golden__wireさんの 検証 シリーズ 2

ポリス 日本のみの幻(?)のベストアルバム 『決定版ポリス ? All About The Police』を検証する

The first Best Album of The Police was only released in Japan 1982.

"A&M 20 anniversary All About The Police" was available in cassete tape.

 

     

A&M / アルファ・レコード (ワーナー・パイオニア)
AMC-35008
1982年発売

ポリスのオフィシャルのベスト盤が最初に登場したのは1986年の『Every Breath You Take - The Singles』で、その後『Their Greatest Hits』(’90 独, 豪)、『Greatest Hits』(’92 英, 日)、『Every Breath You Take - The Classics』(’95 米, 日)、『The Very Best Of Sting & The Police』(’97)等がリリースされている。 しかし、バンドがまだ活動中の1982年に日本でのみカセット企画のベストアルバムがリリースされていた。

1982年といえばポリスは4thアルバム『Ghost In The Machine』のツアーを行なっていた時期だが、来日公演は実現せず、サントラ盤『Brimstone & Treacle』も内容がコマーシャルでないという理由で日本発売は見送られたりと(後年『Synchronicity』のブレイクに便乗して発売されるが)、日本では人気面においては谷間の時期であった。 そんな1982年だが、この年はA&Mレーベルの設立20周年でもあった。 当時のA&Mの日本の発売元であるアルファ・レコードは、A&M設立20周年企画として、各所属アーティスト達のベスト・アルバムをカセットのみでリリースした。 A&Mの創始者であるハーブ・アルパートや、リタ・クーリッジ、パブロ・クルーズ等に混じってポリスもリリースされ、タイトルは何れもアーティスト名の頭に『決定版』という言葉を付けて統一された。 しかし、前述した様にポリスについては人気が下り坂であった事、また、カセットのみの発売であったこと等もあり、おそらく殆ど売れなかったものと思われる。 今でも存在自体、世界中のポリス・マニアの間でも知られていないのではないだろうか? 私は当時「ミュージック・ライフ」誌に載っていたアルファ・レコードの広告で知ってはいたものの、新曲も入っていないカセットの為に3500円も払う気は無かったので(中学生にとっては大金である)結局購入しなかった。 ジャケットもメンバーのショットを使わず、何故かオーディオ・コンポのアンプ(おそらくパイオニア製)の写真が使用されており、パッケージも魅力に全く乏しいものだった事も、買わなかった理由の一つに挙げられるだろう。

ただ一つ気になったのは「マジック」のタイム表記が2:58となっていた事であった。

その後約20年の月日が流れ、私もこのカセットの事はすっかり忘れていたのだが、ポリス/スティングの別ヴァージョンについて、まとめる作業をしていた時に、この「マジック」の2:58表記を思い出し、先日某ネット・オークションで遂に購入した次第である。 500円也(笑)

発売当時レコード屋さんで見かけて以来なので、実に20年振りに手にした事になる。

収録曲は以下の通りである。

[ Side A ]

1. Message In A Bottle

2. De Do Do Do, De Da Da Da

3. Walking On The Moon

4. Spirits In The Material World

5. Don’t Stand So Close To Me

6. Can’t Stand Losing You

7. Roxanne

8. Reggatta De Blanc

9. It’s Alright For You

10. Be My Girl / Sally

[ Side B ]

1. Every Little Thing She Does Is Magic

2. Voices Inside My Head

3. So Lonely

4. Next To You

5. Driven To Tears

6. The Bed’s Too Big Without You

7. Canary In A Coalmine

8. Bring On the Night

9. No Time This Time

10. Born In The 50’s

 

以上20曲。

1982年発売なので当然『Synchronicity』からの曲は入っていない。

1st『Outlandos D’Amour』から6曲、2nd『Reggatta De Blanc』から7曲、3rd『Zenyatta Mondatta』から5曲、4th『Ghost In The Machine』から2曲といった選曲で構成されている。 『Reggatta』からは7曲も選ばれているのに対し、この時点で最新アルバムであった『Ghost』からは、シングル2曲しか選ばれていない。 この点からもポリス人気が当時下り坂に差し掛かっていた事が伺える。 選曲に関してはメンバー本人は関わっていないものと思われ、「サリーは恋人」「白いレガッタ」「ノー・タイム・ティス・タイム」辺りを収録しているのが面白い。

それで肝心の「マジック」であるが、確かに私の記憶通りタイム表記は2:58であった。 カセットゆえ両面の収録時間を合わす為に短縮したのか、と思ったのだが、いざ再生してみるとアルバム・ヴァージョンと全く同じ4:20ヴァージョンであった。 要するに単なるミスプリ表記であったことが、発売20年目にして判明した。

と言う訳で、音源的価値も殆ど皆無という事が分かったのであるが、バンドが活動中の時期にオフィシャルでリリースされた世界でも唯一のベスト盤がここ日本で存在した、ということをレポートしたかった次第であります(笑)

補足 :

当カセットには歌詞と赤岩和美氏の解説を載せたインサートが付いていました。

尚、南アフリカでもバンドがまだ活動中の時期に『Police Featuring Their Breakbusting Hits』 (MFPD 3)という2枚組がリリースされています。 しかし、これは単に『Reggatta』と『Ghost』をカップリングしたものでした。

 

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