BUNTA ROOM |
ササラポーサラのベース担当 菅原文太が
ここ最近観た映画や買ったCD、読んだ本などについてのレポート(というか感想文)を
独断と偏見でだらだらと書き連ねてます。
暇つぶしに御一読どうぞ。
<映画/DVD>スパイダーマン2
レンタルで「スパイダーマン2」を観ました。
もともとヒーロー物は大好きなんやけど、前作は劇場に足を運び損ねてテレビ放送で初視聴。
しかも何かやりながらチラ見するような、集中力を欠いた失礼な観方をしてしまい、
まあこんなもんかな、そこそこ面白かったな程度の印象しか持ってませんでした。
なもんで2も軽く暇つぶし程度でレンタルしたんですが、これがなかなか楽しめました。
巷に溢れかえるCG映像には、正直食傷気味の俺なんやけど、
ビル街を飛び回るスパイダーマンの勇姿や、それを追うカメラワーク、
壁にへばりついての乱闘などの出来は素直に感嘆。
CGも使い方とセンスでいくらでも心に引っかかる物が創れるやなと実感しました。
主人公とヒロインの気持の移り変わりも自然で、ただの絵空事なマンガ映画に陥ってないところも
良かです(最近、キャラクターの心理描写もストーリーもいい加減な、某漫画原作映画を観て
ガッカリしたのでなおのこと)。
監督のサム・ライミはデビュー作の「死霊のはらわた」を中学の頃に観て、
その理性の吹っ飛んだ演出に度肝を抜かれたんですが、
作品数を重ねる度に比較的まともな作風に様変わり。
オタク監督かと思いきや、実は案外今まで計算でやってたのかも。
スタイリッシュにデビューして、実は生粋のオタクだったタランティーノとは正反対。
とは言いつつも、最新作の今作でも、要所要所で得体の知れない妙なカットが突然飛び出したりと、
かつてを彷彿させる瞬間があり、ちょっと嬉しいものを感じました。
04.12.26(日)
<書籍>封印作品の謎
知り合いが、これ面白いから読んでみれと
「封印作品の謎」という本を貸してくれました。
過去に放送、上映、出版されたものの、様々な理由でクレームが付き、
今や一切公に出来なくなった曰くつきのテレビ番組や映画、マンガの裏事情を書き連ねた本で、
これがほんなこつ興味深いエピソードの連続で面白か。
単純に放送禁止用語がどうというレベルではない凄まじい理由で、
こんなにも傑作(怪作)が封印されていたとは驚き。
故・手塚治虫先生の「ブラックジャック」で、脳手術に関する用語の誤解により、
東大精医連からの強い弾圧を受け、
未だに二つのストーリーが封印されたままというのは実に勿体ない話。
根底に流れるテーマを無視して、目に見える部分のみがクローズアップされ
問題視されるのもどうかと思う。
「ブラックジャック」に限らず、クレーム付ける側が、その作品を第一話からきちんと見ていれば
状況はもう少し違ったのかも。
東大医学部の学生に「でたらめを描くなら漫画家をやめちまえ」と罵られた手塚先生。
曰く「でたらめなことが描けない漫画なんて、この世にあるものでしょうか」
04.11.18(木)
文太
<映画>マッハ!
公開中の「マッハ!」を観てきました。
アクション映画好きの皆さん、今すぐ観ましょう。以上。これで終わっても良かくらい、
タイのムエタイアクションは想像以上のスサまじさでした。
前半ちょっと間伸びしてるとか、編集をもう少しなんとかしてほしいとか、
いくつか思うところもあったけど、もうどーでもいいや。
それほど主演のトニー・ジャーが凄いです。ただ、どーでもいいやと思いつつも一つだけ。
「トニー・ジャー凄い」という驚きと同時に
「全盛期のジャッキー・チェンって、ほんとにアクションの組み立て方が上手かったんやなあ」
という思いを抱いたのも事実。変化にとんだ立体的な殺陣、小道具を利用したアクションなどは、
明らかにジャッキー・チェンが上。
肉体や技のみならず、演出面、より洗練されたアイデアが加わってくれば最強。
次回以降、どんな変化を見せてくれるか楽しみです。
04 8.2(月)
<映画/DVD>昭和歌謡大全集
先日の「69」に続き、同じく村上龍原作の「昭和歌謡大全集」を
DVDで観ました。
日々目的も無く、空虚な毎日を送ってるオバさん達と若者達の、
ふとしたキッカケで始まる殺し合いを描いたブラックユーモア劇。
数年前に原作を読んで、そのコウトウムケイな展開に大笑いをしたんですが、
今回の映画版も(後半映画オリジナルの変更があるものの)基本的に原作に忠実に話が進みます。
映画ならではの面白さという意味では、今回は出演者がみんなハマってます。
特にオバさん達の配役はイメージ通りで、井戸端会議の延長のノリで殺しの計画を企てる様は
かなり笑えました。最近当たりが多いな村上龍原作作品。
04 7.15(木)
<映画>69Sixty-nine
公開中の映画「69 Sixty-nine」を観てきました。
村上龍の原作は10年程前に読んで以来思い入れのある大好きな小説で、
今回ついに待望の映画化。期待と不安が半々の複雑な思いで劇場に足を運びました。
なにせ原作の楽しさは、台詞の持ち味もさることながら、
常識外れのモノローグ部分の描写によるところが大きく、それって言わば、文章だからこそ楽しめる要素。
ヘタに映像化したら、まったく笑えない、それでいてベタな描写になりかねない危険性大。
現に、映画公開に合わせて雑誌での連載が始まったマンガ版は、正にその履き違え全開のバージョン。
正直映画も同じ道を辿るんじゃ?という不安を抱いての鑑賞でした。しかし!
観始めてわずか数分、タイトルバックでクリームの「White Room」のイントロが高らかに鳴り響いた瞬間、
俺の危惧は遥か彼方にすっ飛びました。
これは良か!原作の持ち味を壊すことなく、その上映画ならではの「動」のパワーを詰め込んだ
好印象な仕上がり。原作にあった(ほんの少し感傷的な)エピローグまでも、
バカバカしく笑い飛ばすというその潔さに心底頭が下がりました。
俺の大好きな原作を、こんな形で映像化してくれたスタッフの方々ありがとう!
04 7.13(火)
<映画>メダリオン
この台風の最中、わざわざ新宿まで足を運び
ジャッキー・チェンの新作「メダリオン」を観てきました。
今回は珍しくSFタッチなストーリーで、一度死んだ主人公が不思議な力を持つメダルによって甦り、
超人的なパワーを手にするという展開。
今までずっと生身のアクションに拘り続けてきたジャッキーが、
長いこと拒んできたワイヤーワークやCGを初めて大々的に取り入れた新路線的作品。
内容が内容なので、人が宙を飛びまくりの非人間的シーンの連続。
まあ、それは良かとです。だってSFですから。
問題なのは映画の前半、まだ主人公が超人になる前のシーンのハズなのに、
既にワイヤーで人が飛びまくってること。ダメじゃん。
これでは力を手に入れてからの絵面の変化が弱くなるやん。
前半は徹底して生身で、後半ワイヤー、CG使用の方が、数段メリハリがついたと思うんやけど。
オープニングのクレジットに、アクション監督サモ・ハン・キンポーの名が。
戦犯は君か!しっかりしろよサモ・ハン!
04 6.21(月)
<映画>ビッグフィッシュ
何気なく観に行ったティム・バートン監督の新作「ビッグ・フィッシュ」。
これが大当たりでした!
皆を楽しませるために、話に尾ヒレをつけて荒唐無稽なホラ話に仕立てて語る父親と、
昔はそれを楽しんで聞いていたけど、すっかり分別のつく大人になり、
本音を語らない父親に不信感を抱いている息子との、心の交流の物語。
ポイントなのは、父親のホラ話をその都度キチンと映像化していること。
この描写の楽しさが、ストーリーをより華々しく活気づかせています。
幻想的なティム・バートンのいつもの持ち味と、地に足のついた人間ドラマがバランス良く調和してて、
思いのほかストーリーに引き込まれてしまいました。
ラストはただただ大号泣!鼻をすするのを堪えるのに必死。
さながら、ポジティブなニュー・シネマ・パラダイスといった趣。
元気になります。オススメです!
04 6.1(火)
<映画/DVD>バートンフィンク
友人から借りたDVD「バートン・フィンク」を見ました。
不思議な映画です。劇作家のバートンが映画会社に雇われて、
B級レスリング映画の台本を書くハメになります。
興味の無い題材のため全く筆が進まず、書けない焦りと逃避の思いから、
幻とも現実ともつかぬ奇妙な世界に入りこんで行きます。
まるでうたた寝の時に見た後味の悪い夢を映像化した感じ。
説明も程々に、映像で語っていくタイプの映画やから難解な印象なんやけど、
個人的には、かつて映画学校時代に体験した、シナリオ実習で締め切りに追われた時の
行き詰まった心境と重なり、感情移入とまでは言わずとも、かなり観入ってしまいました。
監督のコーエン兄弟の作品はあんまり観てる方じゃないけど、
これを機に色々と観てみようと思ってます。
04 5.6(木)
<映画>キルビル2
公開中の「キル・ビルVol.2」を観てきました。
アクション主体の「Vol.1」とはうって変わって、今回は派手なシーン控えめのドラマ重視の展開。
前作も好きやったけど、俺的には今回の方が、よりストーリーにのめり込んで観ることができました。
アクション少なめでも、その分技のキレが増していて、かえって効果的。
前作ではただの状況の羅列だったものが、今回初めてバックグラウンドが描かれ、
一本のストーリーとして成立したという感じ。
やっぱ2本まとめて一つの作品なんやなあと実感。
04 5.12(水)
<映画/DVD>座頭市物語
半年前に劇場で、北野武監督・主演の「座頭市」を観ました。
今までのイメージを打ち破る斬新な座頭市像として絶賛された作品なんやけど、
正直俺はイマイチ映画にのめりこむことができず、消化不良な印象を受けてしまいました。
かといって、今まで勝新太郎版のオリジナルをまともに観たことがあるわけでもないので、
いい機会だと思い、勝新座頭市の第一作「座頭市物語」をレンタルして観てみました。
これがメチャクチャ面白い!ストーリーもさることながら、
なによりも目を奪われるのが勝新自身の存在感の凄まじさ。
画面に映るだけで、今にも何かしでかしそうな不敵なオーラを放ってます。
居合切りの達人なので、勝負は一瞬。あっという間に仕込杖を抜き、敵を切ると、静かに鞘に収める。
ビックリしたのは、この一連の動きを映画の技術(編集やカット割り)でごまかさず、
ワンカットで実際に勝新がやっていること。その神業的な剣さばきだけでも一見の価値アリ。
たしかに座頭市キャラは、勝新の手で既に完成してます。
北野監督が、金髪やタップといった別の切り口でリメイクに挑戦したのも当然です。
あとは個人の好み。俺は断然勝新派。
その後、立て続けに続編「続 座頭市物語」「新 座頭市物語」をレンタル。
一作目に比べると、ストーリー的に見劣りする部分もあるけど、
こと殺陣に関しては回を重ねるごとに磨きがかかっていってます。
あまりの居合いのテンポの良さに、観ていて思わず笑みがこぼれてしまいます。
映画学校時代の友人で、座頭市マニアのA氏曰く、
今後中には出来がイマイチな作品もあるけど、あえて制作順に観て、キャラや殺陣の移り変わる様を
体験してほしいとのこと。もちろんそうしていくつもりです。
これからしばらくは、勝新座頭市シリーズにハマりそうな予感。
04 5.28(金)
<映画/DVD>キルビルDVD購入
先日発売された「キル・ビル」のDVDを買いました。
劇場で見たときも楽しんだけど、一度ストーリーを把握してあらためて見直した今回の方が、
細かい描写や遊びの部分までより一層楽しむことができました。
お話よりもビジュアルのインパクト重視やからだろうけど、
繰り返し見れば見るほど味が出てくる映画です。
観終わった後、今度は日本語吹き替えで再度視聴。この映画に関しては、吹き替え版アリかも。
観客から失笑を買っていたカタコトのニホンゴを、流暢な日本語に吹き替えてくれてるから、
心がヘンに横道にそれることなく映画に没頭できました。
たしかに「ヤッジマイナー!」も、別の意味で面白かけど、
これって監督が意図した笑いとは、また別物やけんな。
04 4.23(金)