The Who, Rock Opera “Tommy”

Complete translation

-Translation is profanity to the original text-
(翻訳とは原典に対する冒涜である)



All songs written by Peter Dennis Blandford Townshend


Except:

“Eyesight to the Blind (The Hawker)” written by Sonny Boy Williamson

“Cousin Kevin” written by John Alec Entwistle

“Fiddle About” written by John Alec Entwistle

“Tommy’s Holiday Camp” written by Keith John Moon



Translated by 上海航路 へ

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"Overture / It's A Boy" written by Peter Dennis Blandford Townshend

ウォーカー大尉は
帰還せず
彼の未だ生まれざる子は
父を知ることはなかろうぞ
多くの者たちとともに
消え失せたと信じよう
二度相見えること
望む勿れ

看護婦:

男の子ですよ ウォーカー夫人 男の子です
男の子ですよ ウォーカー夫人 男の子です

合唱:

男子哉! 男子哉! 男子哉!


"1921" written by Peter Dennis Blandford Townshend

恋人:

1921年は
良い年になると思う
特に貴女と私が
見詰め合うと

父親:

そうか 君は 1921年は
良い年になると思っているんだね
私と彼女のためにあるのだが
アンタと彼女じゃないぜ 決してな!
私は訳も無く楽観的にはなれなかったが
君が微笑めばと 何とか凌ぎ
悪天候をものともしなかったのだ

母親:

坊やはどうなの?
坊やはどうなの?
坊やはどうなの?
皆見て仕舞ったの!

母親と父親:

お前はそれを聞かなかった
お前はそれを見なかった
お前は誰にも言ってはならない
一生涯な
お前はそれを決して聞かなかった
おお 何と阿呆らしいことか
何の証拠も有りはしない

お前はそれを聞かなかった
お前はそれを見なかった
お前はその内の一言も決して聞いてはいない
お前は誰にも言ってはならない
心の底を打ち明けてはならない
お前の知っていることが真実であることを

父親:

1921年は
良い年になると思う
特に貴女と私が 見詰め合うと
1921年は
良い年になると思う
特に貴女と私が 見詰め合うと
私は訳も無く楽観的にはなれなかったが
君が微笑めばと 何とか凌ぎ
悪天候をものともしなかったのだ

母親:

坊やはどうなの?


"Amazing Journey"(邦題:「すてきな旅行」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

盲聾唖の少年は
或る静かな感応の世界にいる
奇妙ではあるが 彼の音楽的な夢は
それほど悪いものではない

歳は十
思うが儘 大胆に思い
生を愛し 賢明となる
純真に

病は確かに
普段は及び難い所へと心を運ぶ
驚くべき旅に出て
知らねばならぬすべてを学べ

妄想の漠とした霞が
私を包越する
突然見知らぬ背の高い人が見える
彼は銀の閃光を纏う
煌びやかな外套
そして彼の黄金の顎鬚は靡き
地に着かんばかり

何も告げず 何も聞こえず
そして何も見えず
各々の感覚が私の交響楽の一音となる

病は確かに
普段は及び難い所へと心を運ぶ
驚くべき旅に出て
知らねばならぬすべてを学べ

彼の眼は見知るものを伝える眼
事知らす昂る水晶の如き一瞥を放つ
彼は貴方の指導者であり
また水先案内人である
貴方が行くであろう驚くべき旅に伴う


"Sparks" written by Peter Dennis Blandford Townshend

Instrumental music

* 「閃光」。


"Eyesight To The Blind (The Hawker)"(邦題:「光を与えて」) written by Sonny Boy Williamson

行商人:

アンタが自分の女のことを話すのなら
俺の女を見て貰いたいぜ
アンタが自分の女のことを話すのなら
俺の女を見て貰いたいぜ
アイツが愛し始めたら
盲に光を与えるんだ

彼女の魔法は親父譲り
俺は彼女の歩き方で解かるんだ
彼女の魔法は親父譲り
俺は彼女の歩き方で解かるんだ
俺たちが身を揺すり始めれば
唖が喋り出すぜ

彼女にはお前を治す力がある 怖がらなくてイイぜ
彼女にはお前を治す力がある 怖がらなくてイイぜ
彼女の唇から一言漏れれば
聾の耳が聞こえ始めるぜ


"Christmas" written by Peter Dennis Blandford Townshend

父親:

