http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/003716420060301002.htm
川内でございます。
二階大臣におかれましては、大変に長い質疑でお疲れもあろうかと思いますが、三十分でございますので、よろしくおつき合いをいただきたいというふうに思います。
私は、電気用品安全法について聞かせていただこうというふうに考えております。
今、マスコミ等でも若干話題になっておりますが、PSEマークが張っていなければ電気用品について販売ができなくなるということで、新商品の場合には何ら問題はないわけでございますが、中古の電気用品の場合には大変な問題が発生をするということで、中古の家電製品、あるいはビンテージのものなどもそうですけれども、今市場が大混乱と言ってもいいような状況にございます。
私は、きょうはこの大混乱を収拾して正常な形に戻す、すなわち、経済産業省というのは中小企業を育成、振興するという大きな目標があるわけでございますが、この中古の電気用品のリサイクル市場というか再販売市場というのは厳然として存在をしている、そして、そこでたくさんの人たちが働いているし、また消費者の皆さんもそのお店を利用しているという実態があるわけでございますから、この問題についてしっかりと対応をしていかなければならないというふうに考えます。
そのためには、この三月三十一日で経過措置期間というものが切れるわけでございますが、これを、政令改正等によって、指定の商品を、もう二年間指定を延ばすことによって猶予期間を設け、その間に、中古の電気用品について法律の中にきちんとした書き込み方をすべきであるというふうな主張のもとにきょうの質問をさせていただきたいと思います。
この電気用品安全法の中には、中古の電気用品についてこうするんだということの具体的な記述は一切ございません、法律の条文の中にですね。まずそのことを指摘させていただいた上で、先般二月二十四日の衆議院経済産業委員会で塩川議員の質問がございました、この電気用品安全法について。周知がおくれたのではないかということについて西野副大臣が、このように遠慮気味でございますが、「確かに古物商、リサイクル業者に対する徹底方がややそういう意味で不十分であったような気を私は感ずるわけでございまして、」というふうに、やや不十分であったというふうに遠慮がちにおっしゃられているわけでございますが、しかし、私は、全く不十分であったというふうに思います。
このときの質疑で、経済産業省から、ことしに入って警察庁を通じて古物商あるいはリサイクル業者に対する周知方を行ったというふうな御答弁がございますが、まず事実の確認でございます。ことしに入ってからというのは、具体的にはいつかということをお尋ねいたします。
周知につきましては、私ども、法施行以来、説明会の開催ですとかあるいはホームページの作成ですとか、そういうことで万全を期してきたと考えておりますけれども、ことしに入りまして、いろいろお問い合わせがあるというふうなことで、改めて、本年の二月の十五日以降でございますが、警察庁を通じて、中古品販売店関係業界団体に対してその制度周知のための事務連絡を送付した、それから、その他の製造販売関連業界団体九十六団体及び販売事業者二百社以上に対して制度周知のための事務連絡を送付したところでございます。
迎さん、時間がないので、私が聞いたことに答えてください。警察庁に連絡をしたのはいつですかということを聞いたんですね。二月十五日ということでよろしいかと思います。
西野副大臣が、やや周知方が不十分であったと前の委員会でおっしゃっていらっしゃるわけですから、政府委員が、万全を期していたとか言っちゃだめですよ。副大臣が、やや不十分であったと私は感じていると言っているものを、その下にいる人が、万全を期してきたというようなことを言っちゃだめですよ。万全を期してきたが不十分であったという評価を今のところ受けていると、ちゃんと、不十分であったということを言わなきゃだめですよ。
まあそれはいいとして、では、警察庁に通知をしたと。では、警察庁に通知をした後、その後どうしてほしいということを経済産業省としては警察庁に要望したんですか。
警察庁の方に二月の十五日付の文書でお願いをしまして、それにのっとってその周知の協力の依頼をしてきたところでございます。
いやいや、周知の協力の依頼の内容を聞いているんです。どういうふうにしてくださいということを警察庁にお願いしたんですかということを聞いているんですよ。もうこんなことで時間をとりたくないですから、さっさと答えてくださいよ。
警察庁が所掌をする質屋、古物商の団体に周知の協力を依頼していただくようにお願いをしたものでございます。
私が担当の課長さんからレクを受けたときには、各県警を通じてというふうに聞いておりますが、それでいいんですか。
