今日の海は昂たかぶっている。 まるで体内の異物を吐き出すように、 上へ 下へ うねり返しては、引いてゆく。 白い壁が、あともう少しで、 僕の鬣たてがみと同じものになる。 細く横に伸びる白の部分。 決められた道筋のようだ。 どこへも行けはしないのに、 この矢印が僕を誘う。 そして、 その矢印も、もうすぐ消える。