カセットテープMTRをハードディスクに復元
自分はPC環境へ移行する前にメインの制作マシンであったのが4トラックカセットMTRでした。というかこれしかありませんでした。しかも4トラックという限られたトラック数の中で、ピンポン録音の繰り返しで音質は劣化するし、本当に大変でした。 で、今回のテーマ「カセットテープMTRをハードディスクに復元」です。当然この作業にもSamplitudeを使います。この作業のポイントは過去に録音した音をPCに取り込んで管理できるようにする、ということです。要するにカセットテープを処分して生き返らせる+4トラックの限界を飛び越える、ということです。あまり意味が無いかもと思うかもしれませんが、大いに意味があります。その理由は 1.二度とあの頃と同じ演奏が出来ない(良くも悪くも)。そう、演奏とは一過性のものです。 2.Samplitudeのノイズリダクションなどのエフェクトを使えば当時の2MIXをはるかに凌ぐ2MIXが出来る。 3.カセットテープは場所をとる。 4.カセットテープは伸びる(カビも生えます)。要は保存性の問題。 5.曲の管理が容易である。自分はカセットMTRに約100曲、テープの本数にして50本ぐらいあり、自分の管理能力をはるかに超えてしまっています。 他にも理由はありますが私の場合はこんな理由です・・・。 ちなみにこのテーマに取り組むと話が長くなるので、数回に分けて紹介します。 まず今回は、カセットMTRの音(演奏)をSamplitudeで取り込む作業です。 最初に、一番面倒くさい接続をします。私の使用していたカセットMTR(Fostex X-26)は各トラックをそれぞれ一つずつ出力(パラアウト)する端子があるのでその専用端子から出力します。合計で4トラックをPCに取り込むのですから、オーディオインターフェイスも4トラック(ステレオ×2)同時に録音(入力)できるものがベストです。しかし、私はそんな高級なオーディオインターフェイスは持っていません。ほとんどのオーディオカードは、2トラックまで(ステレオ1系統)です。そこで考えられる対策としては、 1.オーディオカードをもう一つ買う。 2.2トラックずつ録音して後で同期をとる。 3.今まで一度も使っていなかったオンボードのサウンド機能を使ってみる。 1の場合は完璧ですが2の場合は要注意。カセットテープの同期はまず無理。同じ条件でMTRを再生しPCで録音し、曲の頭を揃えても、途中から音がずれてしまいます(Samplitudeで切り貼りして揃えることはもちろん出来ますが、少し面倒)。3の場合は当然、録音品質に差が出ます。 ちなみに私は3で解決してます。3千円ぐらいの安いサウンドカードで対処してます。音質差といっても、録音する音源がカセットテープなのでそんなに神経質にならなくても良いかなと。 かくして、私は4トラックを同時に録音しています。 録音の手順は新規VIPファイルを44.1Khz・16Bitを指定して2トラック以上で作成。 Samplitudeでは録音デバイスを各トラックごとに指定できるので、それぞれの録音デバイスを指定してから、録音レベルは0db寸止めで録音スタートです。録音ダイアログ等の設定は難しいところは特にありませんが、私は32Bit Floatを指定しています(何がどう違うかはよく分かりませんが)。 録音が終わり、波形を見てみると・・・ノイズがひどい。特にギターのパートはひどい。こんな演奏、ノイズの海の中で録音したようなもの。S/N比(音に対してのノイズの比率を数値化したものです。数が大きい程、含まれるノイズは少ない=原音の比率が高い)もすごく悪そう。しかし、ここからがSamplitudeの腕の見せ所です。と、ノイズリダクションに手が伸びそうになる前にやっておきたいことがいくつかあります。 まず、ステレオトラック×2で録音してあるので、それぞれを各モノラルトラックに再構成させます。{File→Convert Audio→Stereo-Wave->Mono}を選択します。 この段階で見た目にも4トラックになります。
次にステレオを2つのモノラルに変換したものは、自動的にPANが左右に振られています。これをリセット。これには |