エモロック/エモコアレビュー

(S=年間トップ3級、A=素晴らしい B=非常に良い C=良い D=イマイチ E=駄作)


Rising sun/Logh
店でかかっていて何となく良かったので買ってしまいましたので、 どこの何なのか全くわかりません。ダークなポストハードコアバンド というかサッドコア(懐かしい言葉だ)というか。爆発しない Engine Downって感じの1曲目が気に入って買ったんですが全体的には もっと地味でした。この手の音は相当に聞き手が擦り寄らないと 体の中まで音が入ってくる事はなく、それだけに聞き手の状態だとか 場所、シチュエーションなんかがバッチリと合った時は染みるに染みる 事間違いなしだと思います、が、まだその時は訪れておりませぬ。 寒くなったら、きっと。 (B)




The People's History Of Dismemberment Plan
数年前にクルリ選曲のベストが出てるので、最終作CHANGEからばかりの 選曲となってしまった情けないベスト盤。全部アルバム持ってる人にとっては 殆ど価値のないもんで、リミックスも1度聴けばもういいやって感じ。 なんだけど、なんだけど、face of the earthから始まるってのもいいなぁとか、 Following Throughの後にThe Other Sideが続く感じとか、CHANGEとは 違った感覚で聴けたというか、曲順を変えるだけで楽しめるくらいに ディスメンを愛聴してたんだなぁとか、そんなこんなで結構聴いてます。 素晴らしいバンドでした。 (S)




infinite keys/ester drang
JADE TREEでこのジャケって事で即買いの一枚。淡々としたリズムを 美しい様々な音色で盛り上げながら静かに高揚していきます。ボーカルの メロディライン中心というよりも、 一つ一つの音が重なって交わり合って曲を構成してるのでパッと聴いて 強烈に残るようなものではないです。音も緩く、ストップアンドゴーが ビシっと空間を切り裂くような瞬間は皆無。 1歩間違えばサブカル映画のサントラで終ってしまいそうなのだけど、 この空気のような音は決して無味無臭ではなく、古い骨董品屋で見つけた 古ぼけたタペストリーのような不思議な魅力を放っています。(A)




dead sinking story/envy
数年前、SMARTというファッション誌のストリートスナップで、オシャレな 女の子が『好きな音楽はENVYとか。』と書いていて、彼らのライブの どこにあんな子がいるんだなどと思った記憶がありますが、今なら全然 いても不思議じゃないくらい一般層にも浸透したENVY様の3作目。 たしかに静かな音響っぽいパートが増えたんですが、それが嫌らしさを 感じないのは彼らの音楽性が自然にそうシフトしていったんだと はっきりわかるから。桁が違うんだよそこらの似非とは。 そしてこのクサさはMUSEなんかに通じるものもあると思う。デス声MUSE。 (A)




beneath medicine tree/copeland
エモの決定盤!!というふれこみの新人は最早聞き飽きたって感じも しますが、こういう感じになるとオリジナリティは下がる一方で クオリティが馬鹿高くなるんですよね。このCOPELANDも、 様々な先駆者の音を彷彿とさせながらも、『曲が良いからいいじゃん』 といわせてしまうだけのパワーがあります。こういう綺麗でちょっと 情けないエモロックやってるバンドの人って例にもれずブサイクなん だよね、というと失礼ですが、それだけにエモーションも本物かと。 1番なんてベンフォールズみたいで泣けます。思春期の男の子女の子 にお薦め★(B)




two guns, twin arrows/abilene
自分の世界観を持ってるバンドは強いなぁ、とつくづく感じました シカゴのAbilene、セカンドアルバムです。淡々と同じ演奏を繰り返す中で 徐々に温度を高めていき、気付いたら壮大な暗黒の世界に聞き手を 誘うスローなポストハードコアサウンドは、むしろプログレに通じる 世界観といってもいいかもしれない。Karateや90DayMenなんかが持つ ダークな一面を全体で表現した感じで、キャッチーという言葉からは かけ離れているにも関わらずこれだけひきつけられるのは凄いと思う。 良いオーディオでリラックスしながらじっくりと聴いて欲しい音です。 (B)




noyes/noyes
Ghost and Vodka、OwlsのギタリストVictor Villarreal とEuphoneのRyan Rapsysによるユニット、ファーストEPです。 想像通り美しく軽快なインストロックですし、そんなサウンドの 第一人者達がやってるわけですから曲も半端なく良いです。 ここまでアッサリやられてしまうと、こっちのジャンルで頑張ってる バンドはやる気なくすんじゃないのってくらいに、半端なく良いです。 まるで澄んだ水の中から綺麗な森を眺めているかのような音。 いっつも同じこといっててしつこいようですけど、こういう音に ふれる度に、あぁ音楽が好きで良かったって思います。(A)




the great communicators, the interpreters, the nonbelievers/Aloha
ファーストの前に発売された5曲入りEP。テクノのビートをJazzのタッチで 絶妙なリズム感にのせてたたき出す事が出来るドラマーと、聞き手を 夢に誘う重厚な ビブラフォン奏者を有する事でdylan groupフォロワー扱いを受けるのは 仕方がない事なのだけど、彼らの強みはやっぱり『唄』。クールで温かく、 心に染み込む至福の声を持つボーカリストが美しいジャズテイストの 演奏にメロディを乗せることでAlohaのサウンドは完成される。 推しつけがましさの全くない空気のような音は、地味の一言では切り捨て られないほどの癒しと落ちつきを与えてくれる。 (A)






モドル