横道坊主 LIVE BATTLE TOUR 【対決!2001】 横道坊主・THEPRIVATES・ THEPAN・ゼンマイ虫 2001.07.01@DRUMBe-1 |
今年の横道坊主は動いている.久留米のバンドで元DEADMEN'Sの木谷さんがDRUMで加入して以来、
1STの初期衝動を取り戻し、アルバムHAPPYは、キティーに移籍後取り組んだ、日本ROCKの真髄の歌中心とした重いBEATで追求していた路線から、尖った歌詞とエッジの尖ったBEATを取り戻し、その2つの武器をMIXさせ(傷)というテーマにたどり着きBESTALBUM(傷痕)とアルバム(がむしゃら)をリリース。これからというテーマが見つかった時に限って悲劇は襲うもの.なんと東芝時代にリリースした6作がすべて廃盤になったのだ.
廃盤が意味するもの・・・・リズム隊脱退.〜契約切れに追い込まれたが、シーナ&ザロケッツやロッカーズの再結成メンバーでもあるbass橋本潤<のちに正式メンバーとなる>、レジスタンスや元ARB白浜久氏のサポートでも知られるDRUMロジャーをサポートに迎え、自主レーベルを設立し新たに走り出し、ファンを大切にしてる証明としても年末に恒例ともなりつつあるALLNIGHTLIVEの敢行.頭脳警察のPANTAとの競演、STREETBEATSを始めとした横のつながりにも動いていた.ロジャーの脱退から偶然であった木谷の加入によるBEATの復活とこれからというときに・・・そして色んな意味でも進化が問われる今年。対バン形式のLIVEとツアーを決め、またその廃盤となった音源からシングル曲(シングルベストはあり)などを排した今にあうアレンジにしたセルフカバーアルバムを8月にリリースすることを決めている.
ツアーの対バンの方も元ZIGGYの戸城がやっていたSLATBANKSのメンバーの新バンドBADSIXBABYSやハイローズがいち押ししているNEATBEATS、LOFTのいまや住人ニューロティカ、元プリプリの中山加奈子率いる昨年元ハノイロックスのマイケルモンローのBACKも勤めたVOODOOHAWAIANS、そしてこちらもROOTSをたどり初期衝動に立ち返って長年同じ東芝にも在籍したPRIVATESなどが名を連ねる.
これまでBEATSとの対バン等、同じフィールドのバンドとの競演があったものの今回はジャンルも意外とフリーで、一本筋の通ったファンにとっても別のバンドのライブと比べてみたり、消化してみたり、昔の音源の焼き直しなど、とにかく今色んなファン見てもらいたいんだろうんだろう。ファンの数を単純に増やすだけの狙いではないはず.なぜなら対バンの選択の所からタッチしている節もあるし、勿論リスクもともなうことでもある.が、横道だけじゃなく、より深く音楽を楽しんでもらうには全くマイナスではないだろう.なぜならそれがツアータイトルにあらわれているのだから・・・・
さて会場へ
Be-1は、ほぼ満員。客入り的には大成功だろう.
ほぼ6時きっかりに突発ゼンマイ虫がスタート。3ピース。一度TVの紹介で見ていたが、かなり謙虚なMCと歌いながら叩く坊主のDRUMERが良い.鉄色の空、夕立、などイースタンユースなどを彷彿させるバンドである.演奏もいけてるし、2月にアルバムも出しているそうだ.ただこのジャンルは最近かなりデビューしており、ナンバーガールやイースタンユースしいてはサニーデイサービスなど全くMIXTUREとは違う方法論で爆音だけでなく、歌詞も昭和のイメージでそれはエレカシのブレークなども反映されているが、例えばはっぴいえんどKIDS達と一緒にいわゆるムーブメントに安易に括られる事なく、独自のカラーを全面に出せるバンドになって欲しいと思ったし.聞くほうもイメージだけで差別化する聞き方だけはやめて欲しい。結局そのツケはバンドに行くのだから・・そんなことを横道は言いたくてこのイベントを組んだのでは・・・と思いながら。ただ10年以上のベテランバンドを控えて立派な演奏であった.
