　鈴鹿山脈の裾野に広がる水と緑の豊かな田舎町・湯ノ山。私はここで、地元産の食材を中心に、醤油や砂糖など良質な調味料、原材料を厳選し、鮮度や味にこだわった蕎麦屋兼民宿を営んでおります。
　蕎麦は国内産の実を、当日石臼で粗挽きします。「挽きたて・打ちたて・ゆでたて」のいわゆる「三たて」とし、メニューも蕎麦の魅力をもっとも引き出せる「ざる蕎麦」「おろし蕎麦」「蕎麦がき」など品数を抑えて提供しています。また、地元で採れた新鮮な野菜を使った「野菜のかき揚げ」、やさしい味わいの「小豆入り玄米ご飯」など、健康に配慮した特性メニューも用意しております。
　建物は古民家風のしつらえ。中にお入りになると、素朴な草花や地元作家による陶芸で飾られた玄関が心を和ませ、さらに奥に進むと磨きこんだ板の間と吹き抜けの空間が広がります。雑木林の緑を眺めて季節を感じながら、お好きな蕎麦をすがすがしい気分で楽しめます。
　さらにゆっくり過ごしたいというお客様には、蕎麦を中心に自家栽培の野菜や地元の山菜などをアレンジした手料理をお出しする一日一組限定のご宿泊もお薦めしております。近隣の御在所岳の登山やロープウェイ、湯ノ山温泉の立ち寄り湯と併せて楽しまれるお客様も多いようです。
　私自身も都会で長く主婦を続けた後、自然溢れるこの地に移り住みました。のんびりとした時間とともに食材本来の味を堪能し、お客様にも田舎暮らしの良さを実感していただけるような店をめざしております。
　　　　　　　　　　　