ。
しかし、いくら核武装をしても国民の精神がついてこなかったら国土防衛などできやしない。腐敗した戦後日本人の精神を戦前復古するために日本国憲法なる代物は改正どころか破棄すべきである。
もともとアメリカが日本国憲法をつくったが1907年のハーグ条約(陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約)その1条にもとづく陸戦条規の43条には「国の権力か事実上占領者の手に移りたる上は、占領者は、絶対的の支障なき限り、占領地の現行法律を尊重して、成るべく公共の秩序および生活を回復確保する為施し得へき一切の手段を尽くし」とあり占領軍といえども憲法を押し付けることは出来ない。つまりもともと日本国憲法という国家の国防の意思を剥奪し弱国化をねらった憲法など違法といえる。しかもこの日本国憲法の内容とは9条に代表されるように酷いものである。国民主権は伝統の価値を忘れた大衆に政治をゆだね衆愚政治を招き、基本的人権など大衆の欲望を全面肯定し、平和憲法なるものによって国民の国防意識を忘却せしめ、その国際主義なるものは世界に対しただ受身外交をしいた。大事なのは人間の権利ではなく、良識ある国民の権利である。そしてなんといってもこの日本国憲法なるものは天皇条項を除き、まったく日本の伝統・価値を反映していないうえに、その政教分離というものを厳格にし靖国神社をという日にいずる国の根源的なものを破壊せしめんとするなど許すまじである。ここで北朝鮮と話をリンクさせることができる。つまり、北朝鮮・中国の脅威を強調することで国民の意識の向上を促すことができる。北朝鮮がいくら110万人、中国が200万人の兵力を要していようとも、自衛隊の敵ではあるまい。自衛隊の航空・海洋能力、技術をもってすれば人数の多少など問題ではなく海・空戦において日本はこれらの国たいして確実に防衛に成功するだろう、核攻撃さえされなければ・・・。この2国の核保有を鑑みるといくら大衆といえども不安を感じずには入れないはずで国防意識をもてば憲法破棄、核武装にもっていけるはずだ。この点を考えるとある時期までは北朝鮮が存続することは望ましい。また対中戦略を考えた場合でも在韓米軍として米軍が韓国に駐留し手くれたほうが望ましい。また北朝鮮の自滅を防ぐためにも望ましい。アメリカのイラク戦争は戦争をするための作法が守られていないということでイラク戦争は大義なき戦争でかの国家は野蛮だといわざるを得ないとしかいえない。そのような国家をいつまでも「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して・・」(*9)云々とはいえないはずだ。よって「根っからの親米派」と自ら自称する小泉純一郎という伝統破壊の上っ面のみ保守の左翼首相など早くやめてもらいたい。日本には日本の伝統があるのだが、国防を対米依存するという文明の末期症状を呈した戦後は日本の伝統を破壊し、アメリカ的なるものを最善のもとして採用してきた。このようにこの国の本性がわかったからにはアメリカ的なるものは最善とは限らないと自覚していただきたい。それゆえ、アメリカ流の規制緩和に基づく改革、競争を激化させる民営化などとんでもない。世界的な米軍の再編成では上記のように在韓米軍は減少し、日本により比重がおかれるというが、日本はこのようなならずもの国家(rogue
state)とはより深い関わりはまっぴらである。
結論
在韓米軍および在日米軍は北朝鮮・中国への抑止力となっており、或る意味で北東アジアの安全保障に寄与しているといえる。また北朝鮮自体が在韓米軍を中国への牽制として利用している節もある。現在はアメリカの存在によって北朝鮮よりも中国を抑止している。過去の日本の在日米軍の存在は日本に巻き込まれる恐怖(entrapment)がありまた現在も続く直接的なコストとして米軍基地問題、思いやり予算などがある。また韓国においても在韓米軍にたいし日本同様に基地問題で反米デモすらおこっている。米軍の駐留によって近隣諸国に政治的コストが発生するのは当然であるが、合理的な意味での効用のほうが冷戦時においては日本、韓国においては大きかった。だが、冷戦がおわっても米軍が駐留していることは自主防衛を阻害するものである。日本は一刻も早く自主防衛路線を採用しなければ、精神の腐敗がとまらない。また日韓が協力するということは非常に難しいように思われる。たしかに韓国は民衆主義が進展し韓国内部から「親日派の弁明」の著者金完燮氏や「スカートの風」の著者呉善花氏など反日教育一辺倒の韓国政府へ懐疑の声を出しているのも事実である。