2番目THEPAN。またもや3ピース.かなり若いステージング.が好みである.BLUEHEARTSが日本でも認められPUNKの表現はし易くなったが、複雑な面もある.認知されるのは嬉しい限りだが、人生の生き方とか良くPUNKで叫ばれる為、それを逆手にとって道徳的なイメージで宣伝されて、変なヒロイズムが形成されるパターンである.人生相談のパネラーとか精神分析のセラピスト的な見地で見られるのはいい方だが、誤解されるだけは、ストレスに変わる.ヒーローになりたいかもしれないけど、[お前らにわかってたまるか!]がPUNKでもある.このバンドはそんな物議をかもし出してほしくないバンドである.[一本道は真っ直ぐとは限らない]バラードなのに[見返してやる]そしてやっぱ姿勢である.横道やプライベーツファン相手に煽りまくる.頼もしい若者である.モニターアンプに乗ってみたり、思いっきりジャンプしてみたし.なんと言ってもVOCALの奴が先日亡くなったばかりのジョーイラモーンのTシャツも着ていること。PUNK界ではかなりの衝撃が走っている.それを胸を張って掲げられる勇気に乾杯である.が、彼らはメジャーデビューしたばかりであるが、Hi*limitsといっしょでワーナーからである.ギターボーカルの彼のギターの裏にもステッカーがあったが、グリーンデイと一緒であるが、日本でのパンクの実績がないだけに彼らの真っ直ぐすぎるほどのメッセージがねじ曲げられないように祈りたいほど度パンクであった.SALINGER休止した後メジャーで若手PUNKバンドが見つからない現状のなか、彼らは今年横道とも対バンを経験している.俺は間違いなくコブクロのエールや三木道三のLIFETIMERESPECTよりも元気を貰ったぞ!インディーに落ちても腐らず信じて行って欲しい。反応も演奏が始まると次々に横道ファンらしき人達が耳打ち始めていた.かなり気にしてたはずだ!
さぁー次はプライベーツ。その前に2回のトイレに行くとアンジーのbass岡本有史を発見。
原島さんつながりか?プライベーツは、かなりおとどしのEDGEOFSUMMER[2回同じメンツプライベーツ・グルーバーズ・ハイロウズ・ヒートウェイブLOGOSで行われたイベントで一体デジタル色への移行は何だったんだいと言うかのように、とにかく動き回り古い曲を恥じらいもなくPLAYし、仕舞いには博多を意識した山善やロッカーズで知られる[キャデラック]をやるなど大復活であった.彼らも東芝時代から一度2〜3年冬眠し、5人〜4人に減りボーカル延原ギター手塚が離婚。延原の子供が<さんま大先生>に出演など目まぐるしい動きの中、キャニオンの傘下バリアフリーに移籍し日本のロックバンドではいち早くターンテーブルを導入[今でも下北あたりでスマイリーとかとまわしている]し打ち込み中心の音楽に移行し、プロデューサーにSMAPのSHAKEなどで知られる[チョッカク]を起用し、ガンガンに意識を飛ばし、ファンをビックリさせた.が、在籍したバリアフリーが東芝の傘下に変わり名前もFAITHRECORDに変わり、どういうきっかけがあったのか元のリズム&ブルースR&Rに戻したのである.去年発売されたアルバムは2枚組みで一枚はピロウズやコレクターズのPRODUCEで知られる吉田仁と国内で録音されたそのループミュージックで得た壷を捕らえたR&Rな新曲。2枚目は、2NDALBUMからの付き合いである元ルースターズやUAで知られ、プライベーツも憧れる元サンハウス柴山さんのバンドBLUESLIONの下山潤とUSAルイジアナで録音した、セルフカバーな1枚である.このアルバムでは俺的に色んななくしかけていたスピーカーの向こうから聞こえるR&Rの純粋さや、ただ単なる衝動から来るシンプルなものではなく痛みを知るROCKがここにあった.そして今年また7月にアルバムを落とす.HPも最近立ち上げられLINKの交渉も快く応じてくれた.
PUNKぽいメンバーの中一体どういうPLAYをするのか。新譜からいち早く聞けるのか?
その期待なんて浅はかに裏切られる.
全員スーツ姿で現れ、みんな箱ギター&ベース1曲目は今度のアルバムのボーナストラック・ルースターズもやっていたボディドリーの[MONA]。博多では馴染みの曲に予想通り今のファンは反応は悪い.[今晩はプライベーツといいます]新人バンドかのような紹介は延原らしい挨拶.この日食いつきが良かろうが、悪かろうが煽りまくるメンバー。前のPANのようにモニターの乗ってみたり、目をひん剥いて客を睨みつけたり.まるでギターの手塚はシナロケ鮎川さんのようだ。時々客にうなづいてみたり・・・。
DRUMの森原も横道主催など構っちゃいない.<お前らわからんのか?>と言わんばかりに時々目をつぶって叩いたり、いきなり目をひん剥いて腕をぶんぶん回して叩いたり。ここには俺たちがサンハウスやシナロケやARBや俺らが出ていたJAJAに出ていたバンドのようにさっきにも似た空気があった.<邪魔するな!がたがた言うな!>そんな感じで・・・多分イベントの主旨云々ではなく、バンドはやっぱBATTLEして何ぼである.なんと今日演奏されたのは1曲を除いて全部新曲!でも十分乗れた.前作を軽く上回るかっこよさ!笑いが止まらん買った.
