Note…
ある精神病患者のタワゴト
さすがにそろそろ更新しないと俺的にまずいと思い出しました。
それにしても、春になるごとに更新再開してるような気がする俺。

Last update:27th,Apr,'03(Sun)



さて、今日は神戸市立博物館に「ヴィクトリアン・ヌード」展、大丸梅田店に「ミレーとバルビゾン派」展を見に行ってきました。
久々の美術展覧会のハシゴに心ウキウキです。
まずは「ビクトリアン・ヌード」から。
英国紳士というものはとかく厄介な生き物で、ヌードを「いやらしいモノ」として長らく芸術と認めなかったそうな(ムキムキ野郎のすっぽんぽんは除く)。そのために、神話などの古典の中から、さらに寓話的、教育的主題を持った作品の中にのみヌードを入れる試みがなされた、というコト。これでも世の紳士淑女は非難したんだね。それでも、根が助平なモノだから根絶されずに生き残っちゃった、と。
そうして、少しずつ市民権を獲得していくと、「社会問題」「宗教的主題」「歴史的主題」に対しても入れることが許され始める。そう、下心たっぷりだけど、社会的関心や宗教心を隠れ蓑にできる、と言うわけです。まるで高校生のヌードの鑑賞みたいなレベルです。
そうしていくうちに、イギリスにも「芸術のための芸術活動」の動きが高まり、少年少女を問わず(ここ、重要)美しいモノは善だとしてアーティストがどんどんきわどいのを描き出す。(いちゃいちゃしているキューピッドとプシュケーとか)この時代には女流画家も積極的にヌードを描きだしたというのだから時代が変わってきたのだろう。そうこうするうちに、神話や聖書などに全く主題を取らない「普通の裸婦画」を描くのが出て来てまた一大センセーションになって様々な論争の末に何とか認められ出した……という感じだったらしい。
ヴィクトリア時代って、色んな意味でイギリスのターニングポイントだったけど、芸術に関してもそうであったのだなあ、と言うのが取り敢えず概論。実際、展示も時代順に並べていたのでそういう風に見て欲しいというのがキュレーターの意図なんでしょう。
個人的な感想としては、媚び媚びなヒロインに媚び媚びなシチュエーションのクセに「エッチっぽさ」は出しちゃダメだというそのギリギリのバランスに現代日本のオタク達の求める「萌え」に通ずるモノを感じて、途中からは芸術作品の鑑賞の仕方じゃなくなってきた、と言うのが正直なところ。もう作品見ながらゲラゲラ笑ってましたしね。
で、今回一番笑わされたのは「ヴェヌス(ヴィーナス)とプシュケー」という作品。
ヴェヌスは自分より美しいプシュケーに嫉妬して、息子のアモール(キューピッド)に「やっておしまい(怒)」とお使いさせたら、アモールは間違って金の矢で自分を傷つけてプシュケーに一目惚れしてしまったというラブコメの一シーンなんだけど、ヴェヌスの顔がおっかない姑さんになってるのね。気分は「渡る世間に鬼ばかり」。見れば見るほどその後の嫁いびりが想像できるいい絵でした(笑)。
後はユリシーズがマストに縛られながらニンフの歌に忘我するのとか。周りの水夫は耳栓しながらニンフを睨んでるのに、当の船長がイッちゃってるンですよね。いかりや長介が見たら「ダメだこりゃ」な世界。(爆)
後はルイス=キャロルが撮った少女のヌード写真に彩色したモノだとか結構普段見られないお宝なども見られました。ルイス=キャロルの写真の絵はがきはとても欲しかったんだけど、グッズ売場になくて無念。
それでも今回は絵はがきを買った方かも。
あ、そうそう、あのころの美人の基準って、 という感じだったみたい。とにもかくにもそういう絵が多かったのです。
分かる人にしか分からない表現で言うと「めんあっとわーく」、「聖魔大戦」の山本和枝とか「Piaキャロ2」、「こみっくパーティ」のみつみ美里の画風に通ずるモノが。うわ、今、ヴィクトリア時代をオタクの萌え用語で言い切った気分
それでもなんでも、なかなか当たりだったなあ、と。しかしさすがにここでは仕事場で使うマウスパッドは買う気になれなかった(爆)。


さて、こてこてのケーキバイキングの後はあっさりとしたストレートティーが飲みたくなるもので(笑)、大丸梅田店にミレーとバルビゾン派を味わいに行きます。
前に京都国立博物館だかでやってた展覧会には行っているので、初めて見る作品は少ないだろうと思っているとこれがまたドッコイ正一って感じ。
前回見たのとはかなりラインナップが違って退屈できませんでした。ミレーの落ち穂拾いにしても、一般に見られるカラーの方ではなく木炭で緻密な筆致で書いてある素描の方が展示されてました。日本人ってミレーが相当好きだから、日本でバルビゾン派の展覧会するときは結構マイナーなのもかき集めてるんじゃないか、と思うのに十分なぐらい、珍しい作品がありました。
展示点数はそれほど多くないんですが、フレームの中に別世界が広がって、まったりほやほやーという気分になれます。そういう絵の続いてるところに最近人気のあったクールベの激しい画風とかがあり、大丸のセンスの良さがキラリと光ってました。
ここではマウスパッドを置いてなかったのですが、絵はがきはそこそこ買い込みました。以上、なかなかいい一日でした。
去年は美術館に一回も足を運ばなかったからねえ。
伊丹に敬愛するジョルジュ=ビゴー(日本史の教科書でおなじみですね)が来たときも結局見られなかったし、先のウィーン展もみのがしたし。デューラーとアルティンボルドが見たかったのに……。ってコトで、今回はリベンジのつもりで見たのでかなりねちっこく見ました。おかげで満腹?
まあ、バルビゾン派の方は\800と安いし、会社帰りにでも見られるかなあ、と思うので後1回ぐらいは行くかも知れません。仕事で疲れた心に良さそうな絵です。
ってなコトでれっつごー展覧会、ってなお話でした♪

あなたの夢が紡がれますように。

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