音楽ホール
今回はかねてからアップしたいと思っていたコンテンツ
「作曲技法に付いての私的な考察」を書いてみました。

ご意見・ご感想はメール:"w970275b@ryukoku/seikyou.ne.jp"にて。




前までここに乗っかっていたコンテンツの中に「ぞうさん」が作曲技法の基礎を押さえている、という事を書きました。

そこで、そこんトコ詳しく! というメールが来たので(まさかマヂで来るとは思わなかったです。(笑))もう一回作曲技法などの本を引っくり返しましたが、

最近になって、「……おい、ホンマに作曲ってテクニックか?」という疑問が私の中に芽生え始め、いつしか大きな立派な大木のように根づいてしまいました。

取りあえず、「ぞうさん」の中における作曲テクニックというものをごく簡単に書いておきましょう。 「ぞうさん」の歌は4分の3拍子で8小節の曲です。ここで既にどうしても守らなければならないルールというものを押さえています。 "小節の数を8の倍数(せめて4の倍数)でまとめる。"という事です。 「起承転結」は東アジア文化圏のデフォルトみたいになっているので、やはりこれは日本でも守られるべきでしょう。 まあ、これを守らなかったからといってどうという事はないです。が、やはりどことなく落ち着きが悪く感覚的にいまいちしっくり来ないでしょう。 (所詮作曲技法なんてその程度のモンと言い切ってしまえばそれまでですが) 次はメロディーラインに付いて、童謡という性質上ある程度子供に歌いやすく設定されています。 普通の歌でも音と音との間が8度以上開くのは好ましくないとされていますが、この曲では最高でも4度しか離れていません。 また、この曲は一番低い音と一番高い音との間が9度しか離れていません。 つまり、声域が狭い子供が歌いやすいのです。普通の歌でも2オクターブぐらいが望ましいとされていますから、この歌はその半分だという訳です。 そして、音の動きというか旋律の流れというものが激しくないので覚えやすいといえるでしょう。 ぶっちゃけて言えば、「簡単なメロディーほど覚えやすい」という事です。 これはこの曲に限らず、どんな曲にも言える事です。 人間というのは実はあまり賢くありません。無理なくすんなりと頭の中に滑り込むものは、基本的には単純なものです。 そう言う意味で、「ぞうさん」は優れています。 最後に、この曲の伴奏を見て切ると、とてもきれいなハーモニー(和声)を構成しています。 ここで言う「きれい」というのは、単に美しいという意味だけではなく、ハーモニーの動き方に無理がないという事です。 どういうコトかといいますと、まず、各和音(コード)を見た時に第3音が重複していない事が上げられます。 第3音とは、Tの和音を例に取ってみますとド・ミ・ソの内の「ミ」の音の事を言います。Wの和音の場合は「ラ」、Xの和音の場合であれば、「シ」ですね。 第3音が重複していると若干不安定な感じがするのです。オクターヴを変えても和音を支えきれない位置にあるからです。 そこで第1音と第5音を重複させるようにするのです。しかし、和音の性格を決めるために最低一つは第3音を入れなければなりません。 その上にまだハーモニーには規則があります。和音を構成している一つ一つの音の間隔は和音を移動した時に変化しますが、 同一小節内でハーモニーが移動する時、その間隔が5度と8度の時はその間隔を保留させてはならない事になっています。 ちょっとややこしいので具体例を上げますと、Wの和音からXの和音に移動する時、下からファ・ラ・ド→ソ・シ・レと移動してはいけない訳です。 ファとド、ソとレの間がそれぞれ5度のままだからです。 和音は曲全体の雰囲気を決定しますから、特に厳しい規則がいくつもあります。他にも、同一小節内で和音が移動する時、 共通する音がなければ一番近い所に移動させる事などです。 そのすべてを上げていったらとてもじゃないですがキリがありません。しかし、「ぞうさん」はそれを全てクリアしてるのです。 まあ、これには訳があります。とても簡単なカラクリですが、この曲には1小節に付き一つしか和音がありません(笑)。 それでも最近のロックには1小節に一つしかコードがないにも関らず、簡単なポカをやっている曲がありますが。 敢えてどこのバンドのどの曲かは挙げません(笑)。(これもキリがないかも知れませんし) 後はリズムの問題ですが、強・弱・弱の拍の強さの問題があります。 しかし、この曲にシンコペーションなどがないのでこれもまたテクニックとは無縁の話になってしまってます。 しかしここまで簡単に作っておいていつまでも飽きさせないのはやはり凄いものがあります。 (さすがに100回も200回も連続で聞いてたらイヤにもなるでしょうが) この辺はやはりテクニックでは語れない所ですね。

あなたの夢が紡がれますように

 
 

Rand\に抗議文を送りつける

バックナンバーへ

玄関ホールに戻る