さて中身はですね、ギタリストのデビッド・クレンさんとのセッション、そしてデイブ・メル・ブルーズ・バンドとのセッションです。
with Mr. David Cullen
Jan.17, 2003 at Perry's Temple Hotel (Temple, PA)
国内調査の結果ではクラシカルもジャズもこなす方でして、なんか真面目そうな人だなあと思ってちょっと緊張していたりして。
なに、演ってみりゃ普通に楽しいわけなのですけれども。ハコは、ホテルのレストランでした。PAはギターアンプで、マイク1本使用。
- 1. Em vs Cm(イントロ)
- 初対面でちょっと話をさせていただいて、それだけでお互いどれだけ演れるかくらいのことは判ります。それで「じゃあ軽く枯葉でも」ということになったんですけど、僕は日本の常識とてKey in Cmで始めて、デイブさんはアメリカの常識なのかなあ、なんでかEmで始めちゃったわけです。
教訓:キーくらい打ち合わせておこうよ。
- 2. 枯葉(Autumn Leaves)
- 気を取り直して、というかへらへらしながらリスタート。Emの『枯葉』って演ったことなかったけど、まあ枯葉だし。
ところがぎっちょん、この曲のルートたるハモニカの「E」音のリードが壊れていて、微妙に音が低い。なんとかテーマを乗り切って、僕のアドリブソロがぜんぶ高音域に行っているのはそのせいです。ギターソロの後は、ハモニカを取り替えたから大丈夫。
デイブさんは左手の爪を伸ばして、5本指で弾いています。ベースラインとコンピング(コードストローク)やメロディが同時に聴こえるでしょう? これは凄いことです。
エンディングは特に打ち合わせもなく、阿吽の呼吸って奴? というか、キーも決めないで始めてるんだから決め事なんかあるわけありませんね。
- 3. 上を向いて歩こう(Also known as 'Sukiyaki')
- これはコード譜を書いていって、「悲しみのブルーズバージョン」で演ろうかと思っていたんですが、曲を知らなかったデイブさんがボサノバで始めちゃったのでそれなりにという面白い事態。
たいがい、ウクレレで演るときにはその場にいるどなたかに「口笛ソロのパート」をお願いするんですが、誰もいなかったもんだから自分で演りました。
1963年のビルボード・トップヒットなんだけどな。
- 4. All of Me
- イントロはドミナントコードで、よく聴くとカウントが入ってるけど僕かな、デイブさんかな。
ここまでポピュラーな曲になるとなんの悩みもなくて、油断しまくりの僕はウクレレも弾いています。エンディングで両者カウントが倍違うのになんでか合ってしまうのが不思議。不思議だから2人してゲタゲタ笑ってます。
- 5. Misty
- ネタを思いつかなかったもので、「じゃあミスティでも」ってことになって。いちおうてっぺんでキーを合わせているのが可愛らしいと思います。ソロやテーマの行ったり来たりは、デイブさんが首を振って指示しているのでした。まあフルコーラスでソロをとるような曲でもないことはお互い判っているわけだし。
エンディングのブレイクも、デイブさんが「それいけ」って目と首で合図。のんきなもんです。
あとでお客さんにいちばん褒められたのがこの演奏なんだけど、単に「ホテルのラウンジ」だったからなのかなあ、なんて思わないこともなく。
- 6. Summertime
- 小休憩の後、デイブさんのソロ演奏がひとしきりあった後、「じゃあSummertimeでも」ということで。休憩中にマイクにリバーブを少しかけてくれたことが判ります。てっぺんでギターが聴こえなくなるのは、アンプのボリュームを調整するために離席したからなんですね、もう余裕かましまくりの私たち。
デイブさんいきなり歌うし、俺も勝手にブレイク挟むし。
- 7. 君にあえてよかった(作詞:じんぺい、作曲:りび)
- これも譜面を持参して、「さあ行きましょう」ってなもんで。まああらかたブルーズなわけだし、僕は歌っていればいいだけなので気楽です。
すいません、エンディングがショボいのは僕が1コーラス端折ったからです、ごめんなさい。
しかし、なに演らせても上手いね、デイブさん。
- 8. Duo Improvisation in C
