J-POPとひとくくりでまとめられ出した時代、すなわち90年代から2001年頃にかけて、オーバーグランドのCDを買う人たちはもっと開放的な時代でした。テレビの音楽番組が積極的にアーティストを取り上げ、それを見た人達が次々にCDを買っていくことでミリオンセラーを作り、そこからさらにコアなファンをつり上げていく、つまり、ある曲を買っていく人の中に「カラオケで歌うために買っていく人」「CDで聴くために買っていく人」「ライブに行くために予習しようと買っていく人」「すでにどっぷり浸かっている人」などいろいろな濃淡がありました。それゆえに新旧ファンの対立あり、アンチ同士の対決あり、罵りあいあり、要するに「音楽リスナー同士の対話」がそこにはあったのです。ところが最近では、実力よりも実績でアーティストの格を決めていく傾向が強くなっています。「音楽リスナー同士の対話」以外に積極的に取り上げられた形跡がない曲が売れてしまうことが当たり前となっているのです。このことはアーティストとその固定ファンたちが、『閉じた世界を形成しはじめた』ことに他なりません。
またCD時代にもコピー制限がかかるなどし、音楽に対する関心は『作品自体』から『テレビ』という最もアクセスしやすいメディアに集まる傾向にあります。こうなるとテレビが音楽にもたらす影響は悪いものばかりです。他のメディアは多かれ少なかれ『閉じた世界』を形成していますから、結果として『アーティストのファンはアーティストと閉じた世界を形成』し、それ以外の人とは全くコミュニケーションしなくなってきています。
こうなると、音楽に対する関心はますます狭くなる一方です。自分は倉木麻衣を応援し、彼女の曲ならなんでも知っている!と思っていても、それは『倉木麻衣というアーティストだけの閉じられた世界』なのです。まさに井の中の蛙という言葉がぴったりになってしまうわけですね。こうなってしまわないようにレコード会社はCDに『リミックス』を収録しています。(たぶん。。リミックスを収録することで、そのアーティストにはないアンダーグランドサウンドがオーバーグランドの人たちの耳にも入り、『音楽はオーバーグランドだけではない』ことを伝えられるのです。そしてこのことは、『聴いている自分の音楽はどのようなものなのか』見つめ直すきっかけにもなり、しいては自分の音楽の価値観を高めることにもつながってくるのです。
あなたは友人と音楽の好みについて話したりすることはありますか?
また友人がどういう音楽を聴いているのか知っていますか?
自分が好きでない音楽を聴いている人と議論したことはありますか?
一度もしたことのない人、あなたの音楽観はそれでいいのですか?自分のことは自分の中に閉まってしまう、それであなたは本当に満足していますか?
他の人よりもっと自分らしくありたい、そんな人のためにこのサイトが活用されたらこの上ない幸せです。 |