converge なんとなーくあちこちで絶賛されていたのと、
FUGAZIがこのバンドを気にいっているという情報を見たので、
ちと怖い感じのするバンドだけど購入。
最初はあまりの強烈さに「げ!?」と思ったが、
聞き込めば聞き込むほどその美しさに気付く。

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Jane Doe

とにかく圧倒的なアルバム。
普通のバンドの演奏を2倍速で再生しているような超高速プレイに
プログレバンドも真っ青に変化しまくるリズムに展開。
もはや破綻するしかないような凶暴なエネルギーの中、
それでもなお破綻と構築美のギリギリのラインを全力疾走するようなアルバム。
とにかくドラムとボーカルが無茶苦茶。
まさに感情のまま暴走したおす感じ。
そんな混沌とした空間を冷静かつ知性的なギタープレイががっしりと形を作る。
この両者のバランスが少しでも崩れればこの音楽は破綻するだろう。
そしてその姿はため息が出るほど美しい。
こういう系統の音楽を聴いて美しいと感じることは彼ら以外におそらくありえないだろう。
全てを飲み込みそれをまさにconverge(一点集約)してしまったような音楽。
これを聴いてしまった時点でちょっとやそっとの音楽ではもう感動できないだろう。
日本盤にはこれまたすばらしいcureのカバーが入っている、らしい。
ああ、日本盤を買えばよかったと激しく後悔。
SACDでリマスターして出してくれねえかな?
こんなすばらしい作品なら5000円くらい払ってもいいっすよ、俺は。
You Fail Me

Epitaph移籍でこいつらもあの手の馬鹿っぽい音になるのか、
というのはどうやら杞憂に終わった。
前作を偶然が生んだのなら、
これは必然から生まれた。
前作のようなアクセル全開で炎上しながらなおも暴走する感じとは違い、
この作品はアクセル全開とブレーキを上手く理性的に配合している感じ。
意識的にドラムの手数を増やし、
ギターの音圧を下げた(ギターが脱退したことも関係しているのだろうか?)結果、
より空間的な広がりと隙間が生まれる結果となった。
その際たる例がこのアルバム冒頭のFirst Light,False Light
そしてラストのHanging Moonだと思う。
前作のような焼け付くようなギターノイズの怒号に包まれた曲はYou Fail Meのみ。
全ての楽器がばらばらに分解され、
それでいてなお整合感を持ち偏執狂的なほどにかみ合っている。
全体的に第三者を意識したような冷静さが感じられる。
圧倒的な美意識とエゴと凶暴性に包まれた傑作。

でもいまだにBlack Cloudのコーラスはアホっぽいと思う。