倉木麻衣さんの新曲Like a star in the nightが出ました。この曲を聴いて、ため息が出るほどうっとりさせられたのは僕だけではないはず。この曲を聴いて素直にうっとりしていればいいんですが、理系大学院生という立場から、「なんでこんなにうっとりさせられるんやろ。」という疑問を抱いてしまいました。そこで今回、収録されているOriginalとアカペラに対して周波数分析を行い、なにがこんなにうっとりさせているのかを検証してみることにしました。
ちなみに僕の専門は「地球科学」で、「音」「波動」はあまり詳しくないです。。間違いが多々あると思いますので、そのときは軽く突っ込んでやってくださいね。へぇ・・くらいに思っていただけたら十分です。
サンプル
WAV形式にリッピングした、倉木麻衣 「Like a star in the
night」のCDより1トラック目、および3トラック目を使用。リッピングにはM.Yanagisawa氏のCD2WAV32を用い、WAVのサンプリング周波数は44.1KHz、サンプリングする際の量子化は16bitに設定。
測定
測定ソフトは、efu氏のフリーウェア WaveSpectra を用いています。サンプリングされた波形に、各周波数がどれだけ含まれているのかを分析するために、測定はFFT(高速フーリエ変換)で行い、縦軸にパワー(デシベル)、横軸に周波数をとった対数グラフにプロットしています。FFTでの窓関数は、ハニング窓にしてあります。
結果
測定結果は縦軸にパワー(デシベル)、横軸に周波数をとった対数グラフにプロットされています。右に行くほど高い音で、左に行くほど低い音を表しています。緑色のプロットはある瞬間の周波数分布を示し、青色のプロットは一定時間の平均周波数分布を示しています。今回は一時期話題になった、「1/fゆらぎ」に注目してプロットを見てみましょう。
「ゆらぎ」というのは、グラフの線の「傾き」のことです。この傾きが「−1」ならば「1/fゆらぎ」、「0」ならば「ホワイトノイズ」になります。ホワイトノイズというのは、ラジオ等で聞こえる「サー」という音です。つまり、グラフの傾きが「−1」に近ければ「1/fゆらぎ」の音として解釈できます。また傾きが0に近い場合は、様々な周波数が混在し、低音から高音までが単調に聴こえてくる音であると言えます。
1.オリジナル曲
1:10までの平均 ひかりをみつけだし♪の部分
全体的に緩やかな傾きが見られます。「1/fゆらぎ」に近いと判断します。ピアノとギター、麻衣さんの声が混じっていますが、150Hz付近はギターの音、400〜1000Hzまでは麻衣さんとピアノの音、10kHz付近は麻衣さんの声だと思われます。
ささやきの出だし
4:02からのささやき部分です。麻衣さんが歌い出す出だしの部分を緑で表しています。青はささやきの間の平均を表しています。ここの部分は麻衣さんの声しか含まれていません。290Hzのピークと、100Hz以下の低い音がほとんど出ていないのが特徴ですね。
ささやきの終わり
ささやきを歌い終わった、余韻の部分です。9KHz付近のゆったりとしたピークが特徴的ですね。他の音はほとんど出ていません。このような右肩上がりのプロットはあまり見たことがないです。というか、はじめて見ました。
さび in to the sky♪
サビの部分の最も盛り上がる、in to the skyの部分を表しています。いろいろな楽器の音が混在しています。550Hzのピークは麻衣さんの声だと思われます。全体的に平坦で、傾きは0に等しいです。
さび ベルのカーソル
同じくサビの部分です。よく聴いていただくと鈴のようなベルの音が入っていると思うんですが、この高い音のピークを示しています。8kHz付近にかなり強い音圧で入っているので、傾き自体は0に等しくなっています。
終わりのヴァイオリン
曲の最後のヴァイオリンの部分です。ヴァイオリンだけでもいろんな周波数が混在していることがわかると思います。曲の中ではもっとも「1/fゆらぎ」に近い波形です。16kHz付近のピークは曲の間ずっと混じっていたノイズです。
1.オリジナル曲
アカペラヴァージョンはまた後日。。
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