子どもたちの顔を見たかい
彼らはとてもはしゃいでいる
クリスマスの朝
冬のお日様が灯る前に目覚める
彼らは夢を信じている
天の慈愛までも
小包が解かれるのを見ようと
好奇心を以て
ドアの近くで覗いている

それなのに 今日がどんな日なのか トミーは知らない
イエス様が誰なのか お祈りとは何かも
どうして彼は救われよう
この永遠の墓場から

友だちに囲まれても 彼は押し黙って座り
何事にも気が付かない
胸糞の悪いピンボールで遊び
鼻を穿っては微笑み
何事にも舌を突き出す
私は愛を信じているが
光を見たこともない者が
どうして蒙を啓かれよう
彼が治らなければ
霊魂は高められることは無いだろう

それなのに 今日がどんな日なのか トミーは知らない
イエス様が誰なのか お祈りとは何かも
どうして彼は救われよう
この永遠の墓場から

トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
私の言うことが聞こえるか?
どうして彼は救われよう?

トミー:

僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して
僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して!

父親:

トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
トミー、私の言うことが聞こえるか?
聞こえるか? 聞こえるか?
私の言うことが聞こえるか?
どうして彼は救われよう?


"Cousin Kevin"(邦題:「従兄弟のケヴィン」)written by John Alec Entwistle

従兄弟のケヴィン:

僕たちは従兄弟の間柄
たった一人の従兄弟だよ
何か遊びを考えようよ
大人たちはもう何処かに行っちゃった
君は盲で聾で唖だから
あまり楽しくないだろうな
けど僕 今日は誰も遊ぶ人がいないんだ
かくれんぼの遣り方知ってるかい
僕を見付けるのに一週間掛かっちまうさ
その椅子に縛り付けたから 何処へも行けないよ
たくさん出来ちゃうんだ 異常なことを

お風呂に放り込んだら 君はどんな気分になるだろうね
君の顔を沈めたり上げたりして笑っちゃうよ
君を外に放り出したらどうするかい
雨の中に立ちっぱなしで
君は風邪を引いて死んじゃうかなあ

僕は学校の虐めっ子
クラス・ルームのペテン師
一番薄汚い遊び友だち
会ったことも無いような
君の指に押しピンを刺してやる
そして君の足を踏みつけてやる…

僕たちは従兄弟の間柄
たった一人の従兄弟だよ
何か遊びを考えようよ
大人たちはもう何処かに行っちゃった
君は盲で聾で唖だから
あまり楽しくないだろうな
けど僕 今日は誰も遊ぶ人がいないんだ
かくれんぼの遣り方知ってるかい
僕を見付けるのに一週間掛かっちまうさ
その椅子に縛り付けたから 何処へも行けないよ
たくさん出来ちゃうんだ 異常なことを

煙草の火で君の腕を焼きましょうか
目覚し時計のようにギャーギャー泣いて仕舞うだろうね
髪の毛を鉤で引っ掛けて引き摺り廻そうか
それとも階段の上から突き落としてあげようか

僕は学校の虐めっ子
クラス・ルームのペテン師
一番薄汚い遊び友だち
会ったことも無いような
君の晩御飯に硝子を放り込んでやる
そして君の座席には五寸釘…


"Acid Queen*"(邦題:「アシッド・クィーン」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

ジプシー:

もしもアンタの子どもが 在るべき姿で無いならば
この娘が真面にして差し上げましょう
私が彼の在るべき姿を見せて進ぜよう
たった一晩だけで良い 私に預けなさい
私はジプシー アシッド・クィーン
お勘定は前払い
私はジプシー アシッド・クィーン
アンタの魂を掻き毟ってあげるわ

お部屋を拝借 扉は閉めて
暫しの間 お人払いを
アンタの坊やは最早坊やではありませぬ
若者 もう子どもじゃないわ
私はジプシー アシッド・クィーン
お勘定は前払い
私はジプシー 保障付よ
アンタの魂を掻き毟ってあげるわ

