株式会社日本医療情報出版の「月刊ガン」もっといい日から取材を受けました。
2001年11月号の私のBOOKマークに1ページですが私の文章が載っています。
「月刊ガン」もっといい日は書店に置いていない定期購買システムです。


http://www.gekkan-gan.co.jp/

 退院後に私は変わりました。それはパソコンのおかげです。私は退院したら真っ先にパソコンを習いたいと思いました。パソコンには以前から興味がありましたが40歳をすぎてとても出来る物ではないとあきらめていたのです。それがこの病気になって明日が分からないと思った時やりたいことを残してこの世を去りたくないと思ったのです。

 私がインターネットを開いて初めにした事はキャンサーネットジャパンへのセカンドオピニオンでした。私は主治医の勧める抗癌剤治療を拒否してホルモン療法のみを選んだのですが主治医の意向とは対立してしまい自分の選んだ治療に自信が持てませんでした。そのセカンドオピニオンに答えてくれたのはこの「月刊がん」でも時々登場されている高野利実先生でした。高野先生はとても詳しく説明して下さり私の選んだ治療も再発には無理に強い治療を加えるより最初はホルモン療法から始める事が良策であり貴方には合っていたのではと言って下さいました。この言葉で気にかかっていた霧が一遍に晴れました。

 
闘病のホームページを作ろうと思ったのは乳癌患者の闘病記を目がけてネットサーフィンしても再発患者のホームページがほとんど見あたらなかったからです。参考になるサイトがあまりなかったのです。私以外の再発患者さんもきっとどうすれば良いのか悩んでいるはず。だったら私がリアルタイムで自分自身の治療を発信して行こう!こんな私でも誰かの役に立てるのではと思ったのです。

 
そこで一念発起して、パソコン教室に通いながら闘病記のホームページを作りました。
 
私はこの病気になったからこそ積極的に人生を生きることを学びました。死を見つめて初めて大切な生を生きることを知ったのです。ただ、再発患者であるがゆえ先行きが見えない事は決して嬉しい事ではありません。辛く落ち込む事もあります。
 
でもこんな経験を与えられず平穏な生活を当たり前のように続けていたら私は人の痛みにも気づかない傲慢で臆病な人間として一生を送っていたかもしれません。今は少しは人の痛みが分かる人間になれたと思います。私は無神論者ですが神様がこの世に居られるならこの病気を私に与えられた事に感謝を捧げたいと思います。
 

「やりたい事は今すぐやろう、やれる事は今からやろう、人はいつまでも生きてはいないだからしたい事は先送りしない」これは乳癌のメーリングリストに入り私がパソコンでカレンダーを作るために標語を募集したところこんなステキな作品を送ってくださったのです。たとえ遠くに出かけられなくてもこんなふうにインターネットで世界は大きく広がっていくのですね。