おとなのための科学の話(その5)  理科カルタ   10年8月13日
 
 物理・化学に関する学習の内容を<理科カルタ>として、09年の冬の群民研の理科分科会で提案しました。 
 カルタの形式は、読み札の裏には、簡単にその解説をつけてあります。
 取り札の絵は、生徒に描いてもらったものや、写真に撮ったものなどで、実験可能なものには、その裏に☆印をつけて(省略)あります。
 
  い イオン式 H+ で O2−
  物質は分子でできていて、分子は百種類ほどの原子からできています。原子は記号で表わされていますが、原子は電気を持っていて、それらをH+ や O2−のように、原子記号にプラス・マイナスの符号をつけて表記します。これがイオン式です。
 
  ろ ローレンツ力 左手出してFBI
 磁石の近くにある導線に電流を流すと、電流I(導線)は磁場B(磁石)から力Fを受けます。これをローレンツ力と呼びます。電流も磁場も力もベクトルという量で、それは大きさだけでなく、方向や向きもあって、その覚え方がフレミングの左手の法則です。
 左手の親指(1指)、人差指(2指)、中指(3指)を、互いに直角になるように伸ばします。1、2、3をFBIと覚えます。F(Fight)は力、Bは磁場、Iは電流の方向・向きを表します。磁場の向きに2指を、電流の向きに3指を伸ばすと、1指の方向・向きに、電流は力を受けるのです。
 
  は バッターの遠心力でホームラン
 糸の先におもりをつけてグルグル回します。糸を離すとおもりは飛んでいき、回転が速いとおもりは遠くまで飛びます。ハンマー投げはこのようにして、おもりの飛距離を競います。 
 おもりを振り回すと、手が外向きに引かれるように感じます。この感覚を遠心力といいます。しかし、本当の遠心力は、これとは全く別のものです。内容は理科サークルのメンバーに聞いてください。
 
  に 二階から炭酸水をストローで
 真空ポンプで、10mまで水を吸い上げることができます。15mほどの細い塩ビパイプをバケツの水に入れて、パイプの中の空気を出してしまったら、その片方の口をゴム栓で塞ぎます。バケツを学校の階段の下に置いて、実験者は、ゴム栓をした端でパイプを持って階段を上がります。パイプは階段の隙間の空間を通します。こどもたちは階段に並んで観察します。さて、どうなるでしょう。
 大気圧の実験を簡単に楽しんでみましょう。長いストローで二階から、一階に置いた水(ジュースの方がいい!)を吸い上げるのです。文化祭などで楽しみましょう。
 
  ほ Why より How で遊んで楽しもう
 生徒が<何故?>って質問する授業はよい授業だ、と評価されるようです。しかし、質問の答えは、先生に聞くのではなく、<もの>から聞く(尋ねる)のが本来です。ものと遊んでいると、“こうすればこうなる” “ああすればああなるだろう” というように、ものの振る舞い、性格、特徴などが見えてくるのです。
 
  へ 並列につなぐ家庭の電気器具 
 理科で何かを学んだら、その視点で自然(物質)を眺めることが大切です。回路の学習で、乾電池とスイッチとLED(発光ダイオード)のつながり具合がわかったら、自分の部屋の蛍光灯が、どのような回路で点灯しているかを<見てみたい>ものです。全部の電化製品が、並列になっていることが発見できましたか。
 
  と ドップラー効果で走る救急車
 音の高さはその振動数で決まります。高い音は振動数が多く、低い音は少ないのです。ところで救急車がサイレンを鳴らして走っているとき、近づくときには高い音として聞こえ、遠ざかるときには低い音として聞こえます。これをドップラー効果といいます。
 どんな波でもドップラー効果を起こします。宇宙が膨張し続けていることは、光のドップラー効果から判定されました。
 
  ち 調理場には酸と塩基と熱源と  
 女性は男性より科学的です。台所で食品などに触れる機会が多いからです。調理場は化学実験室です。酢という酸があり、重曹・石けんというアルカリがあり、水源があり、熱源があり、温度計があり、計量器があります。
 
  り リンゴ落ちて ニュートン万有引力を  
 リンゴが落ちて引力が発見された、という逸話が定着しています。それまで、ものが落ちるのを、人々はどう見てきたのでしょうか。
 <神様がそうお決めになったから> <地上が本来の存在位置だから> <重いものは下へいくものだ>。誰もが、現象を説明したいのです。こんな中で、ものの運動を力で説明しようとしたのがニュートンでした。
 
  ぬ 沼には河童 海には人魚
 沼と池の違いはカッパが棲んでいるかいないかで決まる、という楽しいTVコマーシャルがありました。童話、民話、文学、芸術、宗教などと科学を、どのように関係づけるかという問題があります。
 生物や、ときには、無生物が、擬人化して表現された、文学作品をよく見かけます。逆に、生物や人を「擬物化」して表現してみては?
 