知恵を絞って 確り持ち堪えて
アンタの心は彷徨い始めるに違いない
このジプシー・クィーンのように振舞いなさい
アンタは道に行き当たるわ

あたいの仕事はもう済んだわ 彼を御覧なさい
これほど生き生きとしてたことは無いでしょう
頭を揺すって 指を握り締め
彼の身体が身悶えするのを御覧なさい

もしもアンタの子どもが 在るべき姿で無いならば
この娘が真面にして差し上げましょう
私が彼の在るべき姿を見せて進ぜよう
たった一晩だけで良い 私に預けなさい
私はジプシー アシッド・クィーン
お勘定は前払い
私はジプシー 保障付よ
アンタの小さな心を砕くわよ

* "acid" とは「酸」や「酸性」のことではなく、「LSD」もしくは 「気難しい」とか「痛烈な」の意である。


"Underture*" written by Peter Dennis Blandford Townshend

Instrumental music

* "overture" が序曲、前置きのことであり、或る物語の全体を明示的にも暗示的にも覆い告げるものであることからして、"underture" とはその或る物語の根底を支え、無意識的に展開させる根本動因を表現しようとするものであろう。


"Do You Think It's Alright?"(邦題:「大丈夫かい」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

母親:

あなた大丈夫かしら
坊やをアーニイ叔父さんと一緒に残しておいて
あなた大丈夫かしら
彼は今夜 少し呑み過ぎよ
あなた大丈夫かしら

父親:

はいはい 大丈夫だって
はいはい 大丈夫だって


"Fiddle About" written by John Alec Entwistle

アーニイ叔父さん:

ワシはお前の嫌らしいアーニイ叔父さんやで
ワシは嬉しいわ お前は目も見えへんし 耳も聞こえへん
ワシが弄っているのにな
弄っているのにな
弄っているのにな

お前のオカンは お前の面倒看ろ言うて出てったわ
さあ ワシは好きなこと遣らして貰うで
弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

布団を捲って
寝巻きを剥いで!
弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

お前は大きな声を出さへん ワシが弄ってんのにな
弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

弄ってやるよ
弄ってやるよ
弄ってやるよ!

弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る 弄る!


"Pinball Wizard"(邦題:「ピンボールの魔術師」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

地元の若者:

俺は若い頃から
銀の玉で遊んでいた
ソーホーからブライトンまで
それを皆 遣り倒したに違いない
でも あんな奴 見たことも無い
何処のゲーム・センターでも
あの聾唖で盲のガキときたら
ズバッとピンボールを遣りやがるぜ!

銅像みたいに突っ立って
マシンの一部に成り切っている
障害物のすべてを察知して
いつも綺麗に決めやがる
奴は直感でプレイして
点数盤を打ち壊す
あの聾唖で盲のガキときたら
ズバッとピンボールを遣りやがるぜ!

奴はピンボールの魔術師
そこで捻りを掛けるんだ
ピンボールの魔術師は
凄くしなやかな手首をしている

何で奴はそんなこと出来るんだ?
知らねえよ!
何が奴をそんなに上手にさせるのだろう?

奴の気を散らすものなど何も無い
ブザーもベルも聞こえないんだ
チカチカするライトも見えず
嗅覚でプレイしている
いつもリプレイして
そもそも傾けたりなんかしない
あの聾唖で盲のガキときたら
ズバッとピンボールを遣りやがるぜ!

俺は自分のことを
すんげえゲームの王様だと思っていたが
ピンボールの王冠を
奴に譲り渡したよ

俺のお気に入りの台でさえ
奴は俺の最高点を打ち負かす
弟子たちが奴を導き入れ
奴はその後 遣るだけだ
気違いみたいな指を持っていて
失敗なんて見たこと無い
あの聾唖で盲のガキときたら
ズバッとピンボールを遣りやがるぜ!!!!!


"There's A Doctor"(邦題:「ドクター」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

父親:

私が見付けた御人が其処にいる
私たちに喜びを齎すことの出来る御方だ
私が見付けたお医者が其処にいる
坊やを治すことが出来るかも知れない
私が見付けたお医者が其処にいる
坊やを治すことが出来るかも知れない

私が見付けた御人が其処にいる
彼の悲しみを拭い去ることが出来るかも知れない
その御方はこの街に住んでおられる
明日 お訪ねしよう

明日 お訪ねしよう!


"Go To The Mirror!"(邦題:「ミラー・ボーイ」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

医者:

彼はまったく感受性を欠いているようだ
私が課したテストにも一切感応しない
彼の眼は光に反応し 文字盤はそれを感知する
彼は聞こえてはいるが
貴方の呼び掛けには答えられないのだ

トミー:

僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して
僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して

医者:

望みは無い 手術なんぞ無駄だ
望みはすべて彼に掛かっている 私にでは無い
然し乍ら 孤立からの衝撃を想像して御覧なさい
彼が突然聞き 喋り 
見ることが出来るようになった場合の

トミー:

僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して
僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して

医者:

彼の眼は見ることが出来
彼の耳は聞くことが出来 彼の唇は喋ることが出来る
終始 メーターの針は振動する
機械は刺激の類なんぞ与えることは出来ないのだ
彼の内部障碍を取り除く必要が有る

鏡へと向かいなさい 坊や!
鏡へと向かいなさい 坊や!

父親:

私は時折 彼が何を感じているのかと思います
私が喋ったことを
一言でも聞いたことがあるのでしょうか
鏡の中で夢現の彼を看て下さい
彼の頭の中では何が起こっているのでしょうか

トミー:

貴方に聞き随えば 私は音楽を得る
貴方を見詰めれば 私は昂りを得る
貴方に付き随い 私は頂に上る
私は感奮を覚える 貴方の歩みに

貴方の後塵を拝し 私は億劫を見る
貴方の頭上に 私は栄光を見る
貴方より 私は考思を得る
貴方より 私は物語を得る

父親:

彼の頭の中では何が起こっているのでしょうか
おお 私は知りたい 私は知りたいのです


"Tommy, Can You Hear Me?"(邦題:「トミー、聞こえるかい」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

母親:

トミー、私の声が聞こえますか
私が傍にいることを感じますか
トミー、私が見えますか
私は貴方を励ますことが出来るでしょうか

Oooh Tommy, Tommy, Tommy, Tommy

トミー、私の声が聞こえますか
私が傍にいることを感じますか
トミー、私が見えますか
私は貴方を励ますことが出来るでしょうか

Oooh Tommy, Tommy, Tommy, Tommy

トミー、私の声が聞こえますか
私が傍にいることを感じますか
トミー、私が見えますか
私は貴方を励ますことが出来るでしょうか

Oooh Tommy, Tommy, Tommy, Tommy……


"Smash The Mirror"(邦題:「鏡をこわせ」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

母親:

お前は私の呼びかけに応じない
頷きもピクリともしない
しかし お前は自分の姿を見詰めている!
私のことは見ていないようね
けれども お前は自分自身は見えるみたいね
鏡はお前にどんな影響を与えるというの

私が見えるの
それとも私がそう思っているだけなの
私を恐れているのね
私の苛立ちが解かるかい
苛立ちが 苛立ちが 苛立ちが…

聞こえているの それとも恐れているの
鏡を壊して仕舞うわよ
聞こえているの それとも恐れているの
鏡を壊して仕舞うわよ


"Sensation"(邦題:「センセイション」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

トミー:

僕が近付けば 君を圧倒する
君は肺の腑に息を呑み込むんだ
恋人たちは愛撫へと雪崩れ込む
僕が通り過ぎれば愛は高まるんだ

僕が来るのを感じるだろう
新しき心の震え
遠くの方から 僕を見るだろう
僕は素晴らしい感動だ
僕は素晴らしい感動だ

僕と僕の触れるものすべてを崇拝する
僕の眼差しを受けた霞んだ眼
心地良い身震いが彼らの五感を揺さ振る
僕の激しい勢いは彼らの立場に一撃を加える

僕が来るのを感じるだろう
新しき心の震え
遠くの方から 僕を見るだろう
僕は素晴らしい感動だ
僕は素晴らしい感動だ

間も無く僕を見るだろう 僕を感じるか
僕は来る…
小躍りしながら 自分の悩みを放て
彼は答えを知っている
僕は来る… 僕は来る…
僕は素晴らしい感動だ

雁字搦めの人々の生き様を
僕は置き去りにする
彼らは眼が見えるが故に催眠に掛かっている
僕が触れる少数の者が 今や弟子だ
一なる愛 僕は光だ


"Miracle Cure"(邦題:「奇蹟の治療」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

新聞の売り子:

号外! 号外!
みんな読んどくれ
ピンボールの魔術師が奇蹟の治癒!
号外! 号外!
みんな読んどくれ
号外!


"Sally Simpson"(邦題:「サリー・シンプソン」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

家の外でシンプソン氏は告げた
サリーは集会に行ってはいけないと
彼は青のロールス・ロイスを磨き続け
彼女は泣きながらお家に飛び込んだ
部屋に這入って
涙で新しい救世主の写真を濡らして仕舞った
彼女は父親が後生大事にしている本を拾い上げると
それを暖炉に放り込んだ

初めから彼女は
心の奥底では解かっていた
自分とトミーとは天と地ほどの違いがあると
けれども 母親は 彼女に気にしちゃ駄目と言った
貴女の分はなるようになるものだと

説教の主題はこうであった
「我の許に来たれ 愛は道を見出すであろう」
こうしてサリーは父親を無視することにして
こっそりと抜け出した!
彼女は午後に目一杯 お出掛けの準備をし
彼に触れようと決めちゃった
きっと彼は私のことを気儘な奴だと思って
日曜日には話し掛けてくれるでしょう

初めから彼女は
心の奥底では解かっていた
自分とトミーとは天と地ほどの違いがあると
けれども 母親は 彼女に気にしちゃ駄目と言った
貴女の分はなるようになるものだと

彼女が六時に着くと
九時まで会場は
ゴスペル音楽に揺れていた
人々の群れは続けざまに舞台に上がり
サリーは叫びながら其処に座っていた
爪を噛むその姿は まさに絵のように可愛らしかった
最前列の席で
それからバッジ付きのブレザーを着たDJが
駆け上がってこう言った
「さあ 行くぞ!」

群集は狂喜した
トミーが舞台に舞い降りるや否や!
警備員が沸き立つ群衆を後ろへ追い遣ろうとしたら
可愛いサリーは我を失った

しかし雰囲気は忽ち静まった
トミーが教えを垂れたからだ
サリーは彼に伝えなきゃ
自分は彼を愛していると
そして演壇に躍り出た!
スポット・ライトに照らし出された姿へと舞台を走り
彼の顔に触れた
トミーは制服を着た人のようにひらりと身を躱し
彼女を舞台から放り出した

初めから彼女は
心の奥底では解かっていた
自分とトミーとは天と地ほどの違いがあると
けれども 母親は 彼女に気にしちゃ駄目と言った
貴女の分はなるようになるものだと

彼女の頬は椅子に打ち当たり
涙の混じった血を滴らせた
トミーは説教を続行し
その声はサリーの耳を満たした
彼女は彼の目を惹いた 彼女はしなきゃならなかった
けど ライトを通しては見ることが出来なかった
彼女の顔は深傷を負い 救急隊員たちは
その晩 彼女を運び出さなければならなかった

群集は狂喜した
トミーが舞台を降りるや否や!
可愛いサリーは一触れの代償に我を失った
顔には深い傷が Oooooh!

右頬を十六針縫い
そして彼女の父親はこう言った
「ほら 私があれほど言ったのに」
サリーはカリフォルニアで出会った
ロック・ミュージシャンと結婚した
トミーはいつでもあの日のことを語る
弟子たち皆が狂喜したことを!
サリーは今でも頬の傷を取っている
彼の微笑を思い出すために

初めから彼女は
心の奥底では解かっていた
自分とトミーとは天と地ほどの違いがあると
けれども 母親は 彼女に気にしちゃ駄目と言った
貴女の分はなるようになるものだと


"I'm Free"(邦題:「僕は自由だ」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

トミー:

僕は自由 僕は自由だ
そして自由は現実の味がする
僕は自由 僕は自由だ
君たちが僕に付いて来るのを待っている

高さの極みには どうすれば達するのかと
僕が言ったなら
君たちは笑って こう言うだろう
「何事もそんなに簡単ではない」と
けれども君たちは 以前に幾度も告げられたことがある
救世主たちが扉を指し示したけれど
誰も神殿を去る根性を持っていなかったじゃないか!

僕は自由 僕は自由だ
そして自由は現実の味がする
僕は自由 僕は自由だ
君たちが僕に付いて来るのを待っている

コーラス:

どうやって私たちは付き随えば良いのですか
どうやって私たちは付き随えば良いのですか


"Welcome"(邦題:「歓迎」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

トミー:

我が家にお出で
安らぎの民の一員と成りなさい
美しくて明るい家
夜通し呑み明かそう
眠ることを忘れて

牛乳屋さん お入りなさい
そしてパン屋さんも
お婆さんも歓迎するし
靴屋さんも

この家にお出で
この家にお入り

この家にお出で
僕らの一員に成りなさい
これを貴方の家にして
僕らの一員に成りなさい

手伝ってくれ
もっと中へ集めよう
老いも若きも
さあ皆 中へ

この家にお出で
この家にお入り

カーネーションを着けているあの人にも
尋ねて御覧なさい
ヴィクトリア駅から
あらゆる人を来させなさい
あそこの病院に行って
看護婦さんたちや患者さんたちを来させなさい
皆で家に帰って 親戚を連れて来なさい!

この家にお出で
安らぎの民の一員と成りなさい
美しくて明るい家
夜通し呑み明かそう
眠ることを忘れて

〔信者?:〕

恐れ入ります 尊師 更なる者たちが迫っております
更なる者たちが迫る
更なる者たちが迫る
更なる者たちが迫る
更なる者たちが迫る
更なる者たちが迫る
更なる者たちが迫る
更なる者たちが迫る
更なる者たちが!!!

〔トミー:〕

部屋が足りないな
建て増ししよう
色鮮やかな宮殿を
金に糸目は付けない

この家にお出で
僕らの一員に成りなさい
この家にお入りなさい
僕らの一員に成りなさい

この家にお出で
この家にお入り

歓迎!


"Tommy's Holiday Camp"(邦題:「トミーズ・ホリデイ・キャンプ」) written by Keith John Moon

アーニイ叔父さん:

お早う キャンプ場のみんな!

私は君たちのアーニイ叔父さん
トミーの休暇村に喜んで君たちを迎えましょう
ちょっと変わったキャンプだよ
お天気なんか気にしない
君たちがトミーの休暇村に来るのなら
お休みは永遠だよ

いらっしゃい……


"We're Not Gonna Take It"(邦題:「俺達はしないよ」) written by Peter Dennis Blandford Townshend

トミー:

キャンプへようこそ
何故 貴方たちが此処に居るのか 解かっていますよ
私の名前はトミーです
今年 覚醒しました
もし貴方たちが私に付き随いたいのならば
ピンボールをしなければなりません
そうして耳栓をして
目隠しをして
コルクを何処に嵌めれば良いか知っていますね

おい 酔っているな 失礼!
疑ったよ
おい 自然の恵みを吸っているお前!
破滅だぞ
おい イカレた凡人野郎
私の信用を得ようとするな
何故なら 私に付き随う気など無いのだから
何れにせよ
そうしなければとお前たちが思っていたとしても

コーラス:

私たちはそれを受け容れない
私たちはそれを受け容れない
私たちはそれを受け容れない
私たちはそれを受け容れない

私たちはそれを受け容れない
したことも無いし する気も無い
私たちはそれを受け容れない
壊してやる! 揺す振ってやる!
もっと良いのはそれを忘れよう!

トミー:

さて お前たちは私の言うことが聞こえない
お前たちの耳は本当に塞がっているのだ
お前たちは話すことも出来ない
お前たちの口は埋め尽くされているのだ
お前たちは何も見えないのだ
そしてピンボールが状況を完成させる
アーニイ叔父さんがお前たちを導くために遣って来た
お前たち各々のピンボール・マシンの所へ

コーラス:

私たちはそれを受け容れない
私たちはそれを受け容れない
私たちはそれを受け容れない
私たちはそれを受け容れない

私たちはそれを受け容れない
したことも無いし する気も無い
宗教なんぞ必要無い
そして私たちに言わせれば
私たちはそれを受け容れない
したことも無いし する気も無い
私たちはお前を選ぶ積もりは無い
私たちはお前を見捨てる
破壊してやる
もっと良いのはお前を忘れよう!

私たちはお前を見捨てる
破壊してやる
もっと良いのはお前を忘れよう!


"See Me Feel Me / Listening To You" written by Peter Dennis Blandford Townshend

トミー:

僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して
僕を見て 僕を感じて
僕に触れて 僕を治して

貴方に聞き随えば 私は音楽を得る
貴方を見詰めれば 私は昂りを得る
貴方に付き随い 私は頂に上る
私は感奮を覚える 貴方の歩みに

貴方の後塵を拝し 私は億劫を見る
貴方の頭上に 私は栄光を見る
貴方より 私は考思を得る
貴方より 私は物語を得る



Translated by 上海航路 へ

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