文書でお願いをしたのは、県警を通じてというのは警察庁の御判断でやっていただくというふうなことであろうかと思います。要すれば、警察庁の所掌する団体に周知の協力をお願いしてほしいという依頼をしたものでございます。
警察庁にお尋ねをいたします。
二月十五日に経済産業省からその依頼を受けて、どのような方法をおとりになり、その周知を図られた日にちはいつかということをお答えください。
お答えいたします。
警察庁におきましては、経済産業省から二月十五日付の文書で、電気用品安全法の規定に基づく販売規制の周知について協力依頼を受けました。この依頼を受けまして、二月十七日に文書によりまして、中古電気用品を取り扱う古物商及び質屋が加盟する全国質屋組合連合会、全国古物商組合防犯協力連合会など十八の業界団体に対しまして、加盟業者に対する周知を依頼するなどして周知に努めたところでございます。
県警を通じての各都道府県の業界団体への依頼というものはされるおつもりがないということでよろしいでしょうか。
この依頼文書を経産省からいただきまして、先ほど業界団体に周知徹底をしたところでありますけれども、あわせて、県警にも同じ文書を送りまして、県警の方からもそれぞれの業界に対して周知するようにということで指示をいたしました。
民主党の川内博史と申します。
民主党の川内博史と申します。
そうすると、県警から、より身近な、要するに、地域を統括しているのは県警ですから、より身近な周知が図れると思うんですが、県警から都道府県の業界団体への文書の発出というのはもうなされているんでしょうか。
都道府県警察においてどのような対応をとったかということでございますけれども、これは基本的に、都道府県警察それぞれ、口頭でお願いをしたり、あるいは文書を出してお願いしたりというようなことをやっているというふうに思っております。
私が聞くところによりますと、ある都道府県警においては、問い合わせに対応して、正式な文書を出すのは三月の中旬ぐらいになりますというふうにその都道府県の担当者がお答えになられているということを聞いておるんですけれども、その都道府県において対応はばらばらであろう、したがって、まだ対応していない都道府県警もあるかもしれないという理解でよろしいでしょうか。
私どもの方で、すべての都道府県警察について、それぞれの対応ぶりについては必ずしも全部承知しているところではございませんけれども、ただいま先生がおっしゃったように、それぞれの県警において適切に対応しているものと考えております。
大臣、二月十五日に、たった二週間前ですよ、二週間前に経済産業省から警察庁に対して要請があり、そして警察庁は二月十七日に各業界団体に文書を発出した、さらに、都道府県警を通じての対応については、まだそれぞれの都道府県警からどういう状況になっているか正確に報告を聞いていないとか、報告を聞く義務も多分ないんだと思いますが、そういう状況であると、周知についてですよ。一カ月前の今のこの時点での状況がそういう状況であるということであります。
では、なぜこれだけ周知方がおくれたのかということについて、大臣にぜひ聞いていただきたいんですけれども、そもそもこの電気用品安全法、電気用品取締法から改正された、そのときの審議会、規制緩和の一環として、国の基準・認証制度を見直しましょうということで行われたわけでございますけれども、電取法から電安法に変わるのに一番大きな変化があるのが、この中古の電気用品を扱う方たちが一番大きな影響をこうむるわけでございます。
なぜかならば、今までは技術基準適合性を確認するだけでよかったものが、PSEマークを張らなければ物を売っちゃいけないということになるわけでございまして、さらには、販売業であるにもかかわらず、製造事業者としての申請をしなさいということになるわけです。販売事業者であるにもかかわらず、製造事業者としての申請をしなさいということになる、ここが電取法と電安法の大きな違いであります。
そうすると、この中古電気用品を扱う皆さん方に対する影響というものが、この法改正のときにしっかり議論をされたのかどうかということが一番私は問われるんだというふうに思いますが、審議会の中で、この中古電気用品の業界のこうむる影響というものについて議論をされたかどうかということを事務当局からお答えいただきたいと思います。
審議会の中でそうした議論が行われたというふうなことは承知をしておりません。この点については、電取法の時代でも行われていません。
大臣、今お聞きになられましたでしょう。審議会の中で、この中古電気用品、一番影響をこうむる人たちについての議論は行われておりませんということなんですよ。全くこの人たちが忘れられた状況の中でこの法改正が行われたんです。
