Last update:6th,Jun,'00(Tue)
今日、家庭教師の生徒に軽く話をして、授業に入ろうとしたときでした。
生徒のお母さんが来て、一枚の紙を広げました。
3年に入って初めての進路相談の紙です。明日提出らしいです。
「どういうところが良いんでしょう?」
「では、どこに行きたいの?」
こういうやりとりが少し続きます。
後々役に立ちそうだからと志望校を決めようとしていたので、少し待ったをかけてみました。
「将来、どういう職業に就きたいの?」
まだ14歳の少年にはこの問いは重かったようです。お母さんの焦りだけが先行しています。いきなり人生をどうするんだって言われても、当の大人達が答えられないんです。知ったこっちゃありませんよね。もちろん、私に意見を求められたって、私自身が夢を失っているんです。導けるわけはありません。何も、大学ならともかく、高校で人生が変わるわけでなし。
ただ、私の言えることは、どんな回り道をしたって、自分の就きたい職業に就けばそれで良いんだと言うことを言うだけでした。自分の就きたい職業が見つからなければ、それを探してみるのも人生の目的の一つだと答えました。
今日の授業は、この言葉で締めました。
「みなさんは、なぜ、生まれてきたか分かりますか? ……その答を探すために我々は生まれてきたのですよ」〜宮沢賢治〜