Note…
ある精神病患者のタワゴト
一気に2回分の更新。これはバックナンバー限定ってコトで(爆)。

Last update:2nd,Mar,'02(Sat)


今日、阪急電車で塚口の駅を通った。
なるほど非常に生々しい。焼け跡は火勢の猛々しさを窺わせるに足るものだった。
火事の現場となった商店街は狭いところにゴチャゴチャと小店舗の集まったところで、外からはスラムに見えかねない雰囲気をも持っていた。
けれどもそこは、非常にアットホームな「顔の見える」商店街であったように記憶している。あの薄暗く見えた商店街が、今では黒炭の林なっていることに恐怖と不安を覚える。
プラットホームに降りたとき、3日程経ち、その間に雨が降ったにも関わらず木材の焼けた匂いがプンとたっていた。
花粉症で片方が塞がった俺の鼻にも、それが認められるくらいだから大概である。

話は変わるが、今日、家庭教師の派遣元に最後の報告に行った。もう、この際だから書いちまうか。

トライだよトライ。

まあ、今回は一言「この生徒は第一志望に合格しました」と言うだけだったので10分程で済んだが、いつもの俺の噛み付きぶりを知っている事務員どもが、なすり合うように俺の受付を押しつけ合ってたので非常に癇に障った。
いくら何でもあからさまなのはマズイだろ。最後まで神経逆撫でしてくれるヤツらだ。名前を出しても差し支えなかろうが、名誉毀損だとか因縁付けられるのもシャクなので止めておこう。
母親には報告に行くついでに大阪の職安に行くように言われてはいたが、全く行く気がしなかったので、そのまま甲東園から家に帰ることにした。
だいたい13:30に甲東園駅前から東にてくてくと歩き出す。だいたい30分も歩いていれば報徳学園を越えて武庫川が見えては来るが、河原には行けず河岸に沿って延びている道路を北上する。
この道が完全に自動車用の道路で、バス停の他にはコンビニがパラパラとあるだけ。そんな辺鄙なところに聾唖学校や養護学校がある。しかも、養護学校の方は「安全のために」門から出入りするときには閂をしっかり掛けて置くらしい。閂と言えば聞こえは良いが、実態はチェーンをしっかりと巻き付けてある。まるで牢獄だと言えよう。そこから生徒が出入りするときには護送車でするのだから。
まあ、そんなところを30分余りてくてくと歩いていると、ようやく河原に出られた。さすがに視界が広がるのはいい感じだ。今日は天気も良かったし。
ゴルフボールを飛ばしているオジサン、アップのマラソンをやっているお姉さん、サッカーをやってるガキンチョ……。のどかだ。そういう日も悪くはあるまい。
とうとう武庫川に架かる橋が見え、そしてそこを渡った。どうやら西野に出た模様。この時点でおよそ14:50。
あう。意外と簡単に伊丹に戻ってきてしまったぞ。……って事はこの道路は176か。
そんな事を考えながら南下する。池尻に来て、自動車教習所が見えてくる。ここから塚口まで引き返すか。だいたい1時間が目安になるな……なんて考えながら171まで降りてきた、時にダイソー発見。そこでダイソーをぞめく。この辺はイズミヤを中心とした商圏があるが、こんな所にダイソーが出来て他なんて知らなかったぞ。
結構品揃えも良いので上機嫌。
そこから少し東には行ってイズミヤ前から尼宝線沿いに南下。この時、疲労と空腹が結構いい感じでゲージチカチカ状態だった。
塚口で飯を食おう。それまでは我慢だ。空腹は最高の調味料だしな。
ひたすらてくてく歩く。最初の頃は「隣のトトロ」の「さんぽ」何ぞを口ずさんでいたのが、このころになると無心。まるでエジプトを叩き出されたユダヤ人のようにひたすら前に向かってさまよっていた。
武庫から東に進路を変え、野間を抜ける頃には時間の感覚が無くなってきた。さすがに足がパンパンになったので公園で小休止。時間は16:15。俺、迷った? それでも下手にウロウロすると事態は悪化するので、最悪線路にぶつかったところから引き返せばいいなんて考えながら10分ほどトボトボ歩くと塚口まで来た。
限界、なので塚口のドライブスルーにて腹ごしらえ。LLセットと追加でハンバーガーを頬張る。
マックビジョンを見てると鬱になるニュースが。

「71歳の老人が徒歩で日本一周の旅に出発」

……はあ。戦前の人間と体の造りが違うのかな。俺って。西宮から宝塚、伊丹の端から端まで突っ切って尼崎の北端に来ただけで大冒険になってる俺って一体……。
それはともかく、今日のポテトは揚がり立てで、ハンバーガー2個はしばらく待たされたから出来立て熱々。いつになく理想的だったのですごく美味かった。少なくともここ15年で一番美味かった気がする。
それでも初めて食べたマクドの味には遠く及ばなかったり。あの頃はサンパチセットとかサンキューセットとか言ってたよね。
30分程足を休ませる。ぼけーっと色々なことを考えてたわけではなく、ただゆっくりと食べてただけ。疲れたら人間何にも考えないモンである。
そこから出て5分もしないウチに阪急塚口前。そこの古本屋に足止めされてしまった。
フラフラ〜ッと入ってしまうモンなんだよね。そこは完全に一般大衆のお店だから掘り出しモンは一切入らないんだが、国書刊行会から出てるクロウリーの著作が2000\で落ちてた。保存状態は最良。京都の七条堀川では4000\のものが3500\だったと思う。
ただ、弾がない。残念。そうそう簡単に出る本でもないだろうから、また気が向いたら身請けしてあげよう。
そこで1時間ほど時間を潰したらお外は真っ暗。まあ、折角だからさっきの焼け跡でも見ながら帰るか。
やっぱり、人々の目はそこに注がれていた。本屋の中でも火事の話が漏れ聞こえていた。現場ともなるとそういう話が途切れずに聞こえる。
そして、他人事ながら、やるせない思いも湧き起こってくる。あんなに見たくて歩いてきたのに、足早にそこを後にした。
40分もすれば家に着く。頭が痛い。ヘトヘトだ。
今日の晩御飯はキャベツとオキアミのたっぷり入ったお好み焼きだったが、余り食べられなかった。

あなたの夢が紡がれますように。

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