XTC NW期に登場したひねくれポップバンド。
様々なトラブルを経ながらも存在し続ける、
さしづめポップ版King Crimsonのような存在。
一番売れそうなときにステージ恐怖症にかかってしまい結局売れなかった。
おかげで妙なカルト的人気を得るにいたる不思議なバンド。

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Apple Venus Volume 1

おそらくXTCの中では最も異色なアルバム。
ストリングスを多用したファンタジーのような非常に美しい世界が繰り広げられる。
録音が非常に凝っていてすばらしい。
だがそれ以上にすごいのがこの作品のもつ叙情性だろう。
全曲捨て曲なし。
ところどころにちりばめられた皮肉と
そしてそれに対する一種の諦めのような寂しさが
この作品にただ美しいだけでなくそれ以上のものを与えている。
特に最後を飾るLast Balloonに込められたメッセージは痛く優しい。
童話のような世界観から美しいラブソング、
そして怒りと悲しみと優しさと美しさに満ちたラストソングまで。
なんど聴いても新鮮な輝きを失わない名盤。