NIRVANA もはや語るも愚かしい。
それぐらい語りつくされたバンド。
個人的にはこれが入り口だった。
陰鬱でそして開放的。
ギターノイズにやられた瞬間。
数多くの人間がその姿に自分自身を重ねたバンド。

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NEVERMIND

Smells Like Teen Spiritがなければ・・・
もしもそうなら今はずいぶんと違ったものになっていたと思う。
赤ん坊を金で吊り上げるという皮肉の利きまくったジャケット。
あの1曲だけで全てを変えた。
心の中にある鬱積した気持ちをノイズとともに吐き出す。
この単純なことをもっとも体現したのがこの1曲だと思う。
数多くある音楽の中でその質感はかなり異質である。
だれにもわからないことを呟いて、
自分自身を特別と信じる。
そんな感覚を感じる。
不思議な暖かさ。
周りはみんな作り物で、僕を傷つけない。
そんな暖かい感じ。
実際カートコバーンは空想癖があったらしい。
彼の遺書に書かれていたBuddahというのは
彼の空想の親友だということだ。
IN UTERO

おそらく音楽史上においてここまで怒りと絶望をぶちまけた作品は無いだろう。
救いなど無い。
ひたすらに痛みに対して絶叫するだけ。
前作のような暖かさは無い。
周りの作り物が壊れた。
破片を踏みしめて流れる血と、
割れた鏡で見てしまった自分自身の姿。
みんな敵だ。
僕はだめ人間だ。
頭を抱えてうずくまる。
そして叫ぶ。
泣く。
でも答えは見つからない。
生まれてきたことがうらめしい。
あんたが思い通りにならないことが恨めしい。
あんたが俺を傷つけるのが怖い。
空想が絶望に変わった瞬間。
Best

語るべきはYou Know You're Rightのみ。
この未発表曲を聴いて改めて惜しい人物をなくしたと感じた。
シンプルだけれども心に突き刺さるような感じ。
試聴していて泣きそうになった。
今までのNIRVANAの真骨頂そのものである。
カートコバーンの泣いているような絶叫も
彼でなくては表現し得ないものだと思う。
あとはただの今までのアルバムから曲を引っ張ってきただけ。