  る ルビーレーザー 宝石よりも輝いて
 ルビーから、振動が揃っているレーザーという光がつくれます。レーザーはエネルギー密度が大きくて、これに照射された物質の温度は上昇するので、医療的に、科学的に、時には軍事的に利用されます。
 酸化アルミニウムの結晶に、クロムを加工するとルビーとなって赤色に発色し、鉄とチタンを入れるとサファイアとして緑に発色します。
 レーザーの色は、宝石の色より美しく見えたりします。
 
  を 尾瀬ケ原を守ろうと 理科サークルも
 理科サークルの例会は、長い間、群大の今井研究室で持ってきました。今井勝俊先生はじめ、自然に関心を持つ多くの人たちが、尾瀬の保全に力を尽くしてきました。群馬理科サークルの会員も関心を持っています。仲間が経営する藤原のペンションPALのバスに乗れば、尾瀬へは1時間です。
 
  わ 輪になって百人おどしを楽しもう
 高圧の静電気をコンデンサーにためておいて、手を繋ぎあわせた多人数の、人の輪の1ケ所で放電させます。静電気が小さいので危険はありませんが、そのショックでびくりします。予想もしない感覚なので、驚きが大きいのです。こともなげに実験する、のがコツです。
 
  か 片方の波だけ通すダイオード
 家庭電気は交流です。交流は電気が<左右に>振動しています。この右から左への動きを止めて、左から右への動きだけを可能にさせることを、整流するといいます。そして、そのような装置をダイオードといいます。
 交流でLEDを点灯させると、毎秒50回点滅して、チラチラします。
 
  よ 横波は光で 音は縦波で
 縦に振動するのは縦波で、横に振動するのが横波ではありません。この云い方すれば斜め波もあることになります。
 波が進行する方向に直角に振動しているのが横波です。横波を見えるように表現したものが波形です。ピンと張った糸は横波を伝えます。横波を伝えるのは固体で、液体と気体は横波を伝えません。とすると、海の波は? あれは物理的には横波ではありません。というより、波ではないのです。
 ところで、真空は横波である光を伝えます。ということは、真空は堅い「もの」なのでしょうか。
 
  た 棚にある大牡丹餅のエネルギー
 棚の牡丹餅には、誰かがそれを持ち上げた仕事の成果が、エネルギーとして蓄えられています。だから、タナボタは、一度(ヒトタビ)、棚から落ちれば、下にいたネズミに打撃を与えることができるのです。
 
  れ LEDをつけようレモン電池で
 レモンを斬って、その液に10円と1円の硬貨を浸します。これを二組作って直列につなぐと、LEDを点灯させることができます。11円電池です。22円電池かな?
 
  そ 掃除機の埃の中に放射能
 環境に存在する放射能にはラドンがあります。マグマと一緒に地表近くに上ってきたRa(88)が壊れて、気体のRn(86)となり、岩石に封入されるのです。このRnは放射性物質で、ここから空気中に放出されます。
 Rnは壁の建材に含まれています。水より有機溶剤(例えばプラスチック)には50倍も多く溶けます。これが埃として掃除機に吸引されて溜まっています。屋内は屋外より10倍近い放射線が存在します。
 
  つ 月と日は同じ視角で日食に 
 月と太陽は見た目には殆ど同じ大きさです。ものの両端と目(片方の)を結ぶ線のなす角を視角といいます。この両者の視角はともに0.5度です。腕を前に伸ばして保持した5円硬貨の穴の視角もほぼ同じです。だから、このような穴には、太陽や月がぴったり入ります。大きさが同じなので日食が起きるのです。太陽の観察には注意します。
 
  ね 熱というミクロの運動エネルギー
  物質は運動している分子でできています。その運動の激しさを温度といいます。個々の分子の衝突を、皮膚感覚は温度として把握するのです。
 
