ARB TOUR 2002
HEY!WAR
@ZeppFUKUOKA
2002/10/13
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SETLIST
1. BOYS & GIRLS
2. STANDING ON THE STREET
3. 共犯者
4. スケアクロウ
MC
5. LONESOME RYDER
6. WAVE OF LOVE
7. MAY DAY
8. HARD-BOILED CITY
<イントロアカペラあり>
9. EL DORADO
MC
10. はじまりの詩
11. INFINITELY
<REALLIFEバージョン>
MC
12. メドレー
  ・BAD NEWS
  ・赤いラヴレター
  ・ボート・ピープル
・明日かもしれない
  ・Whisky & Vodka
  ・WAR IS OVER!
MC
13. HEY! WAR
14. ユニオン・ロッカー
15. TOKYO CITY は風だらけ
16. TOKYO OUTSIDER

[アンコール(1)]

17. IMAGINE
18. ダディーズ・シューズ
19. 魂こがして

[アンコール(2)]

20. 喝!
21. AFTER '45


ARBは、9月に石橋凌・ARB名義のシングルを出している。タイトル<忘れてはイケナイ物語>。そうです。このバンドの大きなテーマに、<戦争、労働>がある。知っての通り、去年2001年9・11NYのテロ。これは正直どんな方にもいやが上でも<戦争、平和>を意識できた事件であった。今年唯一のARBシングルのタイトルは、<HEY!WAR>平和とも読むということでつけたというこのタイトル。このシングルのツアーが今回のライブである。ライブハウス中心のツアーでARBとしては1年4ヶ月ぶりのツアーでもある。福岡では7月のイベント以来。同じ場所である。が、シングルしか出ていないため、なんかライブに向けてのテンションが曖昧であった。昔はというか、ARBのライブ前は緊張しまくり、わきに汗をかきっぱなしで、ライブの予習等を行っていた。もちろん今週ARBばかり聞いていたし、前の週からツアーはスタートしていたのでSETLISTは大方知っていた。
でも考えてみるとARBのライブを始めてみることになったのも10月であったし、それは解散ツアーであった。当時高校2年。解散の事実を知ったのが、姉の結納の日の待合室でスポーツ新聞にて。その解散ツアーが行われたのが、姉の結婚の5日前。いろんなことが思い出されるが、とにかく今年もARBのライブが見れてラッキーである。テンションが曖昧なのは俺のせいだ!なんて自分を責めながら・・・・いつもライブが後半になるに連れて、<あ〜今度いつ見れるんやろ!>と思ってしまうバンドは間違いなくARBだけですね!

本日は、世間的には3連休の中日。しかも前の日はARBはライブがないという日程で、ツアー4本目が福岡で、明日が被爆地広島。本日は、6時スタート。
バイトを5時までこなし、バスに乗って福岡ドーム前で降りる。兄と合流し、会場に入ると・・・・物販には誰もいない。何! 会場に入る。あいた〜!ガラガラである。
マジで・・・確かに福岡ではCMもあっていたが、7月に来たばかりだし、9月のシングルもソロの中にARBの曲が入っているというシングルで、一番の原因と思われるのは、
9月末にあっためんたいロック系のイベント<元メンバーも入れるとモッズ、ルースターズ、HEATWAVE、BJC,TMGE、CLASH、INU、NUMBERGIRL、ANGIE,ACCIDENTS、POTSHOTなど>これは、地元にとっても久々に大掛かりなイベントであったので、今回をパスした人でも多いとでも言わせるつもりか!しかも、ZEPP横の福岡ドームを本拠地にするダイエーホークスも昨日最終戦を終えたばかり・・・・まぁいい!でも2回の椅子がある指定席は完売というのは知っていたし、ネットでも噂になっていた仙台のようにスタンディング席に椅子はない。
ステージにはKEYBORDもあり、大きくど真ん中に<HEY!WAR ARBTOUR 2002>という旗が掲げてあり、EBI&幸也のアンプのスピーカーに<忘れてはイケナイ物語>のシングルジャケの旗もある。いい感じだ!来れなかった人が絶対後悔する雰囲気があった。

凌!キース!いつもコールが開演5分前ぐらいから起こり出すが、会場の熱がイマイチ盛り上がらない。やはり客が少なすぎるのか?

