番外レポート

The Ukulele Orchestra of Great Britain

−live report by パスタ(from Slowlife)−

Mar.7,2004

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2004年3月7日、The Ukulele Orchestra of Great Britainの来日公演が渋谷クラブ・クアトロにて開催されました。
ご好意により、スローライフのパスタおやまさん作のレポートを転載させていただきます。多謝。

関連リンク:
  The Ukulele Orchestra of Great Britain(official)
  Tom's Cabin Productionsさん(招聘元)


txt:パスタ

ウクレレ・オーケストラ、クアトロでのライブ行って来ました。いやはや、凄いのなんのって!発想はオリジナリティあふれ、音楽性もあり、ユーモアもあり、とてもクリエイティブな集団でした。メンバーは8名でみなブラック・タイ。でも、持っているウクレレは、大きさも弾き方も、はばらばら(ピック弾き、手でストローク、指でピッキングなど)、個性派集団でした。


簡単にメンバーの特徴を紹介すると、ステージ左から
  1. 金髪ロンゲ男性(ブリティッシュ・ロッカーの残党風)髪を振り乱して3−4本の指でピッキング奏法主体、ユーモアのセンスあり、志村けん風でもある。(私のお気に入り)
  2. 巨体男性、低い声が迫力あり。
  3. 髪の長い女性、Applauss Ovationのウクレレ
  4. バリトン・ウクレレ(?)の男性。おおきなウクレレ、一回ジョージ・ベンソン風にスキャットしながらソロを弾く。
  5. 一番多くソロを引いていた男性。ピックをもってのソロだが、これがなかなか凄い。(このひとも私のお気に入り)
  6. 髪の短い女性
  7. 小柄な男性。高い声と高い音でのはやいストロークが特徴。音にあわせて身体も上下に動くさまは、それだけで、コミカル。
  8. ギター風のベース・ウクレレ(?)を弾く男性。うどんのような弦。歌を歌うと実はいい声。なんかパートリッジ・ファミリーみたいな、笑顔が。
ウクレレ・オーケストラは、何が凄いって、説明するもの難しく、CDでは絶対に伝わらない面白さ。さすが、モンティ・パイソンの国からやってきたという感じ。ライブのDVDでも出ないかなあ。
演奏曲も緩急自在、硬軟取り混ぜ、なんでもありで、でもびしっとキマってかっこいい。

1つのウクレレを5人で演奏、ジミ・ヘン風にウクレレを歯で弾くなんていう小技や、クラプトン(クロスロード)やDeep Purpleのフレーズが出てくる、というのはあたりまえ。Rolling Coconuts(ウクレレ専門ミニ雑誌)で覚えた(よくウクレレの楽譜やタブ譜が載っているので)といって「Only You」をやったり、ほんとおかしな連中です。

ウクレレで、ステッペン・ウルフの「Born To Be Wild」やCHICの「レ・フリーク(おしゃれフリーク)」まではなんとか想像できたけど、Talking Headsの「サイコ・キラー」をやったときにはさすがにぶっ飛んだ!!全員の声をうまく使うのです!そうなんです。われわれには、ウクレレを弾く手があるだけではなく、口も足も身体もあって、それを全部使って表現するのです。

また、そうした偉大なブリティッシュ・ロックやアメリカン・ロックを「むかしむかしのふるーいイギリス(アメリカ)のフォークソングです。20年も前の曲です」などといって客席を笑わせながら演奏するユーモア。


一番すごかったのは、「最後に7曲やる予定が時間がなくなったので1曲だけやります」と言って、

5番の男性がソロを弾き、ベースの伴奏がついてくると、
2番の野太い声の男性が「Close to You」を歌いだし、それに遅れて
1番の金髪ロンゲの男性が「ある愛の詩」を歌い、順次
6番のショートヘアの女性が、「枯葉」を歌い
7番の小柄の男性が、「Killing Me Softly(やさしく歌って)」を歌い。
8番のベース男が「ホテル・カリフォルニア」を歌い
3番の長い髪の女性が「I Will Survive」を歌い、

結局一度に6曲の歌と、1曲のソロが完全にシンクロして、1曲で7曲をやったのです!
これはホントにたまげた。あいつらバケモンや!!(最高級の好意の表現です)