  な ナフタレン二つ並んだヘキサゴン
 化学分子は分子式で表わされます。それを、原子の繋がりを考慮にいれて描いた模様を構造式といいます。
 化学で、ベンゼンを表す6角形の構造式が出てくる頃になると、化学の学習についていけなくなって、<おいてけぼりを食らう>生徒が多くなります。6角形はベンゼンC6H6で、これが二つ並んだC10H8はナフタレンです。ヘキサゴンは6角形のことですが、<おばかさん>という意味でも使われます。
 
  ら ライデン瓶 電気を溜めてショッカーに
 金属のシート(薄膜)が2枚並んだ構造をコンデンサーといいます。ここにプラス・マイナスの電気を与えると、両者は引きあって、逃げ出しにくくなるので、そこに溜まっています。つまり、この構造は電気の「容器」なのです。コップの内と外にアルミホイルを貼ると、コンデンサーができます。これをライデン瓶といいます。オランダのライデン大學で作られたのです。雷電瓶ではありません。プラ瓶の外側にだけアルミホイルを貼り、内側にい水を貼って(入れて)もOKです。この水を飲もうとすると静電気のショックを受けます。
 
  む 紫色の内側に 紫外、X、ガンマー線
 紫外線も赤外線も目には見えません。虹の色の配列の、赤の外側(上)には、これより波長の長い赤外線が、紫の内側(下)には、これより波長の短い紫外線などが並んでいますが…
 波長の短い光のエネルギーは大きくて、紫外線の内側には、更に強いX線、ガンマー線という放射線が並んでいます。
 
  う 宇宙船を探すスーパー・カミオカンデ
 小柴昌俊さんの講演会の後で許可を得て、富山へカミオカンデを見学に行ってきました。
 その後、イタイイタイ病の裁判の判決(勝訴)があった(1972年8月9日)翌日、私は、患者さんを支えていた町医者の萩野昇さんを訪ねました。萩野さんは快く会ってくれて、状況を話してくれて、更にその後、丁寧なお便りをもくださったのです。この情報は理科Tの教材にしました。
 カドミウムがこの病気の原因物質でしたが、これを放出した三井金属鉱業の、神岡鉱山の廃鉱に、カミオカンデ施設が作られたのです。
 
  ゐ 井の中の蛙に そこは全宇宙
 人間の世界認識は次第に拡大されていきます。縄文人の生活範囲はせいぜい近隣部落、江戸時代の人々には日本の国内、現在人には地球全体ですが、やがて、太陽系に及ぶのでしょうか。その点から見ると、井の中の蛙にとっては、そこが全宇宙になります。
 
  の ノーベル賞 素粒子探すカミオカンデ
 1987年2月23日に、宇宙線を検出する施設カミオカンデで、超新星の爆発で発生したニュートリノが検出されて注目を浴びました。その後、規模を拡大したスーパー・カミオカンデが造られ、素粒子研究が続けられています。これが評価されて小柴さんのノーベル賞授賞になります。  <う>の項目も参考に。
 
  お 凹面鏡の虚像 つかめそうでつかめない
 凸レンズ型容器の内面を鏡面にした、ダブルの凹面鏡による実像は、実物がそこに存在するように感じられて、虚像に、つかめるような錯覚を覚えるものです。
 この装置は理科の教材として、イリューゾン・スコープの名で販売されています。安売店(アマゾン)でも千数百円はしますが、マクドナルドのハッピーセット(350円)の<おまけ>として入手できました。
 
  く 空気にも重さがあって缶に詰め
 空気の重さは感じられないので、空気には重さがないと思ってしまいます。空気も<もの>ですから重さがあります。スプレー缶の重さを測ってから、ポンプで空気を圧入して再び重さを測ります。上方置換で、圧入した空気の体積を測れば、空気の密度が測れるという訳です。現在では、学校には電子天秤があるので、空気の重さは1.2g/lであることが、容易に解ります。
 教室の大きさは、ほぼ、9m×7m×3m≒190m^3 なので、その重さは 190m^3×1000・l/m^3×1.2g/l=230000g=0.23t になります。
 
