Sigur Ros アイスランド出身の四人組。
ポストロックと呼ぶにふさわしい音を出す。
声の高いボーカルと幻想的なトラックが一瞬癒しの影を見せるけれども、
本質は癒しなどとは程遠いと思う。
ライブはすさまじい迫力を持っている。
ほとんど殴りつけるようなドラムに癒しなどない。
圧倒的な悲しみと怒りの表現。
一度はまったらその世界観に深く飲まれてしまいます。

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( )

「( )の中には勝手に好きなタイトルを入れてくれればいい。」
そんなタイトルの付けられ方をした3rdアルバム。
なぜこのアルバムには名前がないのか。
その理由はこのアルバムが生と死を示しているからだと思う。
1曲目の不思議なやさしさと暖かさは誕生を示してるようだ。
新しく生まれてくるものに名前などない。
だからこそ彼らはこのような白を選んだのだと思う。
前半の流れは非常に穏やかでとてもやさしい。
まるで生きている喜びのような感じ。
そしてしばらくの静寂の後訪れる後半。
これは生きていくが故の死への恐怖を表現していると思う。
不安感と悲しみを感じさせる。
その場で倒れこんで頭を抱えていたい感じ。
そしてラストでそれらがひとつの混沌となる。
いままで死で黒く閉ざされていた世界に光が射してくるようなイントロ。
そしてそこからドラムが乱れ狂う混沌へと入ってく。
まさにカタルシス。
生と死がひとつになってそのエネルギーを放ちどちらでもなくなる瞬間。
こいつはとんでもないものを表現した芸術作品だと思う。