スケールと調の関係



小学校の音楽の教科書に『メヌエット ト長調』という曲があったのを覚えているでしょうか?

年代によって内容が違うので、もしかしたら知らない人もいるかも知れませんが、とりあえずそんな曲があったと認識しておいて下さい。

この『メヌエット ト長調』という曲名は、実際には曲の内容を表したものだったりします。

メヌエットと言うのは踊りに使われる曲の一種で、3拍子のゆったりとしたものです。

映画などの宮廷での舞踏会といったイメージでしょうか。

と説明をしてみましたが、『メヌエット』の部分は実はあまり重要ではありません。

ここでは『ト長調』の部分に注目してみましょう。



この『ト長調』には、重要な2つの意味が含まれています。

『ト』と『長調』ですね。

恐らく学校の授業でやったとは思いますが、『ドレミファソラシド』を和名に置き換えると、『ハニホヘトイロハ』になります。

これもド=イではないので気をつけましょう。

つまり『ト』とは、『ソ=G』の音の事を表しています。

では『長調』とはなんでしょうか?

こちらも恐らく学校の授業でやったとは思いますが、小中学校レベルだと『明るい感じ』という説明しか受けていないかも知れません。

もちろん明るい感じというのは間違ってはいませんが、正確な意味としては『メジャースケール』の事なんです。

『ト=ソ=G』、『長調=メジャースケール』の2つを合わせると、『ト長調=Gメジャースケール』となりますね。

つまり『メヌエット ト長調』という曲は、『Gメジャースケールをメインに使うメヌエット』という意味だったんです。



前置きが長くなってしまいましたが、このように曲には『メインに使われるスケール』が存在するんです。

この『メインに使われるスケール』を表したものを、その曲の『調』と呼びます。

Gメジャースケールをメインに使っている曲の調であれば、『G(Gメジャー)調』になります。

調の表し方は複数ありますが、本講座ではアルファベット表記を主に使います。

この『調』、コードを採る際に役に立ちますので、必ず覚えておきましょう。



さて、調にはもう1種類あります。

上記の例はメジャースケールがメインに使われていました、となるともう1つは……?

そうです、マイナースケールをメインに使う曲の調ですね。

例えばGマイナースケールをメインに使う曲の調、これはアルファベット表記で『Gm(Gマイナー)調』になります。

GだけだとGメジャースケールと混同してしまうので、minorの『m』をくっつけてるわけですね。

majorも頭文字は『m』なんですが、区別するためなのであまり追求しないで下さい。

ちなみに『Gm調』の和名は、『ト短調』になります。

メジャースケールであれば『長調』、マイナースケールであれば『短調』ということですね。



1.2.2.ダイアトニック・コード(メジャー調)