  や 山小屋へ実験持って集まろう
 毎月1回、赤城の山小屋で、群馬理科サークルの例会が持たれます。初めは、群馬大学の今井勝俊教授の教室で持たれましたが、1987年に、この山小屋を手造りしてからは、ずっとここで持たれています。
 毎回、みんな、実験道具を持ってきて、見たり、作ったり、食べたり、飲んだりします。<もっぱらものから学ぶ>というのが、群馬理科サークルの哲学です。
 
  ま マグネシウムを燃やして鉄が作れます
 酸化鉄とマグネシウムの粉末を交ぜて点火すると、激しい反応が起きて純鉄ができます。マグネシウムの方が鉄より酸素と化合しやすいので、酸化鉄の酸素がマグネシウムに奪われて、鉄が遊離するのです。
 マグネシウムの代わりに、酸化鉄の酸素を炭素で奪う方法が<たたら製鉄>です。私達の理科仲間の集まりである科学教育研究協議会、略して、科教協の、2010年度の関東大会は群馬が当番で、メイン・イベントとして、たら製鉄の実験を企画しています。
 
  け 元素並べて メンデレエフの周期律
 物質を構成する単体を元素といいます。メンデレエフは単体を質量の順に並べると、同じ性質のものが周期的に配列することに気づきました。
 このことから、単体そのものに、さらに、内部構造があるであろうことが窺がわれました。その階層の下部集団が素粒子の世界です。
 このことを授業で話すと、“素粒子にも、もっと階層の低い構成粒子があるって、そのうちに言い出すんでしょう”と生徒は言ったものです。
 物質⇒分子⇒原子⇒素粒子と来たのですから、素粒子⇒  っていうこと?
 
  ふ 浮沈子を回そう 穴を二つあけて
 マリモのように、水に浮き沈みするものがります。
 空気を含んでいるものは、その空気の量(体積)によって、浮き沈みします。この量を積極的に加減して、水中を浮沈させる玩具があります。日本固有の呼び名は<ういてこい>です。日本語は美しいですネ。
 醤油のたれ瓶に半分ほど水を入れ、牛乳瓶の水に浮かせます。ちょうど浮くように瓶の空気を調節しておいて、牛乳瓶の蓋をして外から押すと、浮沈子は沈みます。押すのを止めると浮いてきます。浮沈子に二つの穴をあけて実験すると、浮沈子が浮き沈みするときに回転します。水の出入りよって瓶を回転させる力がはたらくからです。
 
  こ 光角で遠近 視角で大小を
 ものの両端を、片方の目(両目でもよいが)で見る角度を視角といい、ものの大小を認識します。これに対して、ものの一点を両眼で見る角度を光角といって、ものの遠近を認識します。視角については<つ>の項目で触れています。
 
  え エコの世はエントロピーとエネルギー
 エネルギーの最終形態は熱運動です。そしてこのことが地球の温度を、徐々に上昇させています。エネルギーを多量に使用する文明は、地球全体の温度を上昇させるまでに達しました。
 エネルギー源としては、太陽熱、水源、地熱、化学物質の4種が考えられます。前の3種は二酸化炭素を排出しません。だから、このエネルギーを使おうというキャンペーンがなされています。
 炭素は、昔の植物に由来する石炭・石油と、石灰岩に含まれていて、凝縮態で存在しています。これが気態の二酸化炭素になると、大きな空間を占める分散態となります。このようになることをエントロピーが増したといいます。
 ものも、ものの運動も、密度が薄くなると、つまり、エントロピーが増すと価値が下がります。
 この項では、原子核エネルギーについては省略しました。
 
  て 電流は回路の中ではどこも同じ
 乾電池、パイロット・ランプ、導線、スイッチで回路を作ります。スイッチを入れると、回路に電流が流れますが、電流の強さは回路のどこでも同じです。光っていない導線の中でも、光っている電球のフィラメントの中でも同じです。電流を「発生」させる乾電池の中でも同じです。
 
  あ アイデアは酔った気分でやってくる
 理科の学習では、新しい実験を開発したり、新しい原理を発見したりする楽しみがあります。それには、広い視野と深い洞察を必要とします。関係のなさそうなことをコラボさせるアイデアも必要です。
 朝、目覚めの直後や、夜、ほろ酔い加減のときが、グッド・タイミングです。
 脳が、束縛されていないという状況なのかもしれません。
 