だが韓国人の意識からすると日本と協力をし中国と対立することなど文化的に不可能だ。韓国人の呉善花氏は"韓国人には中国は文化の兄であり、日本は弟だという気持ちがあります。兄の悪行は許せても、自分より下の弟から加えられた悪行は、決して許すことができないのです"(*10)とのべ韓国人には残念ながら小中華主義というものがあり、中国が兄で日本は弟なので日本は劣っていて、中国に近い自分たちは優越しているというものを抱いている。また呉善花氏は”親日的だといわれている人ですら、日本との比較ではけっして韓国を劣位におくことはしない。どこかで劣位においたとしても、それにはかならず別のいいわけがつけられ、本当の意味では劣位ではない、といった表現をする”(*11)。このような国とまっとうな協力関係がはたしてなんらかの拘束力なしで可能であろうか。日本と韓国が適切な関係で付き合うためには北朝鮮からのおおきな脅威が必要になる。北朝鮮からの脅威がなくなれば韓国は中国側へ傾くことは間違いない。北朝鮮の国力が低下した今、韓国と適切な軍事関係を持ちたいならば、在韓米軍の削減は歓迎すべきではないか。もちろん韓国と良好な軍事関係を保てたとしても現在の日本の仮想敵国である中国に対して連帯、または超大国アメリカの要求に屈せぬように連帯しないと意味はないのだが。こんな韓国との連帯は必要だろうか。
中国や韓国の反日運動が本当は反政府運動ということもありうる。中国や韓国は反日イデオロギーをアイデンティティとしている面があるが、言論の自由のない、特に中国に至っては天安門事件に代表されるように反政府なんてことは言えない。そこで反政府として政府を困らせるために反日運動をするということがある。中国には指桑罵塊という行動パターンがあり第3者を攻撃するが、実は第2者を攻撃しているということがあり、これは実際に支那事変においても垣間見られた。”中国における反日団体は中国政府の支持を得ていると日本人は思いがちだが、実際のところは、当局と大変微妙な関係にある”(*12)ということがある。つまり反日団体たちは反日運動という当局からは批判できない運動をすることによって、当局を困らせているという反政府の場合も多くあるのである。同様に韓国でもこのようなことがあり、田原総一郎氏は「韓国の反日運動を見てますと、反日というより反体制運動なんですね」(*13)と述べている。反日という口実なら政府から非難されることもなく、政府を誘導できるのである。このようにもし反日運動が反政府運動であり、やがて反日がやむと予測できるのであれば、その確率は少ないだろうが、日本と韓国とで共同で米軍のあり方を自らにより有益になるようにすることができる。つまり日本にとっては自主防衛路線を歩むことによって米軍の過剰なまでの影響を減じることもできる。だが本来としては韓国という信頼に足らぬ国家と共同せずとも自主防衛路線を歩まねばならぬのだ。もはや米軍依存の安全神話は過去の遺物である。
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中国軍侵攻(予告)と沖縄諸島(南西諸島)
先日、こんなニュースが飛び込んできた。
昨年11月、東京で開いた民間団体主催の日中軍事フォーラム(非公開)で、人民解放軍の将官がこう警告したという。
「
われわれは台湾独立を阻止するためなら武力行使も辞さない。その際、日本は絶対に関与すべきではない。
関与すれば南西諸島を攻撃せざるをえなくなる」
南西諸島は九州南端から台湾近くまで続く島々だ。
この中には当然沖縄本島等も含まれる。
これは明らかに日本及びアメリカに対する脅迫であり一歩間違えば即戦争になりかねない重要発言である。
さてそんな発言されても日本が静観している訳だが,
その沖縄について話そう。
俺にも沖縄の友達はいるが今回の内容は沖縄県人に喧嘩を売る内容になるだろう。
さて“沖縄”といえば基地が多く観光と南国特有の農業が盛んなど“ハワイ”にとても似ている。
ただ、“ハワイ”と違って国民の“愛国心”は全国でも最低だろう。
これは米軍基地負担と沖縄戦が影響しているからだが、もうひとつ“平和”“非戦闘”などの言葉をあまりにも綺麗に考えすぎているようにも思える。
現実問題、中国原潜は沖縄近海でデータ収集しているし、何より非公開とはいえ台湾侵攻を仄めかしてもいるのだから。
さてそんなある意味平和ボケの沖縄だが、基地負担はそんなにすごいことなのか?
