USロック/ポップレビュー
(S=激YAVA!、A=素晴らしい B=中々良い C=普通 D=イマイチ E=駄作)
Hard Candy/Counting Crows
順調に活動を続けるcounting crowsの新作は、頭からガッツポーズ
間違いなしの名曲が続きます。きっとファンはファーストが1番好きなんじゃ
ないかと思いますが、その後轟音になったり微妙なアルバムをだしたりと、
決して傑作を出しつづけてきたとは言えない彼らだけにこの
アルバムは嬉しかった。Mr.jonesの再来!て感じに。アルバムとして
はちょっと気長でダレるし、long decemberみたいなバラードも
はいってたら良かったなぁとは思いますけど、自分はこの新作でひさしぶりに
『よくぞ帰ってきたね!』て気持ちになれました。彼らってEaglesみたい
じゃない?(A)
precious/ours
アメリカの5人組バンド、セカンド。
U2のWARだとかRadioheadのファーストみたいな感じで、
ナル系耽美ボーカルが全編にわたって歌いまくります。
演奏はインディーかかったギターロックって感じなんですが、
このボーカルは気になる。マシューや初期トムヨーク、ボノそして
フレディマーキュリーといった
エモーショナルなボーカリスト達と同じパワーをこいつ
に感じる。ジェフバックリーやクリスコーネルと比べられたりしてる
みたいですが、それも納得。
このボーカリストにはもっと大きな舞台が似合うはず。(B)
audioslave/audioslave
クリスコーネルがRageATMに加入する形で結成されたバンド。
レイジの攻撃性半減、クリスのパワフルボーカル半減、足して1って感じ
の『妥当な作品』でしょうか。もちろん彼らの1ってのは馬鹿でかい
ですからね、ものすげえカッコいいロックに仕上がってますよ。
音も、両者の素晴らしいところを抽出した感じのルービンによる
見事なプロデュースで完璧。
ただ僕の中で気に入らないのが、
どうしてこれにバンド名つけたのかって事です、まるで新しい
マジックが生まれてるかのようにさあ。レイジWithクリスコーネル、で
良いじゃんかよ。(B)
bump ahead/Mr.Big
スーパーグループらしいですが、ほんとにスーパーです。
とにかく1曲目、これのインパクトがさあ。
Jazzのレコードを3倍速でプレイした上からギターかぶせた、
みたいな。ギターソロの後ろで同じ速さでかけのぼっていく
ベースとかさ。あのスピードでもグルーヴを失わないドラムとかさ。
ストップアンドゴーがビシビシきまってさ。この曲のインパクトがありすぎ
るんですけど他の曲もすんごい、すんごいのよ。上手いだけの音楽に
興味はないけど、それが『かっこいい』にまで昇華されてればジャンルは
関係なく最高だと思います。かっこよすぎだわ。(A)
let go/Avril Lavigne
こういうCDは必ず買ってしまうね。多分根っこがミーハーのアイドルオタ
なんでしょう。アメリカ発の17歳アイドル系シンガソングライター、
アブリルさんのデビューアルバムです。でもさあ、17歳でしょ。
もっと音に若さのエナジーがあっても良いんじゃないの。ほんと、悪い
意味で落ちついちゃっててさあ。歌も上手いし曲も良く出来た感じ
なんだけど、こんなの求めてないんだよ。若さという最強の武器を
ビジュアル面でしか発揮できてない、というのは個人的に非常に
痛い。CDだけだったら(D)くらいなんですけど、総合でいうと
この評価で。(B)
st/weezer
奇蹟の名盤、WEEZERのファースト。繊細さとローファイ感、ポップなメロディ
の中で迸るエモーションと汚く歪んだギター、初期衝動と疾走感、
全てが完璧。美しいアコギのアルペジオから斬りこむように入ってくる
エモーショナルなギターが印象的な1曲目からKOされます。
say it ain't soみたいな屈指の名曲も含め名曲揃い。上手いとか下手とか個性とか、
そんな事は心底どうだって良くて『ロック』がここにあるんすよ。
ロックが。リバースはトムヨーク、カートコバーンに匹敵する
ソングライターでありボーカリストでありギタリストなんだよね。(SS)
one fierce beer coaster/bloodhound gang
アメリカのクソガキ5人による96年の
作品。有名な曲をサンプリングしたり、そこら中でスクラッチはいってるし
ファンクのノリだとかあって、まぁいわゆるミックスチャーの走りみたいな
事になってるっていうか。RUNDMCもやってたTRICKY!もツーバスで
カバーしてます。
でも、斬新とか革新的なわけじゃなくてレッチリ
とかBECKの真似しただけっていう。演奏つまらないし下品な歌詞満載で、
ほんとアメリカのクソガキ感がかなり出てます。評論家に最も嫌われる
タイプのバンドなんだけど、僕はこういう馬鹿こそロックだと思う。
(B)
blue/third eye blind
前作がヒットした、プロデューサーJenkins結成のロックバンド、2作目。
職人のバンドって事で玄人好みの複雑なサウンドに仕上がってるかと
思いきや、きっちりとドポップにコンパクトに纏めているところが
流石というしかない。テクノ的なビートが取り入れられていたり難解なコードを絡めた
展開を随所にはさんでみたりと、サウンドは相当複雑に構築してある
んだけどね。コレって今出てきたら『サンフランシスコのエモバンド』
扱いだよね。そんなことより何より、ボーカルのポップで哀愁誘うメロディが
素晴らしく良いんです。ひたすら泣けます。
(A)
モドル
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