なぜ数学科を選ぶのか


なぜ数学科を選ぶのか

私は学生時代、数学が得意でした。
小学校の頃からKUMONで学び、表彰されたこともありました。
得意意識があったからか、中学、高校でも成績は数学だけは安定して良かった方でした。

数式、記号を通して解を求めていく学問の中に、
パズルを解いていくような面白さを感じていて、
将来、自分が何になりたいかとかも多く考えず、
ただただ解く楽しさだけで大学へ進学しました。

同世代の人が医学者、科学者、経営学、物理、情報学、
いかにも役に立ちそうな道を選んでいる中、自分だけ、
もしかしたら、社会に出ても、何の力にもなれないのではないか、
大学にいた頃は、そう感じていました。

ただ、今は、そう思いません。
数学を通して学ぶ賢さ、論理的思考能力こそ、
社会に出てから、大きな武器となります。



数学が大企業のビジネスを支えている

大学で数学科、授業は、ただただ机上で学ぶことが多いです。
実験や、校外学習など、全然ありません。
机上で学ぶ数学、その一つの教科として「線形代数」というのがあります。

線形代数とは、
「高次元の真っ直ぐな空間であるベクトル空間と、
 ベクトル空間の間の演算を保つような写像(線形写像)を扱うための学問」

ということで、代数学の一つ。
代数学とは、
「数の性質について、数の代わりに記号や文字の関係を、演算式を用いて解析する学問」
要は、それをベクトル上での性質を解析する学問が線形代数学です。

それが、将来、何の役に立つのかわかりません。
と思いきや、、、

インターネット検索で必ず一度は使ったことがあるGoogle、
その、Googleの検索エンジンに使われる数式、それが線形代数学なのです。

Googleの検索の順位を表示する、ページランク(PageRank)。
これがGoogleの原点であり、それが巨額の富をもたらしていますが、
仕組みとしては数学としての考え方が利用されていたのです。

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大学の卒業論文 -確率論-

ただ、全ての学問がつながる、というわけではないかもしれません。

私は、学生時代、確率論というものを専攻していました。
幾何学を専攻したかったのですが、成績優秀者が優先され、
残った枠の中で選んだ専攻として、確率論がありました。

「確率論」というと、すぐに銅貨やサイコロを投げることを連想するかもしれません。
ただ、それは、確率論のモデルの一つでしかありません。
自然現象を究明する上で、それを偶発的なものとしてとらえて解析することで、多くの成果が上がっています。
現代の確率論は、物理学、生物学などの自然科学はもとより、経済学、社会学などとも関連し、
なくてはならない理論となっています。

確率論に至るまでは、数学の基礎的な知識が必要です。
前述の代数学や解析学、幾何学など、大学1年で習うことを使います。
私の場合は、測度、微分積分を使って確率論に至る方法を習いました。

測度とは、あらゆる空間のもの、確率などを、微分や積分を駆使して測れるもののことを言います。
確率の測れる集合を基に、測度から更に細かく、確率測度というのを定義します。
集合論や測度、微分積分を用いて確率を解析していきます。

微分積分というのは、一見、何のことかわからないです。
例として、ある曲線の長さを測ることにします。
曲線の長さを物差しなどで測るとしたら、
曲線を何分割化して、多少大雑把に測ろうと思えば、測れると思います。
その分割の単位を細かくすればするほど、より曲線の長さの正解に近付きます。
この細かくすることを微分、そして足し合わせることを積分、となります。

これらを確率空間で応用する、それが確率論です。
それが直接的に社会の何の役に立つのか、それを話すのは難しいです。



数学を通して論理的思考能力を学ぶ

数学科の方々が話す数学の話、
大体が他学科の人はついていくことができません。
なぜなら、ただ単に本を読んだり経験だけで学べるものではないからです。
数学を通して、身に付く能力、それが「論理的思考能力」です。

論理的思考能力というのは、
話や考え、議論の順番、筋道を組み立てる能力です。妥当性が高いほど能力が高いです。
それは、数学の証明問題などを通して、身につけることができます。
俗に言う、頭がいい、それは論理的思考能力を身につけている人です。

現代社会、パソコンが必須で、人間の作業を代替します。
つまり、パソコンを使いこなすことが、
社会を生きていく上で大きな武器となります。
パソコンのソフトウェアもOS上で動作します。
OS上で動作させるために、プログラム言語を組み立ててソフトウェアを構築します。
言語を組み立てる、まさに論理的思考能力が必要となります。
OS、論理的思考能力が貧弱なものであると、
思い通りの動作を行うことができません。
論理的思考能力を鍛えていると、思い通り、迅速な動作を行うことができます。
そこに、数学が大きな武器になる瞬間があります。


つまり、数学ができることで、
問題解決、プレゼンテーション作成、文章作成、プログラム作成、
現代のビジネスで必要な能力の多くの基盤である論理的思考能力が身に付きます。
だから、数学は、公式などを覚えることが大事なのではなく、
そこで論理的思考能力が身につき、論理的な頭脳の組み立てができるようになる、
だから、数学を選ぶのです。



その他

私の麻雀日記




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