その一つの証拠として、大臣、これを見てください。二〇〇四年の十二月十日、おととしの十二月十日に、「電気用品安全法の概要」ということで、これは経済産業省がつくったペーパーですが、この概要の中に、「製品流通前の措置」そして「製品流通後の措置」ということで書いてあります。この「販売の制限」というのは、「製品流通前の措置」の中に5として書かれています。「販売の制限」、要するに、PSEマークを張っていなければ売っちゃだめですよというのは「製品流通前の措置」なんです。
これを見てください。委員長、いいですか、お渡しして。決して偽造じゃないです。
事前に主査を通してください。
では、許可いたします。
大臣、ぜひ「製品流通前の措置」というところの1、2、3、4、5というのを、ページを繰っていただいて、ちょっと私がマークしてございますので。ここです、「販売の制限」、これがこれだということですね。
だから、それをごらんいただいても、経済産業省の担当課自体が中古電気用品のことを全く忘れていた、善意に解釈すればですよ、抜け落ちていたというふうに言わざるを得ないんですね。審議会でも議論されていない、そして説明資料の中にも中古電気用品についての販売をどうすればいいのかということを全く書いていないわけです。
そこで、では、中古電気用品についてどうするのかということが、去年の年末あたりからことしにかけてじゃんじゃん問い合わせが来たので、担当課は慌てて、経済産業省のホームページに、こうしてくださいということを載せたんです。それが何日ですか。迎さん、何日ですか。こうしてくださいということを載せたのは何日ですか。
ホームページにQアンドAを載せましたのは、二月の十日でございます。
いやいや、QアンドAじゃなくて、中古電気用品について、PSEマークを張るにはこうしてくださいということを載せたのはいつですか。
それは、二月の十日に掲載をしたQアンドAを二月の十七日に更新をした際にそういう表現を入れたということでございます。
大臣、二月の十七日になってウエブ上で初めて、中古電気用品についてはこうしてくださいということをホームページ上で明らかにしたわけですね。それで対応しろというのは、もともと私は時間的にもう本当に無理だと思います。
さらにこの法案の大きな問題は、これは、販売業者が製造事業者の届け出をしてくださいということになるわけですね。中古の電気用品を売りたければ製造事業者になれという法案なんです。
そうすると、どんな問題が出てくるかというと、特許法とか商標法あるいはPL法との絡みの中で、訴訟が発生することが考えられるわけです。この電気用品安全法でこうしなさいと言ってそうしたら、今度は特許法で訴えられるという可能性が出てくるわけです。そうですよね、局長。
まず、二月の十七日に、製造事業者の届け出をしてPSE マークを張ってくださいと言ったわけではなくて、もともと中古品は法律の対象になるというのは、これは電気用品取締法の時代からそういうことなんです。それで……(川内博史分科員「そんなことを僕は今聞いていない。聞いていないことを答えさせないでください」と呼ぶ)いやいや、それで……
簡潔にお願いいたします。
輸出とかあるいはそういう場合にはその必要もないわけですし、そのために早く売るというふうな対応をしている業者もいるわけです。
今お尋ねの特許法、知財関連の法律との関係についてお答えを申しますと、電安法上、製造事業者の届け出を行って、所要の義務を果たした上でPSEマークを付すというふうな場合には、それによってその行為自体が商標法に述べまするところの需要者に出所を誤認、混同させるふうな行為に当たるというふうなことではないというふうに考えております。
それから、ただし、これは製品の同一性を失わせる改造とかを行った場合は話は違うわけですけれども、検査をしてその旨の商標をつけるだけ、こういうふうなことであれば、特許法、商標法に抵触をしないというふうに判断しております。
いや、ですから、私が言っているじゃないですか。製造事業者になって、何にもしなければ問題ないかもしれないが、何かした場合には問題になることがあるでしょうということを聞いているんですよ。
いいですか、局長、これ、物すごい、インターネット中継で何千人という人が見ていますからね。局長が言ったことがそのまま政府の解釈になりますよ。
ですから、同一性を失われるような改造が行われた場合には抵触する場合があります。
大臣、よろしいでしょうか。
同一性が失われるような改造というのは、これは最終的に裁判所が判断するわけですよね、何が同一性を失う改造なのか。ということは、何か手を施したら訴訟に発展する可能性をこの電気用品安全法というのは秘めている。それだけのリスクを中古電気用品の販売業者に抱えさせるんです。それが経済産業省、中小企業の保護育成あるいは振興をしなければならない経済産業省として、この法律をそのままでいいんですかということを改めて強く申し上げなければならないわけです。
