エモロック/エモコアレビュー

(S=年間トップ3級、A=素晴らしい B=非常に良い C=良い D=イマイチ E=駄作)


calculating infinity/the dillinger escape plan
カオティックハードコアという言葉を冠するのに最も適した バンドだと思う。複雑すぎて拍子がわからないような曲がどんどん 繰り出され、わけがわからないうちに終ってしまう。 僕なんかはどうしても曲を分解して聞く癖があるので、ついていけなくて 理解不能に陥ってしまうのだけど、むしろこれは何も考えずにその 混沌とした曲展開に身を任せるのが良いのかもしれない。 とにかく技術的に高すぎて曲の外殻が見えないのでちょっと厳しく 感じる事があるけど凄いのは確か。(B)




5 pieces songs/kulara
複雑な展開と長い曲構成が魅力の、日本発5人組カオティックハードコアバンド。 日本のカオティックって、彼らをはじめとして 静と動の使い分けが凄く上手いと思う。海外カオティックバンドは テクニカルで複雑だけどあまり静の部分使わないんだよね。 2本の乾いたギターに生々しくラウドなリズム隊、ヒステリックな高音 絶叫ボーカルによって構成されたKularaは、ハードコアという音楽が ここまで辿りついたのか、とため息が洩れるばかりの激しく、美しく、切ない 音を奏でてくれます。(B)




a naked landscape/kulara
Kularaのセカンド音源は2曲27分の大作。前作で見られた彼らの世界観を ここでは更に長い曲展開の中で存分に発揮しています。ハードコアという 音を全て細かく切り砕いて、その断片を複製して色々な場所に継ぎ合わせ、 一つのアートを形成した、そんな音楽です。かっこいいとかテクニカルだとか 感動的だとか、そんな直接的な感情じゃなくて、ただただ音の洪水に圧倒されて、 気付いたら身を任せてる。ある意味これもアンビエントだよね、辛くて 哀しいアンビエント。(B)




jane doe/converge
最新作で急にハードコア界の救世主的な持ち上げられ方をして 日本盤まで出てしまったカオティックの代表格バンド。トリッキーな リフと転調しまくりで手数多め、スネアの音が素晴らしいドラム。 ヒステリックな高音絶叫ボーカル。高い演奏力と生々しい録音で全体を 物凄い混沌が覆っている。ハードコア全開のスピードチューンから うねりまくるカオス出まくりのスローチューンまで見事に聞かせる 事ができるのはバンドとしての基礎能力の高さを示していると思う。(A)




I.E./There is a light that never goes out
日本のエモーショナルカオティックコアバンドのファースト。 不気味なアルペジオから不協和音が重なりラウドで手数の多いドラム が被さって高音のシャウトボーカルが乗る01のSURUをはじめて 聴いたときの衝撃は凄まじく、次の日に急いで買いにいきました。 高音で叫ぶボーカルと低音で唸るツインボーカルのコントラストと どれだけ激しくても脆弱で繊細な雰囲気が、僕の心をガッチリつかんで 離さない。音があまりよくないのが残念だが、是非是非一家に一枚の名盤 です。 (A)




Jupiter/cave in
カオティックハードコアバンドだったCaveInが、昔からの要素であった エモーショナルで感動的な展開やメロディ、深みのある音作りを 急激に昇華させて完成させた美しいロックアルバム。絶叫ボーカルは 完全に後退し、甘い声で感動的なメロディを歌い込む。ハードコア出身 だけあって演奏はかなりボトムが効いたタイトなサウンドだ。 今はインディーズのカリスマ的存在だが、メジャーにでて 売れる可能性が高いバンドだと思う、て思ってたら最近メジャーデビューしたよ。 しかもサマソニ出演。(A)






モドル