よく耳のするのは沖縄県民及び野党は「在日米軍の基地、施設、敷地の75%が沖縄に集中し、政府は県民に負担を強いている」とのことだが、これにはちょっとした“数字のトリック”というウラがある。
実は自衛隊及び民間と共同で使用している米軍基地(三沢、厚木、岩国など)は自衛隊等が少しでも(要は事務所、一部屋でも)使用していれば、米軍基地としてカウントされないのだ。
つまり沖縄県民及び野党が言う“米軍基地”とは“米軍専用基地”という意味で実際には
“25%”しか沖縄には米軍基地は存在しないのだ。
ここで断っておくが「だから負担が多いのは全くのデタラメ」と言う気はない。
実際、地位協定などで負担が多いのは確かだが、本土でもそれは同じことだ。
さらに言うと基地返還を声高らか要求しているが米軍基地が全て無くなった場合、約9000人の人が職を失うことになる。
只でさえ失業率が高いのにこんなことをすれば沖縄計経済は破綻するだろう。
「それは政府が経済対策を十分していないからだ」って声が上がるだろうから予め言っておこう。
まず、小沢一郎や一部の人間から出ている“沖縄経済特区論”だが、はっきり言って意味がない。
よく東南アジアとの貿易拠点とか言うが本土からあまりにも離れすぎた沖縄では仮に貿易したとしても今度は本土へ輸送しなければならず経費等を考えればデメリットしかない。
国内であれば、むしろ東京、大阪と言う近場があるので、証券取引にも向かない。
さらにこの“特区論”はわざわざ日本国内に関税優遇等のいわば“二重経済”を作ることを意味する。
こんなことをするのは共産主義など1党独裁の中国や北朝鮮がやる“付け焼刃の経済”でしかなく、いずれは崩壊するか、本土か沖縄に経済を統一しなければならず労力とそれに伴う損失の方が遥かに大きい。
そして先に中国が台湾を侵攻した場合、日本の生命線であり資源輸送ルート“シーレーン”が完全に戦場もしくは中国の支配化になる恐れがある。
そうなれば国全体の経済も破綻するのでそれこそ“沖縄経済”どころではない。
日本に統合される前のかつての沖縄は“武器を必要としない”国(王朝)が支配していたと言う。
(まあ、実際には沖縄古武術等には武器は存在しているのだが)
だがそれは単に当時の中国等に実質支配され武器の保有を禁じられていただけに過ぎない。
さて現代において沖縄県人はこのまま日本につくのか、それとも中国につくのか非常に興味深い。
今後、重工業などが発展しないであろう沖縄は、どちらにしても本土の支援等がなければやっていけないだろう。
少数民族を弾圧し徹底した環境破壊を行ってまで金をかき集め国を維持しようとする中国
が仮に沖縄を占領しても日本以上の政策で沖縄に貢献するとはとても思えない。
ただ、沖縄県人に分かって欲しいのは中国が本気で“台湾侵攻”すれば日本はどの道、戦争に突入せざるを得なくなり当然、
沖縄は主戦場のひとつとなるだろう。
そうならないためにも中国に「台湾侵攻は割に合わない」と思わせる抑止力が必要であると言うことだ。
泥棒に「この家に入るのは割に合わない」と思わせる防犯対策をするのと同じ、それが国レベルになるだけのことだ。
基地反対も結構だが自分達の“今そこにある危機”をよくよく考えて欲しいと願うばかりだ。
“蘇州の田舎もの” より
当該板で何を言おうが個人の勝手だとは思います。
しかし、余りにも一方的なとか、いい加減な情報を載せることはいくらこの場と言え、余りにも責任が無さ過ぎるのでは?
個人の意見であれば多様なトビが立ち、それにいろいろ回答する事もあるでしょう。
しかし、事実関係に関することは、出来る限り正確さを伴うべきではないかと。
もちろん、数字も見方によって変わりはします。
この板でよく拝見する“Hong某“氏の記載には時々疑問を感じます。
4月17日付けで;
「英国国際戦略研究所(IISS)が出した報告によると日本の軍事費は世界4位でイギリスとほぼ同じ・・・。」と言っておられますが、
此れは数年前の数字ではないでしょうか?
