別れと始まり

一瞬、

空からまた涙が降ってきたのかと思った。




自分の頬をつたったものが、

あまりにも海と似ていたから。




そして突然に、

最後に残った「白」が少しだけ思い出せた。




矢印のかたちをして、僕を誘う「白」。




本当の別れは今なのだろう。




無性にがれていたもの。




僕の始まりの理由。











僕は、


見渡せる限りの空を、


見渡せる限りの大地を、





たてがみ色に塗りつぶした。






next→

novel index

←back












Copyright 2007 All Rights Reserved
All trademarks and copyrights on this page are owned by rina-kanai(Sappy).