ISIS ボストンのハードコアバンド。
強圧的なノイズの渦にうめくようなボーカルが乗る。
とにかくすさまじいのがそのギターノイズ。
迫力ありすぎ。
ハードコアバンドだが外に訴えかけるタイプではなく、
非常に内省的。
でも激情。
スピリチュアルって言葉がよく似合う。
多分こいつらは他人を目の前にしてもその存在を認識していないのでしょう。
こいつを聞かずにヘヴィロックを語っちゃいけません。

戻る

mosquito control+red sea

初期のEPの抱き合わせ。
とにかく初期なので勢いが一番ある。
そして粗い。
強圧的なギターノイズに呻くようなボーカルスタイルは最初から。
このころはメタル的な部分も感じさせる。
音がぐちゃぐちゃに崩れたメタルみたいな感じ。
とにかくテンションが高く凶暴です。
ただ内省的なので攻撃的な感じはしない。
火山の噴火をみているような感じ。
凶暴だけど攻撃的ではない。
celestial+SGNL>5

1stアルバムとEPの抱き合わせ。
前作の荒々しさから整合感が出てきた。
前作のような激情そのままに燃えまくる要素はかなり薄れている。
ただ破壊力が落ちたということはなく、
それを制御できるようになったということ。
まるで何かに対して祈っているようで、
その怒りの対象は神であるような気さえする。
ところどころに挟まれるSGNLのタイプ音は
神が運命を決めている様子を感じさせる。
泣き叫ぶようなギターノイズ。
どうしようもない何かに対する絶望感を感じさせる。
SGNL>5の最後の曲はかっこよすぎ。
もはや神秘的ですらある。
OCEANIC

前作をさらに発展させたコンセプチュアルなアルバム。
テーマはまさに「死」。
とはいってもそこいらのバンドのような浅い世界観じゃない。
死の持つ絶望と開放感、そしてその先にある無。
これを表現しようとしていると感じられる。
意味深なタイトルの1曲目The Begining And The End。
そして中盤に挟まれる海へと落ちていくような効果音。
その後の静寂とやすらぎのような空間。
そしてそれが徐々にノイズを帯びてくる様子。
そういや溺れ死ぬ人間って最初は苦しいけど、
だんだんと脳内に麻酔物質みたいなのが発生して気持ちよくなるんだってね。
そしてふたたび強圧的なノイズに移り、
最後は神経質で気持ち悪いやすらぎを与えてくれるhym。
このhymっていうのは聖歌っていう意味なんだってね。
このアルバムではまるで死んだ後地獄へ落ちていくような、
もしくは無に還って行くような、
そんな感じがする。
そしてここまでギターノイズというものが美しいとは思わなかった。
Panopticon

純粋無垢たる力の表現―
その点において彼らの音楽こそ神に最も近い音楽だと思う。
怒りや憎しみの表現から開放されたへヴイロック。
彼らの音楽から感じられるのはそういった感情を超越した無常観だ。
生と死を内包した圧倒的なエネルギーが宙に浮いている音像。
まるで天から降り注ぐかのように溢れ出す音の洪水。
このアルバムを一言で表現するとするなら「当然」この言葉に尽きる。
このアルバムを鳴らした瞬間空間にまるで「当然」存在すべきのようにこの音楽が存在する。
まるでずっと前から存在していたかのように。
それこそ何万年何億年も前から「当然」この世に存在していたかのように。
未曾有のエネルギーが作り出す圧倒的な存在感。
スケールが違いすぎる。