■サロメティック・ルナティック |
時に、月の魔力も恋の魔術も、同じ円陣の中に宿るのではないかしら。今やリモコンのボタンひとつで、かの円陣は周り始めるのです。(宝野アリカ) |
サロメのモチーフを中近東のリズムに乗せた、壮大なスケール感への挑戦です。(片倉三起也) |
■嵐が丘 |
何度も聴いた人も、ちょっと聴いた人も、初めて聴く人も、まだ見ぬ風吹き荒れるその丘に立って、あの人の名を、懐かしい名を、呼んでみて。(宝野アリカ) |
東ヨーロッパの民族的なメロディーを、アリプロの音楽の中に融合してみました。(片倉三起也) |
■雪のひとひら |
冬が好きなわりに、そういえば雪をテーマにした歌がないなと思って、したためた一篇。いつもいつも、一片の言葉たちが雪のように降り積もって、氷のようなきらきら綺麗な彫刻になったらいいのになぁ。そうしてあなたの心に触れて、融けてしまえたらいいなぁ。(宝野アリカ) |
詩先があるが故に、切ない旋律を僕なりに・・・・・・。ハーフ・デミニッシュの使い方にこだわった、聴くほどに美しいワルツです。(片倉三起也) |
■ダリの宝石店 |
女の子なら、ショウウインドウに並ぶ高価な宝石を手に入れるより、たった一粒のダイヤモンドを幸福のお約束とともに戴くことの方が、どれだけ大事かしれません。そんなふうに私はただただ、ダリの宝石に恋いこがれてしまったので・・・・・・。(宝野アリカ) |
アリプロの新しいサウンド・チェーン。多様なエレメントの交錯は音楽の未来を予感します。(片倉三起也) |
■Virtual Fantasy |
“月の光を顕微鏡で覗くように、目に見えぬものを愛しなさい”世の中、現実に見えるものだけでは、愛も夢も真実も語れない。(宝野アリカ) |
繊細な詩には諧謔的で攻撃的な曲を、と。目指せハード・コア・スラッシュ・テクノの云う訳です。70年代雅なギターには「人間椅子」の和嶋君をフューチャリングしました。(片倉三起也) |
■小夜啼鳥(ナイチンゲール) |
限りなく透明に近い哀しみを、このハイ・ソプラノに感じてくださったなら、どうかその夜、あなたの鳥篭の扉を開けておいて下さい。あなたの恋を唄うために飛んでゆきましょう。(宝野アリカ) |
ひたすらループされたリズムの中で浮遊するメロ。観念的な流れの方が、刺激があり、愛らしい。
(片倉三起也) |
■ヴェネツィアン・ラプドディー |
まだ訪れたことのないベニスのイメージは、生まれる前の恋人に出逢えそうな街。もちろんそれはタジオのような美少年で、私はそこまでも迷い込んで彷徨いつづけるのです。(宝野アリカ) |
モチーフをベニスに移した、「嵐が丘」の完全版。後藤龍伸さんのパガニーニ風ヴァイオリンは絶品です。
(片倉三起也) |
■星降る夜の天文学 |
ねえ、一度でいいから、澄みきった夜の下、高原の真中にベッドを置いて寝てみたいとおもいませんか?
(宝野アリカ) |
正統派POPS仕立ての軽快な曲。アリカのVOICEがとてもキュートでしょ?(片倉三起也) |
■月光の橋 |
しずかにしずかに・・・・・・、あなたの窓辺にも届きますように。(宝野アリカ) |
弦カルテット用に書き上げた小品。心地よい哀感が妙味です。(片倉三起也) |
■オフェリア遺文 |
ひと夏を過ごした軽井沢の白樺のこもれびと、素足を濡らした湖水のさざなみと、追憶の壁にかけられたロセッティの絵と、眠り姫への憧憬と、しおれた薔薇の錆びた香りを、壮大なるオーケストレーションで唄ってみました。
(宝野アリカ) |
アリカの繊細なヴォーカルを引き立たせた、一篇のセレナーデ。(片倉三起也) |
さてさて「DALI」を聴き終えた貴方の、絶句したお顔が見てみたい。
アリプロ自慢のセカンド・アルバム。「ダリの宝石」同様、出口は二度と開きません。 |