まず「神戸ジャズストリート」の紹介から。
このイベントは、毎年10月の第2土曜と日曜に神戸三宮の北にある北野坂界隈で行われているイベントです。
神戸北野町界隈のバーや教会でジャズメンがライブセッションをやってくれるこのイベント。
しかも、出演してるのは神戸のアマチュアだけでなく、日本や、世界で活躍してる優秀なジャズメンが参加してるのです。
毎年、神戸のみならず全国からジャズ好きの人がこのイベントを訪れます。
さて、ここまではジャズストリートを余りよく知らない人のための不親切な紹介。
詳しいことが聞きたい人は、「神戸ジャズストリート」のサイトまで。
そろそろレビューと行きますか。
今回は、二日目10日のみでした。
で、回った会場は以下の通り。
12:00〜12:40ホリーズ、12:45〜タオ
なかなか座り込み作戦敢行してます。(笑)
まず1発目はイエロー・ウォッシュボード・ジャズ・ボーイズと言う関西のバンドでした。
多分、アマチュアかセミプロのバンド。
ウォッシュボードという名前からディキシーだろうと言うことは想像付いた。
で、聞いてみるとそんなに下手くそじゃない。
トランペットは少々一本調子ながらしっかりとサウンドの軸になっていたし、トロンボーンも少々テクニックに不安が残るが、それでも音色はしっかり安定していた。
クラリネットはなかなか綺麗にまとまっていたし、バンジョーやPianoも地味ながらしっかりとしたサウンド。
何より、最年長のスーザフォンはなかなかうまかった。
サウンドの底辺をしっかり支えていて聞いてて気持ちが良かった。
しかし……あの、洗濯板は……ジャズストリートの名物おじさんの小野さんじゃぁあ〜りませんか!!
この人は、関西、いや、日本が誇る最強の洗濯板プレーヤーで(!!)何とすごいことにニューオリンズのディキシーのイベントに参加して大人気だったとか。
この人、お年は80過ぎてそうなおじいさんなんだけどね。
って言うか、そのかっこよさは実際にジャズストリートのパレード見て惚れ込んで下さい。
で、そこのバンドの洗濯板さんが家庭の事情とかで来れなかったのでピンチヒッターをやることになったそうな。
バンドの総合的な判断をすると、プレーヤそれぞれは力にばらつきがあるモノの、それを全く感じさせないほど綺麗にまとまっていた。
ここまでバンドのサウンドがまとまるとそれは相当な力になる。
1+1=5の典型的な見本。とってもすばらしい。
さて、二発目。ザ・ビッグ・ディッパーズ。
ここはジャズストリートの常連さん。
平均年齢が60を越えているというなかなか面白いバンド。
しかし、年齢の衰えは感じさせずに、ツボを付いたディキシーを聞かせてくれるバンドだ。
やっぱりこの人達、年期入ってるわ。
ここのバンドは、そこそこ安定した実力と、そのバンドとしてのまとまり。
そして、何より、客のノセ方がうまいこと。
まあ、ディキシーは乗りやすいジャンルだけどね。
さっきのバンドはそこそこうまかったけど、客を乗せるという意味ではそんなにうまくなかったから。
そう言う意味では、ジャズストリートの客層を把握してるんだろうね。
この3発目はかなり名前が通ってます。
イタリアのギタリスト、ロベルト=コロンボとトランペットのジャンパオロ=カサティ。
コロンボは第一回神戸・ブレダ・ジャズ友好賞のウィナーで、流れるようなギターを聞かせてくれるプレーヤー。
カサティもかなり格好いいトランペットのテクを披露。
その二人が関西の誇る(?)サキソニスト古谷充と大塚善章トリオとジャムセッション!
これは俺みたいなジャズストリートの常連の観客にはたまらないっす。
っつーか、この人達のハードバップなジャズは延髄がしびれます。
個人的には大塚善章トリオのドラマー、上場正俊さんのスティック&ブラシ捌きに痺れてたり。
ちょうどいい気分転換になったです。
4発目と5発目は同じグループでした。
オランダの「Aces of Syncopation」これもトリオですが、ちょっとメンバー構成が特殊。
サックス、バンジョー、スーザフォン。
この取り合わせはある意味すごい。
しかも、このバンドのすごいところは、スーザフォンにソロの時間を割いていること。
しかも、やたら甘くて質感のある歌いまくったスーザフォン。
これを最初聞いたとき、元チューバ奏者として、とっても悔しかったです。
この演奏をもっと昔に聴いてたら、チューバをやめなかったでしょう。
こんなに格好いいモノだと思わなかったです。
こんなに渋いモノだとは思わなかったです。
よく聞き込んでみますと、テクニック自体に華はないです。
しかし、何がすごいって、基礎的なテクニック、例えば、音色の安定、音程の安定、息の安定などどれをとっても、日本のチューバ奏者のレベルを遙かに超えているのです。
ですから、単なる伴奏でも全然違って見えるのです。
基礎を固めることの恐ろしさって言うモノを直に感じました。
で、そのバンドのはふたコマ続いてやってたのですが、二こま目から参加したのは長身のトランペッター、メノ=ダムス。
彼は何と、右腕がありません。
しかし、ハンデを感じさせないくらいのテクニックの持ち主。
何で左手1本だけであんなプレイができるの?
ステージパフォーマンスも結構派手でしたよ。
渋いお兄さんだったなあ。
って言うより、思わず「Aces of Syncopation」のアルバムを買っちゃいました。
くそう……この俺様にCDを買わせるとは……なかなか恐いバンドだ……。
実は、このイベントでCDを買わせたバンドはここが初めてです。(笑)
ああ、いいライブだった。
来年もこのイベントに参加したいっすね。
あなたの夢が紡がれますように
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