そして徐々にARBコールが出てきて客電も消えていく。

SEも何もないままキースが一人で登場!
カウントを刻みながらそうこの曲は、<BOYS&GIRLS>幸也、EBIが登場。びっくりしたのは、幸也のいでたち。赤いニット帽を深々とかぶり、黒いシャツに所々赤い模様が入っている。過去にこんなARBのギターリストはいない。EBIも頭は金髪で立て気味。黒い服に首元は銀のラメ入りのスカーフを巻いている。そして凌が登場しないまま、<HELLO!HELLO!HELLO!福岡!HELLO九州!BOYS&GIRLS!!>いつもの狂いたくても・・・の節がないのが残念だが・・・・。そして凌が登場。オールバックに黒い淵の透明のゴーグルをはめている。黒いコートに中のシャツも黒。バッチシだ!<HELLO!BOYS!・・・>昔みたいにここで衝天しそうだが、一番象徴的なのは、かなりスローなスタートである。前作<ハードボイルドシティー>の強烈なメッセージの数々でいつしかARBに求めすぎていたのかもしれない。ARBはロックバンド。間違いない事実としてARBも俺も年を取っている。アップに攻めていくだけがロックではない。これがかっこいいのであるまた!幸也のギターストロークも無理に手数を増やすことなく、強弱を生かしながら自分の味を出している。彼も特にどのギターを使うか!とかそんなことから迷っていたように見えていたが、テレキャスでいわゆるARBの旧曲を自分なりにアレンジしている。EBIも久しぶりのARBを確かめるように・・・凌もうたっている。歌っている。そして今回はキースの調子が最高である。歌にあわせておかずも入れていく。BOYSの後半から幸也の合図でスピードを加速させ、徐々に<STANDING〜>で会場をもうARBに染めていく。そしてネット上でもリクエストが多かったし、前回のライブで聞きたかったナンバー!<共犯者>が、当たり前の流れのようにはじまっていく。<まだまだ捨てたもんじゃない!><可愛い俺の共犯者よ!>と会場を指差しながらお前らも共犯者だと!最初は客もどの曲かわからなかった模様だが、サビぐらいからようやく判ったみたいでLIVEでお馴染みの<スケアクロウ>でそれは一気にヒートアップ。挨拶程度のおなじみ博多弁MCについで、KEYたつのすけさんが加入し、エルドラドツアーの一曲目<LONESOME〜>そうこのLIVEは再結成後の出した3枚のアルバムのハイライト的内容の要素もあるようだ!かなり思い入れのある曲でもあるし、はっきりと歌詞をジェスチャー入りで歌い上げていく。そしてこの次のナンバーは福岡では初披露<WAVE OF LOVE>かなり福岡も喜んでいる。前回EBIのBASSソロから始まった<MAYDAY>CD通りの始まりで、そうちょっとEBIが元気がないように見えるのは俺だけか?<九州JUMPING!FIGHTING九州!>これはライブではお馴染みのナンバーになりそうな語呂替えである。今日のハイライト第一弾。<HBC>の筈だが、KEYBORDからはじまる。そして凌にスポットライトが当てられ<いまだ見えぬ夜明けを俺はお前と迎えに行こう!・・・>とサビの部分のアカペラからはじまる新バージョン。そしてハイライト第2弾。こちらも序盤レゲェの要素を組み込み、KEY&GUIのコンビが生える久々のエルドラド。スライドギター炸裂。この流れに自然と客席から拍手が起こる。<どうもありがとう!楽しんでいる?この曲はもしもブルーな時は思い出してください!はじまりの詩>再結成後の中でもかなりバンドらしい曲である。力溢れるね!EBIの存在感がある曲です。次もかなりアルバムバージョンで披露するのはREALLIFEツアー以来。GUI&VOCALで演奏される<INFINITELY>今日も極上ラブソングを歌いあげている。後半はシングルバージョンもドッキングさせ,リズム隊が入るこの曲の完成系。この曲といい、エルドラドといい、7月発売のジャジーな凌のソロ<カクテルトゥナイト>からある、ブルース、ジャズ調アレンジが、また新しいARBを発見させる。この時点でここ何年再結成した楽曲による陰と陽を聞かせるところは聞かせ、乗らせるとこは乗らせる。今回のツアーにいろいろな期待ものを期待した人も多いと思うし、実際俺も期待していたが、ゆっくりLIVEをメンバーが楽しんでいる。そしてのっけからは爆発できないが、じわじわ乗らせてくれて、しかも最近出した楽曲でARBを体感させてくれるLIVEは再結成して以来初めてだと思う。前回は、傑作HBCのリリースツアーにもかかわらず、福岡で披露したのは4曲だけ・・・そんなARBにストレスさえ覚えたが、今回は新しく2曲HBCから披露してくれていたし、アレンジもされていた。この調子で行こうよ!って感じた。会場がINFINITELYで一体になった後、凌のMCで<ARBが歌ってきたテーマの中に戦争があります。どうしても行き着くテーマであるが、実際に自分が被害をこうむったわけではありません。<中略>去年のテロのこと、黒田征太郎さんとのコラボのことを紹介し、その戦争をテーマにした曲を並べてみました!まず一曲目は80年セカンドアルバムに入っている曲です。悪い噂を聞いてくれ!BADNEWS!>この曲から、幸也は黒いレスポールにギタを変え戦闘モード。照明も両横サイドの目潰し系の照明が追加され、赤いサイレンを表している。ちょっと気になったのは、この次やっとのことで福岡で何年ぶりかの<赤いラブレター>に移行してくれたのであるが、<悪い噂を聞いてくれ!>も<徴兵反対!赤紙反対!>もあの魂こがしてLIVEでのシャウト具合ではなかったのだ!でもやっぱりこのメッセージ系の詩を叩かせたらこんなにしみる太鼓はないです。KEITHさん。日本男児は黙って戦うってことですか?って伺いたいぐらいだった。そして<ボートピープル>もかなり気持ちをこめながら、半ば拳を回すように<シャ〜ラララララララ、ウォ〜ウ、ウォウウォウウォウウォオ>。そして、次に披露されたのはアルバム<砂丘1945>の1曲目明日かもしれない。しかも結構再現しているし、驚いたのは客受けが最高である。歌うことに悩みぬいていた中期のARB時代。ファンも耐えていたのだった。この時代に歌われた反抗ソング。意外としみるんです。その後の<W&V,WAR IS OVER!>は言うまでもなく、ヒートアップ。そして今回のツアータイトル曲<HEY!WAR>知っている人がいたら皆歌ってください!それがまた新曲というのにかなりの団結力のあるARBファンである。この曲の中盤ではコール&レスポンスを促すコーナーがあり、<最近ではまたブッシュがフセイン狙っているようです。ここ九州から、ブッシュに!フセインに!そして東京の小泉純ちゃんに聞こえるように声を返してください!!!!>そういう言葉を呼びかけ、両手を口元にあて山彦のように<HEY!HEY!HEY!WAR、STOP THE WAR!>を何度も繰り返す。本当にいい曲であると思うとともに、改めてこんなことをステージ上から問いかけてくれるバンドは日本には少ないな!と感じた。その後最近団結の元に歌われているようにも感じる<ユニオンロッカー>。ここでやっとエビが客を拳を挙げて煽りだす。こんな乗り乗りの曲でもKEYたつのすけさんは、挑発を左右に振りながら、この曲でも<ユニオン!ユニオン!>と手をあげて歌ってくれている。最高な方だ!セットリストを知っている方が多いのか?東京シティーは風だらけが終わったあと、<じゃー最後になります。>というと<え〜!>と言う声が多かった。他会場ではここに(魂こがしてか喝)が挟まれていたからだ!でもそのコールの中<九州の福岡の全てのアウトサイダーに送ります!TOKYOOUTSIDER>素直に鳥肌が・・・戦ってますこのバンド!今回のライブはよく歌詞を間違うなど凌らしからぬ場面もあったが、映画<自殺サークル>などちゃんと俳優の仕事をやりながら、ここまで等身大の石橋凌が現代に対してメッセージを送ってくれている。泣きそうだった!マイクを頭上でびゅんびゅん回しながら・・・ステージは終わっていった。
アンコールはいつものARBコール!アンコールとか言っている奴は一人もいない。そこでツアーTシャツを着たメンバーが入場。KEITHは裸。KEYBORD抜きで、演奏されたのは、ジョンレノンの<イマジン>。君も僕らに加われば、世界はひとつにむすばれる。その意があるTHE WORLD WILL BE AS ONEという歌詞で、凌が人差し指を空にむけて突き立てると会場は皆、同じように突き立て、その後拍手が巻き起こる。この曲に関しては幸也もKEITHとかなりアイコンタクトとりながら大事に演奏する姿勢が、今回のツアーの裏メッセージがここにあった。全くイマジンに自分は思い入れはないが、伝えてくれることは非常に伝わりました。そしてダディーズシューズ。そして今回この曲のMCが変わっていたことにも好印象。
<一生歌ってけ!魂こがして!!>この曲でも幸也は黒のレスポールに変える。今日のARBはここで終わらなかった。もういっちょ盛り上がるか!と始まった2度目のアンコール!<喝!>前回のツアーで狂ったようにKEYを弾きまくったたつのすけ氏のソロでは、<たっちゃん!>と凌に言われ狂ったようにソロを弾き、途中でサングラスも投げ捨て、最後には両を指差すポーズで彼なりの喝を表現!!かっこよすぎ!その後今回戦争をテーマにされたツアーの最後は<AFTER'45>。
本当にこんなバンドはいない。出来がどうではなく、50近い腹の出たシンガーで、一度音楽も止めた経験もありながら、家族を持ち、不倫でも騒がれ散々世間にもいじめられた、久留米の田舎侍石橋凌が、間違いなく今訴えたいことは<戦争反対であった。>こんな当たり前のテーマを訴える人間を笑う人もいる。事実本日もバリ島で200人近く死者が出るテロが起きたりしている。毎日毎日考えることの難しい一般人の俺らにとって、生き方さえにも勇気をくれたバンドが、10年前と変わらず訴えかけてくれている。そしてこれからも・・・