  さ サイクルは東50で西60
 家庭に配電されている交流電源の周波数は、関西では60Hzで、関東では50Hzです。関西の発電機はアメリカから購入し、関東のそれはヨーロッパから購入したので、このようになったのです。
 磁石ごまを交流周波数で回す実験をしたことがあります。関西圏では、毎秒60回転の初速を与えるのが困難でした。
 
  き 教科書に抗議のモンキー・ハンティング
 落体運動の教材にモンキー・ハンティングがあります。猟師に狙われているのに気がついた猿は、矢が射られた瞬間、矢に当たらないようにと、枝から手を離して落下したのです。これで、猿は矢に当たってしまう!のです。矢が正しく猿を向いている場合には、矢も重力に引かれて、猿と同じ距離だけ落ちるので、結局は、猿は矢に当たってしまうというのです!<猿知恵>というのは猿に気の毒ですが…。
 力学的にはともかくとして、動物愛護協会が “これを教材にしないように” と教科書会社に抗議した、というのです。
 
  ゆ 有機物5000万種はCHON(チョン)とでき
  原子や分子が元素記号で表されることは、中学校で学びます。
 この元素は100種程度しかありませんが、物質は5000万種もあるといわれています。しかも、今でも毎日のように多くの物質が創られ続けています。しかし、その殆どが、炭素C,水素H,酸素O,窒素Nの4種で、CHONと創られるのです。
 
  め 面積速度一定で地球は公転し
 地球は太陽の周囲を公転しています。地球と太陽を結ぶ線分が塗りつぶしていく、面積速度は一定なのです。だから、太陽から遠い所では地球は遅く、近い所では速い、というわけです。ケプラーの第2法則といいます。
 
  み 三色とも七色ともいう色の数 
 虹は七色といわれますが、国によっては、それを判別する色の数が異なるようです。これは、色の認識の差というより、それを表現する言葉の有無によるものです。色数が少ないのは、色を区別する必要がないからでしょう。
 TVなどでは、赤、青、緑の三色の加法混色で、680万種のカラーを合成しています。人間が判別できる色の数はいくつあるのでしょうか。
 
  し 上限はなくて 下限のある温度
 鉄が融ける温度は1200〜1500度で、太陽の表面温度は6000度といわれます。
 逆の場合、起こり得る最低温度はいくらでしょうか。地球上の、あるいは、宇宙全体で一番低い温度は何度でしょうか。かなり低い温度が存在しそうに思えますが、実は、零下273度付近で終りです。
 
  ゑ WE(ゑ)と書いて、西に東に太陽(ヒ)と月と
 菜の花や月は東に日は西に(与謝蕪村)という俳句があります。
 ナノハナを Yellow blossoms として…この句を英訳してみませんか。
 
  ひ pH(ピーエッチ)2.05 の草津の湯
 酸・アルカリの強さをpHという値で評価します。中性が7で、これより数値が低くなるに従って酸性が強くなり、数値が大きくなるとアルカリ性が強くなります。草津のpHは2程度だそうです。かなりの酸性です。
 だから、草津の湯に入った後には、<あがり湯>と称する弱アルカリの湯に入って、中和させるというのです。川原湯があがり湯として、よく知られています。ダムを造るとか、止めるとか…、さて、どうなることやら。
 
  も もっぱら(M)もの(M)から学び(M)ます
 群馬理科サークルには、「理科はものから学ぶ」という共通認識があります。教科書やTVの教材では、他人の知識を介して学ぶことになります。
 これではモノを学ぶのではなく、ヒトを学ぶ、あるいは、ヒトから学ばせられることになります。
 教科書は多分に、国の企画に沿ってつくられています。つまり、国によって教育されることになります。だから、戦争に利用されることにもなるのです。
 
  せ “先生あのネ”と自然の便り
 毎朝、自然から直に見聞きした世界を報告し合う会、を持つ小学校が多いようです。見つけた自然をみんなに知ってもらうためには、よく見ておかないと上手に話ができません。これを続けると、やがては、親も情報源になりそうです。地域の自然の博物誌もできようというものです。
 
  す 酢に入れて十円硬貨ピッカピカ
 酢は薄い酸で、金属酸化物を溶かします。十円硬貨は銅の化合物で、通常は表面が酸化して黒っぽく変色しています。これを酢に入れると、酸化銅が融けて、銅本来の色が出てきます。実験の後の酢は使えませんヨ。
理科実験についてのお問い合わせ等はメール・掲示板にてお願いいたします。
掲示板 石井信也
理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち