師走


2005年12月28日(水) 『風の中のパノラマ』

勢いよくペダルを踏み込んで、橋を一気に駆け上がったその後に
冷たい風にさられながらも緩やかにスロープを下った。

陽の光でキラキラした水面を横目にして
僅か30秒にも満たない時間の中で
今日この日までのことを思う。

何だかとても嬉しくて、でも何処となく切なくもあって
風に目が染みたのをいいことに
期待にも似た未来を、ちょっとだけ憂いでみたりもした。

追い風の日も、向かい風の日も
横風にふらつきそうな日だって
この目に映るのは360度見渡す限りの広い世界。
その全てが前方にある限り

もう僕ら、何処までだって行ける。



2005年12月15日(木) 『遠き日

とりあえずそう、過ごしている今日
振り返れば溺れそうで
家路をいそぐ人に紛れて、甦る君を想う

隠してた不安から隠し切れない涙になる
あの頃の貴方の涙の理由が今更わかる

かじかんだ手、重ねた日々
変わらない記憶の中で
約束を破った僕は今も、君の海を泳いでいる

雲を見てる君が笑う
出会えた日と同じように
終わることも始まることも、考えはしなかったんだ

無邪気にね。笑っては伸びた影を1つにした
積み上げた思い出を貴方は今も覚えていますか?

変わる季節越えた二人
戻れない記憶の向こう
約束を守った君に、僕は何をしてあげられるだろう

かじかんだ手、重ねた日々
変わらない記憶の中で
約束を破った僕は今も、君の海を泳いでいく

※「アンダーグラフ」



2005年12月7日(水) 『Horizon

複雑に入り組んだ入り江を背中に感じて
僕はここから旅立つんだよ
抱えてる想いとか憂いを前に押し出して
君の笑顔に辿りつくまで

昨日が仮に明日を呑み込んでいくとしても
変わらないモノだけは君と歩いているから
何処まででも続く果ての無い「未来」
目的地に手をかざしたなら Horizonを目指して!!

そこに居るその理由(わけ)をいつか君に話せたなら
少しくらいは寄りかかってくれるかな…?
堪えてる痛みとか涙は僕に流せばいい
君が笑顔に辿りつくまで



2005年12月4日(日) 『涙』

ペダルを踏み込む度に吹き付けてくる風の痛さに目が染みて
吐き出す息で曇るメガネの先を歪ませた今シーズン極寒の夜。

これと言った理由もなく目から溢れる雫が頬を伝って
より「憂い」を引き寄せたりもして、大したことのない感傷に
少しだけ、…ほんの少しだけ浸ってみる。

耳元から流れるBGMを感覚で聴けば
言葉そのものがこの胸の中に
寒さよりも先に染み込んで来るのが判った途端
体から滲み出た暖かさに、ふと気づかされて

「まだ行ける…」って、小雨の彼方を覗いた。



2005年12月2日(金) 『白い輪っか』

これはきっと、なにかの証なのか…。

何でも話し合える気心知れた仲間を、俺は見つけたのが解った。

何かに嫌気が差して孤独を感じた時でも
君がくれたこの白い輪っかをさするだけで
不思議と存在を感じて安心する。

何はなくとも。

人はいつだって誰かと繋がってたい。
形のないモノをそう実感するのは困難だ。

でも感じる。

君は、いつだってここに居てくれた。

…ありがとう、心の友よ。