局長、この電気用品安全法によって、全国の中古の電気用品販売業あるいは小売の中古電気用品販売事業者というのは、大体どのぐらい、店舗数でいうとどのぐらいあるんですか、どのぐらいの店が影響を受けるんですか。
この数字については、私どもよくわかりません。ただ、先ほどの警察の方の、中古品を扱っている業者さんというのが大体全国で六十万あるというふうな数字もございます。そのうちの半分ぐらいが電気用品を扱っているというふうなサンプルデータもありますので、そういうふうなことで推測されるようなことではないかと考えております。
大臣、およそ三十万社の中古電気用品を扱う事業所あるいは中小企業、零細企業がこの法案によって大きな影響を受けるわけです、三十万社が。
今、この法案によって大変な混乱を来しているわけでございますが、この電気用品安全法で三十万社が影響を受けるというだけではないんですよ、実は。業界側だけではなくて、例えば私が、テレビを買いかえよう、古いテレビをリサイクル業者に持っていって買い取ってくれといったときに、PSEマークが張っていない、そうすると買い取ってくれないということが想定されるわけです。この経過措置期間が切れると、もう買い取らない。そうすると、私が持っているテレビは即廃棄物になる、だれも買ってくれないわけですから。これは消費者にとっても大変な不利益を与えることになるわけでございます。
そこで、大臣、電気用品安全法は品目を政令指定で指定しております。政令指定ということは、別に法律を改正する必要はないということでございます。しかも、この法案は、先ほど迎さんもおっしゃられたように、知的財産権との絡みで解決をすべき課題もある、たくさんの人が影響を受ける。さらには、私は税法上の問題も出てくると思うんですけれども、国税庁は多分このことなんか全然知らないと思うんですね。
だから、その辺のことをしっかりとクリアにしなければならないし、してからでなければ、経過措置期間というものが終わって本格施行ということにはとてもとてもならないのではないかというふうに思います。
そこで、二階大臣、今私がるるやりとりの中で申し上げてきたとおり、さまざまな大きな問題点がある。そして、周知徹底方についても今やっと始まったばかりなんです、先ほど警察の方や迎さんがお答えになられたとおり、今やっと始まったばかりなんです。解決すべき課題はまだまだ山ほどある。詰めるべき課題は山ほどあるという中で、品目の指定を政令で変えるだけで、半年でも延ばすあるいは一年でも延ばすということによってその間にきちんとした議論をして、電気用品安全法という法の趣旨はすばらしいわけですよ、安全を守るという趣旨はすばらしいわけですから、その趣旨をしっかりと生かすためにも、大臣の御決断というものをいただかなければならないというふうに考えておりますが、最後に大臣の、政令を考える、検討するぐらい言ってください。お願いします。
川内議員の御質問の通告をいただいて以来、私は私なりに考えてもみました。今川内議員からは、御親切に私の答弁まで大体おっしゃっていただいたようでありますが、行政を預かっておる立場に立って、この電気用品安全法は五年間の経過措置、しかもこれは最終ラウンドへ来て、きょうはまたちょうど三月一日ということになりました。まさにあと一カ月しか余すところありません。しかし、川内議員の御質問や、また他の議員の予算委員会における御質問等伺っておりますが、これはもうまさに経過措置期間の終了に向けて、先ほど申し上げましたように、まさにもう最後のところへ来ているわけであります。
したがいまして、経済産業省として、この経過措置期間が終了する三月末に向けまして、私はけさも幹部を集めて申し渡してきたわけでありますが、でき得る限りのこと、例えば新聞広告もその一つでありましょうし、古物商の皆さんに対してもっと積極的に御協力をお願いすることも大事なことでありましょうし、そうしたことなど、これからまさに最後の最後まで、できることを徹底的にやって、そして事業者からの個別の御相談、これには徹底的に親切に対応していく。
経済産業省は幸いにして各地方に経済産業局を持っておるわけでありますから、この経済産業局も総動員して、検査機関の紹介なども、普通の役所仕事ではなくて、親切丁寧に対応して、この問題を少しでも万全な解決に向かえるように、残された時間はわずかですが、最大限やってみる、とにかくこれは、最後の最後までやってみて、またその上で御相談すべき状況に相なった場合はそれはそれで御相談しますが、今この川を渡っている最中に馬を乗りかえるというふうなこと、あるいはここでUターンをするというようなことは、これは残念ながら、川内委員の御指摘とはいえ、これにわかりましたと申し上げるわけにはいかない。
しかし、おっしゃっている意味はよくわかりますから、また、答弁に立った各位もよく理解をされておるでしょうから、さらに私も、きょうは役所に帰りまして、この問題に対して、最後の努力に対して、各員に努力を求めるつもりであります。
ありがとうございました。