前座に、きよし小林さんのソロ(これもなかなかスウィング・ジャズ風でよかったです)や、ベティー・ブーカ(これはどうでもよかった)だけではなく、中盤でなんとあの、牧伸二さんが出てきて、ウクレレ・オーケストラと「あーんぁ、やんなっちゃった」などを共演!このしっちゃかめっちゃかぶりは最高です。

この饗宴を私は、ステージ最前列、かぶりつきで見ておりました。なんていったて整理番号1番2番でしたので。(10番11番のひとと一緒にいました)


最後に、キヨシ小林さん、ベティー・ブーカがステージに戻り、お客さんにウクレレを持ってステージにあがってもらい、全員で「Sophisticated Hula -邦題:月の夜は」を歌い演奏しました。客席で演奏するのかと思っていた私ですが、大勢にまじってステージにあがると、なにか、ずんずんと前へ前へやってくる人たちがいるではないですか!
あとで、写真で確認すると、活動停止中と聞いている、某ビッグ・グループのOさんやMさん、某協会重鎮のMさん、いまやセンセーになっているRさんや、某男性デユオのLさん、某女性ユニットのIさんなど、いつもの顔ぶれが。。
ここは、逗子マリーナかっちゅうの!!私は、ひかえめに、キヨシ小林さんとベティー・ブーカの間に写っておりました。
中央にパスタ、左端がMATT小林(写真提供)、その右の金髪がりび(ここの運営者)。
そのあと、ウクレレ・オーケストラのメンバー全員とお客さんで何枚も集合写真をとってもらい、最後に大サイン大会。ミーハーな私は、全員のサインをもらおうと思っていたのですが、7名分しかもらえず、あと誰のサインがたりないのか全く不明。おなじようなひとがいっぱいいて、ほんと最後までしっちゃかめっちゃか。

でも、これだけはいえる、彼らのユーモア、お笑いのセンスは、しっかりした音楽性の上に成り立っており、音楽を本当に愛している。お笑いもひとつの文化と考えている。まさに最高の連中でした。CDは最新作あわせて5枚でているようですが、昔のCD手に入らないのかな。>>>Mさんに聞いてみよう。


いやあ、細かいとこまでよく覚えているもんですな。僕は単に歌い踊っていただけでしたけど、とっても楽しゅうございました。ウクレレ教室の女生徒さん2名を同伴していった(というか僕が連行された)のですが、前日までぜんぜん観覧予定はなかったのに偶然行けてほんとうによかった。危ないところでしたよ、マジで。

個人的に補足させていただくとすると、

  • とりあえず、演奏ではウクレレっぽいストラムは皆無でしたね(文句はない)。たぶんハワイアン系のお客さんは置き去りだったんじゃないかなあ(目撃しました。文句? ありませんよ(笑))。

  • ウクレレ×7+エレキベースで、ソリッドベース以外はマイク拾いでした。ひょっとすると、ステージでウクレレの邪魔をしているのはシンバルとエレキギターなのではないか、なんて思ったことでした。僕はピアノを弾いているときにも「シンバルが倍音を消してしまう」のがときどき邪魔だったりしたりするもので、いい例証を見せていただきました。

  • 選曲はかなり70's-80's寄りで、女生徒さんたちがちゃんと付いてきているかどうかが気にはなりました。僕は(29歳ですけど)そのへんが好きでヘッズからシド・ビシャスまで判りますけど、そういう基礎知識がない場合にはどうだったんだろうか、なんて。

  • 牧伸二師匠は『やんなっちゃった節』で2拍喰っちゃったりしていましたな。きちんと合わせるUOGBも流石だけど、Sleepy John Estesあたりのデタラメさを思い出してにこにこしていた僕。
    ちなみに師匠のウクレレはGStringの『Sakura』でした。

  • 生徒18号さんを最終ステージにお誘いしたのだけれども、遠慮されてしまいました。ちゃんと「なに演ってても大丈夫だから」って言ったんだけどなあ。ちょっと残念。

  • 終演後に、メンバーのどなたかの息子さん(御齢6か月)と遊んでたんですけど、彼の名前が「オーティス」君。それを聞いてシンちゃんが言ったのが「レディング」、僕が言ったのが「クレイ」と「ラッシュ」。偏りすぎなんじゃないか。まあいいや。
今回のツアーのDVDが出るとの話もあり、期待しましょう。

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