Note…
ある精神病患者のタワゴト
なかなか更新できないイイワケを書いておこうと思う。 はっきり言って、これはイイワケ以外の何物でもない。

Last update:3rd,Mar,'00(Fri)



 俺の中にある何かとてつもないバケモノは、ずっと、穴蔵に閉じこもってしまってる。
 体を丸めて脂汗を流しながら低い声で唸っている。
 多分、なんかの時に草か小枝で切ったと思われる傷が膿んでいるのだ。
 その傷はとっても腫れている。ちょっと地面についただけでドクドクと脈打って内側から握りつぶされるように痛む。
 その傷を、まるで飴玉を舐めるように丹念に舐めては見るのだが、全然痛みは収まらないし、腫れも引かない。
 傷自体は塞がってるのでジクジクとした痛みはない。が、塞がってるからこそ、膿が外に出せずどんどん腫れてくるのだ。
 もちろん、今まで無理矢理にでも膿を出そうと思って、その腫れている患部に鋭い爪を立てては見た。
 が、残るのは体ごと捻り潰されるような痛みと耳の奥に残る己の咆哮の倍音のみなのだ。
 彼は奥歯を噛み締め、腹の底に眠っているありとあらゆる力を絞り出そうとした。事実、彼の顔はどんどん朱くなって、今にも毛穴の一つ一つから力やら血液やらナンやらが吹き出そうな勢いではある。
 が、その力も、脈打つ大河の如き痛みに打ち克てなかった。
 結局、脂汗が額を下世話なファッションリングのように装っただけだった。
 と、その一つ二つが、彼の双眸をしたたかに突き刺した。その瞬間、確かに傷の痛みは薄れた。が、一瞬の後、瞼の裏の余韻が遠のくと共に痛みは戻ってきた。
 彼の肩が大きく上下した。呻きとも溜め息ともつかないものが、心太のように彼の口から流れ出る。
 と、彼は脱力した。だんだん痛くないはずの他の脚まで痺れてきたのだ。
 傷が、何だか自分のモノではないような気がしながら彼は痺痛の中に微睡んだ。

 と現在、俺の中の何かがこういう状態なので、当分動けません、とこういう感じなんですねえ。

あなたの夢が紡がれますように。

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