予算委員会(平成18年2月23日(木曜日))

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001816420060223018.htm

古川元久委員

、電気用品安全確保法についてお伺いをしたいと思います。経産省の方、いらっしゃっていますよね、副大臣。

 今、もう経産省の方ではよく把握をしていらっしゃると思いますが、この四月から二〇〇一年以前に製造されたAVアンプやシンセサイザーなどが販売できなくなるというので、リサイクル業者とか、またビンテージ品とかそういうものの愛好者の中で、これは大変だと、そういうかなり騒ぎになっているわけなんですが、こういう事態が起こるだろうということは経済産業省の方では認識をしておられましたか。

西野あきら経済産業副大臣

お答えをいたします。

お示しの電気用品の安全に関する新しい制度の内容につきましては、お話のように、平成十一年に法改正がされまして、それ以降、いろいろな機会をつかまえて、例えば講習会とかセミナーとか、あるいはパンフレット等々によりまして周知を図ってきたところであります。

しかしながら、販売猶予期間が終了いたします直前になりまして、最近とみに心配の声が数多く寄せられておるのも事実でございます。

したがいまして、残りました期間の間に周知徹底を図るように努力をしていきたいというふうに思っておりますが、とりわけ、中古電気製品等の販売ができなくなるのではないかという、いわば誤解に基づく内容が非常に多いわけでございますので、これにつきましては、規制対象となります製品につきましては、新たな表示をされまして、そして、猶予期間が終了することしの四月一日以降は当然販売をされないわけであります。

そこで、各事業者に対しましては、この期間内に在庫のものについては販売をしていただくとか、あるいは、所要の検査を改めて行った上で、新たな表示を提示して販売をしていただくとか、あるいは海外に輸出をしていただくとか、あるいはレンタルにするとかいうような、さまざまな対応が検討されているかのように聞いておるところでございます。

いずれにいたしましても、引き続きまして、積極的にこれらの事業者に対しまして情報提供を行いながら、かつまた、個別の相談につきましても当然ながら応じていきたいというふうに思っておるところでございます。

古川元久委員

副大臣、私が聞いたのは、こういう事態が起こることを想定していましたか、認識していましたかということを聞いているんです。そこのところはどうなんですか。

西野あきら経済産業副大臣

認識をしておったわけではありませんので、考えられます方途でいろいろ情報提供等やってきたところでございますが、現実には、結果として誤解を招くようなことがあったというふうにも思っておるところでございますので、精いっぱい可能な範囲で情報提供し、徹底を期していきたいというふうに思っております。

古川元久委員

これは誤解じゃないですよね。中古のAV アンプやシンセサイザーなどは、基本的にはPSE マークがなければ売れないということについてはそのとおりでしょう。だから、それは誤解じゃなくて、それを売れなくなる。ついている、じゃこれを簡単に取れるかといったら、中古品についてはそう簡単じゃないんですよね。特に個人のビンテージものなんかの、それこそ、今やレコードなんというのは製造もしていないわけですから、そういう古いものを愛好しているような人たち、それを売るということ、そういう市場がここでなくなってしまうんじゃないかということも危惧をされているわけです。

ですから、何か先ほどの副大臣の話を聞くと、いや、別に、皆さんが心配していることは誤解ですというふうに言われるけれども、誤解じゃなくて、実際にそういう、売れなくなる、このPSE マークがなければ売れないということについては、これは確かですよね。

西野あきら経済産業副大臣

お示しのとおり、PSE がなければ販売ができないわけであります。

誤解というふうに申し上げましたのは、先ほどのお示しの場合、楽器等々の問題だと思いますが、そういう場合には、実質的には個人対個人の問題になるのではないかというふうに思いまして、事業として数多く販売をするとかいう場合は当然これに規制されるわけでありますが、個人と個人の場合につきましては、必ずしもそれは業ではございませんので、これに該当はしないというふうに思っております。

古川元久委員

副大臣、どこまで勉強されたかわかりませんが、個人か事業者かというのは、別に店を持っているか持っていないかじゃなくて、反復継続すればそれはもう事業者とみなすと。どこで事業者とみなされるのかはわからない。例えばネット上で月に二、三品出すような、そこも事業者とみなすかもしれない、そういう回答を経済産業省がしているから、愛好者の間では、自分の個人のネットなんかでやることまでもひっかかるんじゃないか、そういう不安があるわけですよ。

では、個人と事業者、そこは明確に区分けできるんですか。

迎陽一経済産業省大臣官房商務流通審議官

ネット上で販売をするというようなケースにつきましては、基本的には、個人の方が自分の持っておられるものをオークションなんかに出されるというふうなものは、いわゆる継続反復的な行為ではないというふうなことで考えております。

ただ、しかしながら一方で、オークション取引なんかを利用して事業者の方が個人を装って同種の製品を大量に販売するとか、あるいは一定期間内に相当大量のものを販売するというふうなケースもございまして、そういったような、実は事業者が継続反復的な販売行為を行っているけれども、それが個人を装っているというふうなものは、これは事業者とみなさざるを得ない、こういうふうに考えております。

古川元久委員

この問題は、実は国会の中の審議でもほとんど議論されていなかったという意味では、これは我々立法府にも問題があるんですね。

しかし、先ほど副大臣からのお話にもありましたが、その後五年間、経過措置の中で周知徹底がきちんと行われたのか。聞くところだと、十九万部ぐらいのこんなパンフレットをつくって配りましたと。役所が配るパンフレットというのは、私もかつて経験がありますけれども、大体、ずっと末端のところへ行っても、その役所のところへ積み上がっていて、結局末端の一般の人まで行かない。これで、つくりましたということで、これを告知したということにはならないと私は思うんですね。

これだけ多くの人に影響を与えることであれば、それこそ新聞広告をやるなりいろいろなことをしなければ、今、電気ストーブでしたかガスストーブでしたか、松下の問題があって、あれだけ一生懸命広告をしてやってもまだ回収できないという状況があるということを考えれば、いかに周知徹底というのが難しいかということなんですね。

ですから、そういう意味では、これは立法府の我々にも責任があるんですけれども、四月まで時間は限られた時間でありますから、ぜひここは、不要な混乱や、たたき売りみたいなことが今も実際に起こっているというふうに言われています。

去年、私の地元の愛知県で万博がありましたけれども、政府を初め、総理がいらっしゃって、もったいない、それが日本の精神だと言いながら、この法律だと、何かもう日本の中では中古製品が売れないからというので、大量に海外にどんどんとそういうものが流れていくのではないか。そうすると、何だ日本は、もったいないと言いながら、使えるものをどんどんと、もう使わないというので送り出していく、これでは、一体日本というのは、もったいないと言ったのはどういうことか、そういう誤解をされることにもつながるんじゃないかと思います。

そういう意味では、ぜひ知恵を出していただきたい。この問題については、最後まで努力をして、ちゃんと業者の人たちあるいは愛好家の人たちも納得できるような形の対策をぜひ示していただきたいということをお願いして、時間が限られてしまいましたので、次の質問に行きたいと思います。