MADE BY WOOD I-UNPLUGGED X'mas LIGHT/NOBU-ZANS
(株)ワーナーミュージックジャパンWPCL-778/定価 \2,900(税込)
93.10.25発売
村上"ポンタ"秀一,島村英二(ds)斉藤ノブ(per)青木智仁(b)重実徹,小林信吾(key)
松原正樹(g)





01.LAST CHRISTMAS(George Michael)
02.WHEN YOU WISH UPON A STAR (K.Harline)
03.TEARS IN HEAVEN(Eric Clapton)
04.CHRISTMAS EVE(Tatsuro Yamashita)
05.SOMEDAY AT CHRISTMAS (R.Miller&B.Wells)
06.RUDULPH THE RED NOSED REINDER (J.Marks)
07.WHAT A WONDERFUL WORLD(Louis Armstrong)
08.LET IT SNOW,LET IT SNOW,LET IT SNOW(J.Styne)
09.WALKING IN THE AIR/THEME FROM SNOWMAN
10.DRIVING HOME FOR CHRISTMAS(C.Rea)
MADE BY WOOD II-UNPLUGGED PEACEFUL WINTER/NOBU-ZANS
(株)ワーナーミュージックジャパンWPCL-779/定価\2,900(税込)
93.10.25発売

村上"ポンタ"秀一,島村英二(ds)斉藤ノブ(per)青木智仁(b)重実徹,小林信吾(key)
松原正樹(g)





01.LOVE THEME FROM THE GODFATHER
02.WONDERFUL TONIGHT(Eric Clapton)
03.TIME AFTER TIME(Cindy Lauper)
04.A SONG FOR YOU(Leon Russell)
05.SOMEWHERE(L.Bernstein&S.Sondheim)
06.UNCHAINED MELODY(North)
07.SARA SMILE(Hall&Oates)
08.WINTER WONDERLAND(D.Smith)
09.FOR THE PEACE OF ALL MANKIND
(A.hammond&M.Hazlewood)
10.木枯しに抱かれて(Toshihiko Takamizawa)

| 絶対聴くべし | おすすめ | コレクタ向け |

 このアルバムは、1993年、ポンタ氏が42才の頃のちょっと古いものではあるが、季節ものなのでまた思い出して聴いてみる。リズム&ドラム・マガジン93年12月号のインタビューでポンタは言う。

「島チャン、達郎の曲(「クリスマス・イヴ」)叩きやがって、俺がやりたかったのに。ちょうど、あれを録る日、俺が行けなくてね。毎年あの曲を聴くと涙が出ちゃう。今どき、自然に涙が出るっていったら、高校野球とクリスマスぐらいしかないやね(笑)」

うん、ポンタさん、しっかり4年越しで自分のバンドで演ってるんだ。これが。PONTA BOX"Modern Juzz")

 ノブザンスは、タモリの「音楽は世界だ!」でお馴染みパーカッショニスト斉藤ノブが率いる、アコースティックユニットである。2枚でトータル20曲をたったの4日!で仕上げたという。
クリスマスや冬をテーマにした、暖かみのあるアコースティックサウンドによる名曲の数々である。
 MADE BY WOOD IIの「サラスマイル」はホール&オーツの名曲であり、昔マイク・マイニエリ率いるSTEPS(その後STEPS AHEADに改名)でもカバーされていた。

「サラ・スマイルは気持ちよかったんだよなあ。俺、これ、18年振りに叩いた。俺、この曲はニューヨーク時代に死ぬほどやったの。100回以上は絶対やってるよ。マイケル・ブレッカーとかデビッド・サンボーンとか、スタッフになる前のゴードン・エドワーズ・クインテットと一緒にね。28になるまで、この曲、サンボーンの曲だとおもってたんだもん。ホール&オーツの曲だって知らなかった。ニューヨークが一番おもしろかった頃の話だよね。」

 俺も、P−トラックのメンバーとアコースティックを何度もやったことはあるが、これが後で聞き返してみると、糞ヘタでよく泣く。ピアニッシモからフォルテッシモまでよく聞こえるから下手なところとか手抜きが全部ばればれなのである。でもその緊張感がまた好きになる。
 14、5才でドラムを始めた頃は、スネアのリムショットを知らずにディープパープルのコピーなんかやってたりして、なんでデカイ音だせないんだろうとか悩んで、たまたまリムショットらしい音がでて、「こ・れ・だ」と思ったら、こんどはバックビートでリムショット以外できなくなってカンカンカンカン。30過ぎて、メンバーが「アコースティックやるべ」と言ってきて、「おっいいねえ」と久々にスネアの皮だけをメゾピアノで鳴らしてやったらまたこれがいい音で気持ちよくなったりして。キックもペダルを浮かして、バスドラの鳴りを楽しんでみたり、シンバルも叩き方でものすごく色々な表情を出せることを改めて知ったりする。

「ポンタが演ったアコースティックは今までどんなのがあっただろう」なんで考えていると、そもそもデビューの「赤い鳥」がそうであった。90年代前半頃の流行りのアンプラグドだったけど、そのずっと前から筋金入りなんですね。
 このアルバムは、もちろんドラムだけでなく、細部まで神経の行き届いた「生の音」が聞ける、そんじょそこらのインストとはひと味もふた味も違うのです。とにかく聴いてみなさい。

Uploaded Nov.23 '97

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