また、 「中国の軍事費と比べりゃ、日本のほうが余程問題だよ」といっておられますが、
金額の過多を比較して「よほど問題」といわれているのか、意味が良く分かりません
(多々、独断的な言い回しが多いい方である点承知しています。 笑)
先ず軍需費ですが;
よく言われる軍事費は各国が国家予算として公表する中の、軍事費、防衛費などを集計したものを使っています。
“Hong某”氏が引用した「英国国際戦略研究所」の数字もほぼ此れだと考えてください。
その上で、此れに沿った各国の軍事費は、現在(2007年度、一部’06年度)のところ
@ 米国 A 英国 B フランス C 中国 D 日本
となっていませんか?
中国と日本の比較;
2008年度予算で言えば、◎国協賛等全人代で決まった国防費は、その広報である外交部発表によれば
約4,177億元(邦貨換算約6兆27百億円 @¥15.0)となっています(外交部発表数字はインターネット上でみられます)。
対する日本は約4兆78百億円です。
中国 約6兆27百億円 > 日本 約4兆78百億円 (政府指針でGDPの1%は今でも生きています)
上記は数字の事実です。 絶対金額で言えば、中国のほうがはるかに多い点ご理解できますか?
そこで、次の疑問です。
絶対金額で比較するのか、それとももろもろの経済指標(パラメーター)を元にして比較するのかもあるかと思います
(“122.133.174.29”の4月18日付けにあるように、人口比)。
一番手っ取り早く比較の基本となるのは、その国の経済の大きさに対する軍事費の比率かと。
中国 日本
基本統計 国土 9,600万キロ平米 37万キロ平米 (26分の1)
人口 12億6千万人 1億2千万人
GDP (06年)
US $ 2, 012/人 US
$35,680/人 (18倍)
(名目) ドル表示ですから為替をいくらにしてあるか?ですが。
名目GDP(06年) 2兆64百億ドル 4兆34百億ドル
これから見れば中国の軍事費が異常であることに気が付きませんか?
過っての帝國陸海軍と同じ? 若しくは、今日では日本と同じだけ車が売れるような国ですから、
当然日本と同じ経済力があると考えるのも一方法ですね?
但し、その場合には、中国の人口は、日本と同じ1億数千万人しかいないと考える必要があります
(ここからは「感覚」で物を言いますが、中国のTOP一億数千万人は多分日本の平均所得よりはるかに高い収入を得ているのでは?)。
従い、軍事費の経済指標比較で言えば、中国は日本より2.3倍も多く軍事に使っているといえませんか?
問題は別のところにもあります。 軍事費の中身ですね! F22ラプターを買うほどのお金があるのも、
2千数百億円もするイージス艦を持つのも、此れが実質的な戦闘能力に直結するからです。
但し、自衛隊員の給与、福利厚生、年金、日常の食費など、等は、確かに軍隊を維持する為のものではありますが、
戦闘能力に直接関係する投資にはなりません。
従い、「純水」部分の軍事費だけを統計数字とする方法(NATO方式)があります。
此れで行けば、皆さんお分かりですね!
280万人の中国陸海空軍軍人の給与などは微々たる物です。
一方、自衛隊員は? 要は、日本の軍事費の約5割が給与などで、
「正面防衛装備費」は実は4割程度しかありません(防衛省のサイトを見てください)。
その為に、小銃弾の備蓄が十分で無い上に、生産する会社の能力もありません(不足)。
一旦、従来型野戦が始まれば、アット言う間に弾丸は尽き」、またしても旧軍同様に銃剣でバンザイ突撃となるようです
(但し、表面的には時間当たりの発射数は米軍とほぼ同じです)。
対する◎国は、原子力潜水艦、イージス艦、ミサイルなど正面装備は日本国以上です。
スウエーデンの王立軍事研究所によれば、この「純水」部分は中国の割合の方が多いし、
更に、国家予算上で軍事費に計上されていない、実質軍事費部分が倍ほどあるのではと言われています
(此れは正確な数字が出ない為各国推測しています。
が、西側各国左様に結論付けています)。
余分なことまで自己流の分析を入れてしまいましたが、“Hong某”氏は、なにが言いたかったのでしょうか?
数字だけが一人歩きするような、また、誤った情報はやはりこの場でも不適切ではないかと?