- ここに来てネタを思いつかなかったんだけど、デイブさんが「Cで演るからついてこい」ってさ。
日本人がオリジナルなぞ演りやがったもんだからというわけでもないのだろうけれども、デイブさんのオリジナルなのかしらん。それにしても知らない曲をいきなり仕事場で演らせるあたり、僕も信用されたもんだということなのでしょうかしらん。
- 9. Straight No Chaser
- ものごっつう有名なブルーズ曲、2人して好き勝手演ってます。
しかし、テーマ吹けてないぞ、私。
with Dave Mell Blues Band
Jan.18, 2003 at the California Bar & Grille (Shillington, PA)
そのデイブさんに「ああ、音のデカいバンドだよ」と言われていたデイブ・メル・ブルーズ・バンド。このトラックからいきなり音量が上がりますが、ほんとにこんな感じ。しかも22時始まりの25時までたっぷり3時間って、男らしくて大好きです。
挨拶時に「キーは?」と聴かれて「CかDかEかFかGかAかB、EbとAbとBbも行けます」って言っちゃったんだけどな、まあクロマチック・ハモニカだからしょうがありません。
- 10. Blues
- 席で呑んでいるとときどき呼び出されるという仕様で、その1曲目。たぶんなんの変哲もないGのスローブルーズで様子を見てみようということなんだと思いますが、まあそこそここなしたかしらん。
デイブさん(さっきのデイブさんじゃないアメリカのデイブさん)がちゃんと呼び出しをしてくれるのが演りやすくて良うございました。
- 11. 君にあえてよかった (with Mr. Joe Stoebenau (Harp))
- 休憩時間に「せっかくだからウクレレでなんか演れ」ということで(このバンドにウクレレで混じって、音が聴こえるわけがありませんね)、やたらと上手いブルーズハープのジョーさんにアイカタをお願いしての演奏。最前列で聴いていたデイブさんとトムさんとジムさん(ギターとベースとタイコの、バンドの皆さん)にやたらとウケていました。
しかし、歌詞目茶苦茶やな、私。
ここで聴こえるのがブルーズハープの音で、僕のクロマチックの音とは明らかに違いますね。この後も両者が入り乱れているものですから、聞き分けられるようにしておいてくださいな。
- 12. Blues
- 少し難しくなって(笑)、4度始まりのスローのA。歌とのカラミはジョーさんに譲ろうとしたら、「構わねえからお前演れ」ということでこのようになっております。僕のソロの前に、「ヘイ、リビサン」というデイブさんの声が聞こえますね。
どうでもいいけど、ギタートリオ+ハモニカには聴こえないよなあ、この音量は。
- 13. Blues
- また少し難しくなって、4度始まりのファストのAでキメ付き。
最初のソロはデイブさんのギターで、これは歌パートとソロパートの構成が違うからガイドしてくれたのだろうと思います。続いて酔っぱらった私のクロマチック・ソロ、そしてジョーさんの火の出るようなブルーズハープのソロ。僕はこの時点で既にコーラスを勘定するような細かいマネはやめているのでした。ああ楽しい。
バンド紹介で、僕も混ぜてアナウンスしてもらいました。さんくす。
- 14. Blues
- 最後の曲、だったような。さらに難しくなって、キメ付き、ブレイク付き、ワンコード伸ばし付き、お客さん乱入付き(笑)。素人がいきなりブレイクで黙り込むと演奏そのものが死にますからね、僕も信用されたもんだということなんでしょうか。
さっきソロをとったところなのに、「いいからまた演れ」と言われたのが僕の2回目のソロ。そのあとジョーさんが続いて、ワンコードになったのをいいことにてきとうに遊んでいるのが私。結婚行進曲がトムさんにウケました。
このあとお客さんをステージに上げてなにやらコーラスをとらせているのですが、何を歌っているのかはさっぱり判らないのでした(「モージョーロッキン」って何?)。
エンディングはジョーさんと「僕は上、ジョーさんは下」って瞬間打合せをして、そのように。ハウリングのように聴こえる上のDが僕です。
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