コテコテのR&Rアレンジとまるでサンハウスやシナロケを見てるよな空気。歌詞も聞こえてくる。
(空港へDRIVEに行こうぜ!どうだい!ジェット機の音がが耳を劈く!.SUNSETDRIVE。)
(むかつくぜ!)(転がる石にはコケは生えない.同じ場所にいることが出来ない)(BYEBYEGIRL)
たまにMCでちまちま踊ってんじゃねェよ!と言ってみたりしたが、
やっぱ空気が一掃したのがコテコテのBOOGIEを延原が弾きだして喋り始める.(この前俺たちが尊敬するジョンリーフッカーと言うミュージシャンが老衰で死んじゃって・・・訳のわからない奴から刃物で刺されたりしてないだけ良かったんだけど、俺たちは何度も何度もコピーしてたんだ.あの人がやっていたブギ-が俺たちにも届いて花が咲いてるわけ。だからあの人が大好きだったブギ-の種を今日は俺たちが振りまいて帰るから、皆さんもその種を受け取って花を咲かせてやってください.>
と言って去年発売されたアルバムの1曲目(SPIKEDRIVERBLUES)を叫ぶ.(釘付けにしてX4とどめを刺そう!ニューオリンズであの日見た夢とどめを刺そう!SPIKEDRIVERBLUES、いかれてんのさ おまえら全員!俺の仕事はSPIKEDRIVEBLUES)色んなジャンルを体験しまじで日本音楽界を彷徨い歩いた男がたどり着いた場所はやっぱリTHER&Rであった.俺の仕事はニューオリンズであの日見た夢!最高のレクイエムだった.しかもPUNK中心に聞いているだろう横道ファンを目の前に
こんな偉大なロッカーが居たんだと・・・・素晴らしいLIVEである.
そして横道坊主の登場である.
PRIVATESの後だからといって若いバンドと違って空回る事もなく、まるで繋がっているメッセージかのように1曲目HAPPY!
(くそみそにけなされても俺はHAPPY!)PRIVATESファンよどうにでもとってくれ!と言わんばかりにもとれる。歌詞。これを日々やっているからイベントの主旨を飛び越えたバトルがる.義人は真っ赤なシャツに後ろにFUCKOFFの文字。潤さんは、夏の定番皮ジャン。木谷さんは、
黒のタンクトップで髪はオールバック。舞はCHAOSLONDONと文字が入ったシャツ。2曲目ラプソディー。
3曲目を前に<懐かしい曲を・・・>と言って前奏が始まった瞬間会場をピークに達す。ファンもバンドも信頼しあってこそのCALL&RES!ダンダンダン・・・・暴発ピストル。そして間髪いれず移籍後のおなじみチンピラ。そしてAlice。<このままじゃだめになる>昔の横道いやPUNK系ロッカーではマイナスとも取れる弱さをさらけ出すことによってファンとの距離を縮め、これが傷を知るロックを手に入れた奴にしか勝ち得ない表現である.天井を指差し義人が歌う.(夢ならばこの手にある変わらない思いが胸にある.)今回の一連の動きに対してのファイナルアンサーであろう.これからもよろしくと言う感じかな?それからこれからも戦うと言う姿勢がこの後見せられる.
戦争と言う矛盾だらけのテーマを歌にすることは、夢を与えるバンドにとってリスクをともない難しいことである.またそのテーマに関心を持ってもらうのはもっと難しい.横道坊主は長崎出身。迷わずこのテーマを取り上げている.敬礼!
MCで今回発売されるセルフカバーの経緯が話され、捨てられたものから俺たちがまたという意味もこめてタイトルは
(リサイクル)と名づけたなどのMCの後
デジパックで発売されたROUGHROCKSに入っており、リサイクルにも入っているBATTLEBOOTSを義人がギターを持たず歌い上げる.木谷さんの言ってを見つめながら真剣なまなざしで叩きつづける姿がどの曲にも力をプラスする.
続けて歌われるがむしゃらのブルース。義人のハープが切なく響く.そろそろ皆で盛り上がれる曲を!小さな翼とでかい空。また一気にヒートアップする義人がいつもの2リットルのペットボトルに入った水を吹きまくる.(いつも君は途中であきらめ逃げちまう)(頑張れ!)間髪いれずにここ2年で代表的な曲。解放と薫風へ。解放!開放ではない。解き放つのである.
(腐れ切った世の中でもあきらめるには早すぎる)と義人だけライトに照らされ歌う.そして薫風。
薫風とは初夏のさわやかな風である.常に頑張っているものに対するアンサーソング.(俺たちはみんな生きていけるさ)去年一番俺が励まされた曲です.前回のツアー参加できなかった為に始めて聞くのだが、やっぱリ泣けてくる.
(自分を信じて頑張る人しか輝くことは出来ないんだ)と言ってみては、(間違っていても突き通せばそれは真実)と続き、(苦しみは変わってやれないけど、言葉が役に立つなら心に留めてくれ)と締めて、また(俺たちはみんな生きていけるさ・・・)の大合唱が延々と続く。いつもあまり表情を見せない舞が客に向かって親指をつき立ててOK!と言っている.
頑張って不器用でもやり続けた者にしかもしかしたら分からないかもしれないが、夢を抱くことは決してばかばかしいことではない。
と言うことを立証出来る瞬間である.有難う横道!
アンコールは、UNDERTHEUKとビデオHOWLINGでもラストだった、BABY’S ALRIGHT!舞がロッケンロール〜と叫んでいる。
演奏が終わっても舞のギターの轟音が会場に鳴り響く・・・・
これはあくまで初日の模様である.