睦月


2006年1月24日(火) 『第2話・温もりの賞味期限』

あると何不自由もなく、柔らかい呼吸に包まれる瞬間。
側に居るだけで、幸せを実感出来る場所。

淋しい位が丁度良いのかも知れないのを知りつつも
時間が経つにつれて薄れていく君の体温が恐くて
忘れない程度にわざと君を思い出さないでいる僕は
少しだけ頼りなくも思えて、こっけいだった。

フラッシュバックの中にあった2本並んだ歯ブラシ。

言葉よりももっと身近なコミュニケーション
近くにいても、遠くにいても感じられたのは
心を奪った熱…「キミ」という体温そのものでした。

温もりが無くなりかけたその時にはまた、会おう。



2006年1月7日(土) 『第1話・モノグラフ』

光の粒が、幾つも連なって
顔の真ん中辺を素早く横切ってく。

まるで心音を確かめてる器具みたいにして
今はひたすら横に流れてくだけの動作を繰り返す。

1つ1つの形はちゃんとあるはずなのに
それを見つめるのは、いつだって小難しい。

1つの君を追っているうちに、もう1つの君を見逃して
直視するのが面倒になってそうこうしてるうちに
ただ横になびいてく線をぼんやり見てることで
もしかしたら俺は
君という人格(ひと)を、捉えたつもりでいたのかも知れない。