アポロ、 君は知っているか? 君の光の届かぬ 片側の世界を、 海よりも冷々さめざめとした青色を、 己が嘲笑した色に染まった人々を、 孤独を包む瞼まぶたという衣を。 いまや人々が僕の鬣たてがみ。 全てが綯ない混ぜぜになった夢のように、 僕の始まりの涙のように、 止みはしない。 終わりはしない。 思い出すことのできぬ壁の色のように、 認められぬ僕の呼吸のように、 ゆっくりと、 優しく、 世界は自身を殺あやめていくんだ。 ひたすらに僕を置き去りにして。