長々とした文になってしまい申訳無し。
第1軍団司令部座間移駐の目的を推察する
C 第1軍団は、有事に数万の規模で増強される
米軍トランスフォーメーションにかかわる米政府の提案の中で、陸軍第1軍団司令部の座間移駐が最重要項目の一つとされている。
安保条約の極東条項から見てもいかにも無理筋のこの移駐提案に、米政府はなぜこだわりつづけるのだろうか。
なぜ陸軍の司令部が? なぜキャンプ座間に?(日本に?) という誰もが抱く疑問に、日米双方の政府からは、何も返事は返ってこない。
沖縄に極端に偏った基地の負担を軽減するために、とか、普天間や厚木の周辺住民の危険性を軽減するために、
とかいう一見「通りのいい」理由さえ、この第1軍団司令部座間移駐については示されていない。
公に出来ないのなら、こちらから移駐を進める動機を推察してみよう、というのが本稿の趣旨だ。
在韓米軍の削減 ⇒ 補完のための増援戦略 ⇒ キャンプ座間に増援される軍団司令部を移駐 ⇒ 増援部隊の受け入れ場所として、自衛隊基地の共同使用 という論理構成になっている。
何度も繰り返すが、なぜ第1軍団なのか? なぜ座間(もしくは日本)なのか? という問いに、提案した米側からのきちんとした説明がない。
だから、「不安定の弧」に近いほうがいい、などという情緒的な解説が流される。
(近いほうがいいなら、弧の真中のシンガポールかタイに行けばいいじゃないか、と茶々を入れたくなる)
司令官の星の数についても同じだ。
大将だからえらいというのは表面的な話しで、米軍の中では指揮する部隊の大きさや任務に従って司令官の位は決まる。
責任重大な仕事なので大将が任命されるのであって、大将だから司令官になる、というわけではない。
その意味で興味深かったのは、2004年12月19日付け毎日新聞記事「座間の陸軍司令部 指揮権は極東有事に限定」の中の次の一節だ。
『11月の審議官級協議で、米側は「アジア太平洋地域で作戦指揮権を持っているのは太平洋軍司令官だけだ。
キャンプ座間に移転する司令部に平時の作戦指揮権はない」と強調したうえで、
極東地域の紛争に在日米軍が出動する場合に限り、陸海空と海兵隊の4軍の統合指揮権を第1軍団司令官に与える案を示した。』
この記事は、第1軍団司令部の指揮権は極東に限定される、というのが主要なテーマなのだが、
在日米軍の統合指揮権を陸軍の司令官が持つ、というところが極東有事の際の第1軍団の規模を示唆している。
地域統合軍の司令官は通常、一番大きな部隊など、その地域の統合軍の中核となる軍から出る。
今の在日米軍の構成は、在日米軍司令部広報部の資料を見れば一目瞭然だが、陸軍の数は際立って少ない。
米軍の意図が先の毎日新聞記事のとおりだとすれば、極東有事の場合に統合軍の指揮をとる第1軍団の人数は、
4軍の中で最大、またはそれに近い数になっているだろう。
日本に駐留する陸軍の数は、何万というレベルで増えると見なければならない。
それが、増援されて第1軍団の配下に編入される部隊なのだ。
第1軍団の司令部を受け入れる、ということは、実は有事(と米国が判断したとき)に何万人という数の陸軍部隊が、
「日本の防衛」以外の目的でも駐留することにOKのサインを出すことに等しいのだ。
◆米太平洋軍の規模−米国防総省資料から
陸軍−−5万人(韓国、ハワイに各1個師団)
海軍−−空母6隻など艦艇265隻
(第3艦隊=東太平洋、ベーリング海、第7艦隊=西太平洋、インド洋)
海兵隊−−2個海兵機動展開部隊など7万5000人
(米西海岸、日本に各1個部隊)作戦航空機680機
空軍−−戦闘機など300機
(第5空軍=日本、第7空軍=韓国、第13空軍=フィリピン)
東西関係の情勢変化に応じて米軍をさらに削減することも可能。
だが、
日本を母港とする空母、戦略空輸能力、空軍戦闘能力などは、
米軍の地域および世界戦略、日米安保条約上の義務からも保持。
●再び好戦的な国に日本をしたくない
「(大多数の米国人が日本の経済力をソ連の軍事力よりも脅威と感じていることについて)いやなことだ。
誤解があると思う。
日本とは競争しなければならないし、それができないなら、市場を開放させるべきだ。
しかし、日本は友好国だ。我々は太平洋地域で利益を共有している。
私は日本を再び好戦的な国にしたくない。
それには日本が自由で、開放的な国々の仲間であり続けるようにすることだ。
米国民は寛容であり、差別的な衝動に訴えるのは慎むことができるはずだ」
(ブッシュ米大統領=昨年9月、PBS放送との会見で)
【韓米】在韓米軍、2008年以降に朝鮮半島から全面撤収へ
…「原因は韓国政府の反米主義」 [07/29]
- ■在韓米軍、2008年以降「全面撤収」
〜「韓国政府のアメリカ不信・反米主義が原因」
リチャード・ハロラン(Richard
Halloran)前ワシントンポスト紙軍事専門記者は28日、ウェブ
サイト「Real Clear
Politics」への寄稿文を通じて、「在韓米軍は2008年以降には小規模
な象徴的な部隊だけ残すか、全面撤収を検討している」と明らかにした。ハロラン記者は
2003年に在韓米軍縮小に最初に言及した記者だ。当時彼の記事が報道された後、米軍
側は「在韓米軍の兵力規模縮小は論議していない」という論評を出した。しかし彼の記事
は、やや経って事実であることが立証されたのだ。《訳者注》
<前略>ペンタゴンは既に、2008年9月までに在韓米軍兵力を2万5000人ラインで維持
すると発表している。しかしアメリカは現在、2008年以後に小規模の象徴的な部隊だけを
残すか完全撤収を考慮している。ある米軍高官は、現在のベル在韓米軍司令官に言及し
て、「彼の任務は、韓国で火を消すこと」と述べた。
アメリカの在韓米軍撤収理由は以下のとおりだ:
▲イラクとアプガニスタン戦争の余波で、陸軍と空軍の密集度(戦力)が弱まった。全世界
に現在展開されている米軍は、すべての場合の偶発的事態に備えねばならない状況に
直面している。既に在韓米軍の一部兵力がイラクに振り向けられており、より多くの兵力
がこの地域に派遣されると予想される。
▲韓国は有事時に北朝鮮からの攻撃があった場合、アメリカから最小限の援助があれば
自国防衛が可能だ。ウィリアム・ファロン米太平洋司令官は、「韓国は北朝鮮の攻撃から
自国を防衛する能力を保有しており、アメリカは韓国に最小限の援助だけ提供すれば良い
と思われる」と述べている。
▲盧武鉉大統領によって触発された韓国の反米主義も問題として指摘されている。米議会
調査局(CRS)の朝鮮半島専門家であるラリー・ニクシュ博士は先週、「世論調査の結果によ
ると、韓国人の多くが在韓米軍の撤収を支持している」と報告した。
▲韓国政府はまた、アメリカの強硬路線とは異なり北朝鮮に対して融和的な態度を取ると
同時に、アメリカの潜在的競争国である中国に対し好意的な立場を見せている。その一方
で、アジアにおけるアメリカの第一友邦国家である日本に対して非常に批判的である。
▲アメリカは現在、イラク戦争に莫大な予算を投入している実情だ。
- したがって在韓米軍の 戦力増強に使われる110億ドルの予算は、
- 米軍の主要拠点基地になるグァムに転用される と思われる。
<中略>米軍の戦闘準備態勢弱化と韓国政府の対米不信、米軍移転に対する韓国政府
の拒否権行企図、指揮体系(作戦統制権)に対する見解の相違、米軍訓練に対する韓国の
制限、そして米軍基地の韓国への委譲に対する不協和音などが、在韓米軍の撤収計画を
促進させている実情だ。<中略>
米軍関係者によると、アメリカ側は現在の韓国政府と軍司令部に不信感を抱いており、アメ
リカは韓国に提供した情報が北朝鮮の手に渡ることを憂慮してこれ以上の情報を提供して
いない状況だという。
ニクシュ博士は、「このような韓国の状況のため、米国防省は2008年9月以降、より多くの
米軍兵力の撤収を正当化・イシュー化している状況だ」と報告書で明らかにした。それにも
かかわらず、ソウルの在韓米軍スポークスマンは、「2万5千人以下への在韓米軍縮小は
ない」と言い切っているのだ。
2008年4月29日 1:49:00